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授業科目名 マクロ経済学
時間割番号 LSS211
担当教員名 渡邊 幹彦
開講学期・曜日・時限 前期・水・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
本科目の目的は、学生が、以下の能力を習得するように講義を実施することである。
1 国全体の経済政策と制度の適切性をマクロ経済学の観点から評価できる。
2 マクロ経済学の基礎である、国民所得・雇用・利子率・国際収支について説明できる。
3 IS-LMモデル、成長モデル、国際マクロモデルを説明できる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>地域社会システム学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
SS-A専門社会科学系の基礎社会のしくみを体系的かつ多面的に理解し、社会科学の基礎的な概念を用いて説明できる。
SS-B経済学の基礎と発展経済活動の仕組みや市場の役割を理解し、経済政策や制度の意義を基礎的な専門知識を用いて説明できる。
SS-C共通汎用能力3・数量的リテラシーさまざまな情報を統計学的手法などにより、数理的に表現・分析できる。
SS-D4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
SS
1国民経済の決定要素について説明できる。SS-A
2財政政策と金融政策の内容について説明できる。SS-B
3IS-LM分析を説明できる。SS-C
4経済成長について、ソロー・モデルを使って説明できる。SS-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%試験。国民経済を正しく計算できるか。
225%試験。財政政策と金融政策の実例を経済学の理論にて説明できるか。
325%試験。財政政策と金融政策をIS-LMモデルにて説明できるか。
425%試験。ソローモデルにより経済成長の源泉について説明できるか。
合計100% 
<授業の方法>
ハイブリッド(対面+オンライン)にて実施する。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染状況によっては、完全オンラインでの実施に変更の可能性がある。
連絡に注意すること。

講義は毎回以下のようなサイクルで実施される。
(1) 前回の講義での小テストの結果が、学生に返却される。
(2) 小テストの内容を教員が簡単にレビューする。
(3) 予定されたテーマで講義が行われる。
講義の主な内容は、教科書の内容に即しているが、完全に一致はしない。
適宜、補足や修正がなされた内容で、講義が実施される。
(4) その日の講義の内容に関する小テストが実施される。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
マクロ経済学は、経済学を専攻する上で、最優先で身につけるべき知識の1つである。また、マクロ経済学を理解することは、社会に出てから、現実の経済の状況とそれに関する政策を理解し、それに対応できる能力を身につけることを意味する。

折しも、日本では、新しいマクロ経済政策が導入されつつある。本科目での学習を通じて、現実の経済の動きを分析することは、本科目での学習が、単なる机上の理論ではなく、実際に役に立つ学問を学習することにつながるであろう。さらには、地域の持続可能な食料生産について、地域のマクロ政策を応用することが可能である。

尚、ミクロ経済学の履修は必須である。財政学も極力履修を勧める。経済学概論、経済・経営数学、の履修内容を復習しておくことが望ましい。
【注意事項】学生証を忘れた場合には、一切出席とみなされないので注意すること。
<テキスト>
  1. 宮川 努・滝澤 美帆, グラフィック マクロ経済学, 新世社, ISBN:9784883841592
  2. 中谷巌・下井直毅・塚田裕昭, 入門マクロ経済学 第6版, 日本評論社, ISBN:978-4535557956
<参考書>
  1. 有馬秀次, Excelで学ぶやさしいマクロ経済学, オーム社, ISBN:4-274-06596-0
  2. 家森信善, 基礎からわかるマクロ経済学, 中央経済社, ISBN:978-4-502-68280-3
  3. Martha L. OLNEY, Macroeconomics as a Second Language, Wiley, ISBN:978-0470505380
<授業計画の概要>
1タイトル第1回 ガイダンスとマクロ経済学の特徴
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■科目全体の進め方、ルール、成績評価、教科書・参考書についての説明を行う。
■「マクロ経済学とはなにか」について説明するとともに、マクロ経済学の主要な分析対象(労働市場、財・サービス市場、金融市場、投資の理論、消費の理論、財政政策、金融政策など)について解説する。
教科書該当箇所
教科書[1] 序章
2タイトル第2回 国民経済計算
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■国を単位とした経済の規模を測る方法について、説明する。概論より一歩進み、生産、所得(分配)、支出をより細かく解説する。
教科書該当箇所
教科書[1] 1章(ただし、1.4を除く)
教科書[2] 2章、7章7-1
3タイトル第3回 景気循環
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■景気循環をマクロ経済学の重要な分析対象である好況と不況、成長との関連から解説する。また、重要な概念としてのフィリップス・カーブを説明する。
教科書該当箇所
教科書[1] 2章(ただし、「レッスン2.6」を除く。)
教科書[2] 10章10-2、10-5
4タイトル第4回 消費と貯蓄
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■「消費者はどのように消費行動を決定しているのか」について、いくつかの学説によるモデルを紹介する。消費額を決定することは、貯蓄額を決定することに等しく、これらの関係について解説する。尚、ここでの消費の考え方は、ミクロ経済学の効用理論とは別の、マクロ経済学としての発想に基づくものである。
教科書該当箇所
教科書[1] 5章
教科書[2] 12章
5タイトル第5回 企業の設備投資
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■投資を行う主要な主体は企業である。投資にはどのような種類があるのかを解説するとともに、投資の決定の理論について、説明する。
教科書該当箇所
教科書[1] 6章
教科書[2] 13章
6タイトル第6回 労働市場
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■「労働を供給する側である家計が、どのようにして労働供給量を決定しているのか」「労働市場はどのように機能するのか、また、機能できないのか」について、解説する。また、マクロ経済学の政策を考える上で重要な、賃金の下方硬直性について、紹介する。
教科書該当箇所
教科書[1] 4章
7タイトル第7回 財・サービス市場
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■経済学の基本的な概念である財・サービス市場における均衡をマクロ経済レベルで解説する。
(時間があったら、AD/AS分析についても触れられる。ただ、AD/ASは、無視してしまってもよい。)
教科書該当箇所
教科書[1] 7章
教科書[2] 4章、(9章)
8タイトル第8回 金融市場
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■マクロ経済学に特徴的な、金融市場での均衡について解説する。貨幣の流動性が均衡に与える影響、ケインズ的とマネタリスト的な均衡の相違についても触れられる。
教科書該当箇所
教科書[1] 8章 (8.10 8.11を除く。P.266のトービン効果は含む)
教科書[2] 5章
9タイトル第9回 前半の振り返り
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容前半の振り返りを行う。
10タイトル第10回 マクロ経済の均衡: 財・サービス、金融の市場の均衡
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■財・サービスと金融市場の均衡をIS/LM分析と呼ばれる手法により解説する。
教科書該当箇所
教科書[1]、9章。9.1と9.5を除く。
(ただし、「9.5 開放的なマクロ経済体系」は、第14回講義にて解説する。)
教科書[2]6章、6-1~6-4
参考書[3]、第9章。これが意外にわかりやすい。
11タイトル第11回 財政政策
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■財・サービスと金融市場の均衡をIS/LM分析と呼ばれる手法により解説する。
教科書該当箇所
教科書[1]、9章。9.1と9.5を除く。
(ただし、「9.5 開放的なマクロ経済体系」は、第14回講義にて解説する。)
教科書[2]6章、6-1~6-4
参考書[3]、第9章。これが意外にわかりやすい。
12タイトル第12回 金融政策 
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■貨幣供給量をコントロールすることが、どのように経済に影響を与えるかについて、解説する。尚、金融政策は、前述の財政政策と常に「ペア」で分析されるべきであることを頭の片隅に入れておいていてほしい。
教科書該当箇所
教科書[1]、11章
教科書[2]、6-5、15-2
13タイトル第13回 開放体系下におけるマクロ経済の均衡
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■これまでの政策や均衡は、国の内部での要素のみを対象としていた。ここでは、これらが、国際貿易や国際金融を通じて、どのように変化して、どのような均衡に至るのかを解説する。
(国際収支の考え方に変更があったので、教科書とパワーポイントの違いに注意)
教科書該当箇所
教科書[1]、「9.5 開放的なマクロ経済体系」「10.7 開放経済における財政政策」及び他の参考書の該当章。
教科書[2]、7章
14タイトル第14回 経済成長
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 小テストの結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容■経済は、どのような要素で、どのような条件が整ったときに、どのように成長するのか、あるいは、しないのか、について、ソロー・モデル、及び、内生的成長理論、を紹介することを通じて解説する。
教科書該当箇所
教科書[1]、3章。「3.4 成長会計」「3.5 ハロッド=ドーマーの成長理論」については、時間が余ったときにのみ解説する。
教科書[2]、11章。ただし、11-4、11-5は時間が余ったときのみ。
15タイトル第15回 後半の振り返り
事前学習
事後学習
事前学習: 事前に配信する講義資料に目を通しておくこと。
事後学習: 結果を確認して理解を確実にしておくこと。
授業内容後半の振り返りを行う。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
担当教員は、1996~2008年に、さくら総合研究所及び日本総合研究所において、海外調査部門に所属し、実務経験がある。この間、中央官庁からの委託調査により、特に、東南アジア地域を中心に、実務としての研究調査業務を行った。これにより、特に、新興国の経済状況には精通しており、この知識と経験を生かして講義を実施する。
また、本教員は、2006~2010年において、国連生物多様性条約への日本政府代表団の一員を務めた。ここで得られた国際状況に関する知見も生かして、講義を実施する。
<備考>
(未登録)