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授業科目名 分子生物学I
時間割番号 LBT215
担当教員名 鈴木 堅太郎
開講学期・曜日・時限 前期・月・III 単位数 2
<対象学生>
注意:コンピテンシー等が設定されていない学科の学生でも、
学生便覧の表記に基づき必要に応じて履修申告をしてください。
<授業の目的>
分子生物学は現代の基礎生物学のあらゆる分野において必須であり、生命工学・応用生命科学においても基盤となる。ここでは分子生物学の基礎であるDNAの複製、転写、翻訳、DNAの損傷と修復などの基礎的知識を身につける。また、ゲノム構造の基本について具体的イメージを持つことができるよう理解する。
なお、本授業は2018年4月以前入学生向けの科目「LBT205 遺伝科学概論」の振替科目です。「LBT205 遺伝科学概論」の単位を取得済みの場合、本科目で取得した単位は卒業要件の単位数に含まれませんのでご注意ください。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>生命工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
BT-A専門知識生命工学分野全般にわたる基礎知識に基づいた専門知識を修得している。
BT-B共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
生命環境学部>環境科学科向け
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
BT
1核酸(DNA, RNA)の構造や化学的性質、遺伝情報における核酸の役割を理解し、記述できること。BT-A
2ゲノムの構造やその複製、損傷の修復、遺伝子発現の仕組みや調節機構を理解し、記述できること。BT-A
3分子生物学の知識を生物学全般に関連づけて説明できるBT-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%テストで核酸(DNA, RNA)の構造や化学的性質、遺伝情報における核酸の役割に関する設問に適切に回答できたか否かを評価する
240%テストでゲノムの構造やその複製、損傷の修復、遺伝子発現の仕組みや調節機構に関する設問に適切に回答できたか否かを評価する
320%テストで分子生物学の知識と他の生物学分野の知識との関連性を理解し適切に回答できたか否かを評価する
合計100% 
<授業の方法>
本年度の本授業は、対面講義により実施する。
理解度を確認するために小テストを行う。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
全ての生物が共通して遺伝情報を格納するDNAを中心として、生物学の基礎を身につけることができるような講義を目指します。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. Bruce Alberts [ほか] 著 ; 青山聖子 [ほか] 翻訳, 細胞の分子生物学 第6版, ニュートンプレス, ISBN:9784315520620,
    (2017年出版)

  2. James D. Watson [ほか] 著 ; 滋賀陽子 [ほか] 訳, ワトソン遺伝子の分子生物学 第7版, 東京電機大学出版局, ISBN:9784501630300,
    (2017年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル分子生物学とは何か、生物学全体の中での位置付け
事前学習
事後学習
 
授業内容この講義では分子生物学はどのような学問分野であるのかを概説する。生化学や遺伝学との関係、組換えDNA実験をはじめとした分子生物学的実験と分子生物学という分野の関係を述べる。また、分子生物学が生まれた時代背景についても簡単に触れる。
2タイトル遺伝と遺伝学、遺伝情報
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容遺伝と遺伝学についてその基礎を振り返りを行う。ワトソンとクリックによるDNA二重螺旋のモデルが提唱される前に遺伝学では何が分かっていたのかについて概説する。
3タイトル真核生物と原核生物、ウイルス。大局的に見た生物の分類
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容生物の分類の基盤について概説します。生物界は大きくバクテリアとアーキア、真核生物の3つに分類することができます。細胞の様々な機構や構成要素はこれらの3つのドメインごとに大きく異なることがわかっています。また、真核細胞はアーキアにアルファプロテオバクテリアが共生しミトコンドリアが、シアノバクテリアが共生して葉緑体が進化したことなどにも簡単に触れます。最後に、細胞ではありませんが、ウイルスについてもどのような種類のものが知られているか概説します。
4タイトルDNAの構造
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容DNAの基本構造、フォスフォジエステル結合、塩基の水素結合などについて概説します。
5タイトルRNAの構造
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容RNAの基本構造、DNAとの化学的性質の違い、細胞の中で見られるRNA分子の種類などについて概説します。また、実験でRNAを扱う場合の注意についても説明します。
6タイトル遺伝子の構造、ゲノム構造、クロマチン、ヌクレオソーム
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容真核生物とバクテリア、アーキアにおける遺伝子の基本的な構造を解説する。それぞれの構造の特徴と違いについて確認する。また、それぞれのドメインにおけるゲノム全体の構造や大きさの違い、遺伝子の密度などについても概説する。さらに、真核生物に特有のクロマチン、ヌクレオソームとヒストンタンパク質の修飾についても概説する。
7タイトルDNAの複製
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容バクテリア、真核生物のゲノムDNAの複製について概説します。特にDNA polymeraseの種類と性質、DNA合成の方向性、プライマー、岡崎フラグメントなどについて復習します。
8タイトルDNAの変異と修復
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容DNAの変異はどのようにして起こるのか、複製に伴うものと化学的、物理的な要因で起こるものについてまとめる。またそれぞれについて細胞はどのように修復を行う機構を持っているのかについて解説する。
9タイトル修復(相同組換え)・転写のしくみ
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容第8回に続き、DNA修復について相同組換えの機構について概説する。また、真核生物とバクテリアの転写の仕組みについて講義を行う。
10タイトルRNAスプライシング
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容真核細胞におけるスプライシングの基本的機構について概観する。snRNPがどのようにmRNAに結合し、スプライシングが進行するか、スプライソソーム型のスプライシングについて解説する。併せて自己スプライス型のスプライシングとリボザイムについても解説する。
11タイトル翻訳
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容真核生物、バクテリアにおける翻訳の過程を概説する。アミノアシルtRNAの合成、リボソームによる翻訳の開始、伸長、終結について基本的な機構を解説する。
12タイトル翻訳の調節・タンパク質の生産
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容第11回の翻訳に続いて、バクテリア・真核生物における翻訳の調節について概説する。後半ではタンパク質の生産のための手法や関連技術について解説する。
13タイトル原核生物の転写調節
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容バクテリアの転写調節について概説する。代表的な例として大腸菌のlacオペロンの調節を取り上げ、リプレッサーとオペレーター、カタボライトリプレッション、実際にlacZがベクターでどのように使われるかなどについて解説する。
14タイトル真核生物の転写調節
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います。
授業内容真核生物の代表的な転写因子について述べるとともにエンハンサー、サイレンサー、インスレーターなどについても概説する。エピジェネティックな転写調節については分子生物学Ⅱでの講義に譲ることとする。
15タイトル総括とテスト
事前学習
事後学習
 
授業内容分子生物学Ⅰの講義全体を振り返り、総括を行うとともに、分子生物学Ⅱの授業への橋渡しを行う。また、講義全体の理解度を確認するためのテストを行う。
<備考>
(未登録)