1 | タイトル | 複素数と複素平面 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 暫くは複素関数Ⅰの内容の総復習を行うことにする。従って、複素関数Ⅰを履修した人は復習を、複素関数Ⅰを履修しなかった人は教科書を購入し、また参考書等も参照しつつ、ここでじっくり学習すること。「複素数」とはそもそも何か、どう理解すれば良いか、ここから始める。我々は「実数」と言うものが、「数直線」で表現されることを知っている。少し「数」について復習する。「自然数」全体の集合は?で表し?={1,2,3,・・・}であり、加法・乗法が定まっている。つまり?の任意の2元を足し算や掛け算をしたものは?の元である。然し一般には減法は定まらない。1000∈?及び1∈?に対し、1000-1=999∈?は良いが、1-1000=-999となりこれは?の元ではない。減法を定めたのが「整数」全体の集合?であり?={0,±1,±2,±3,・・・}であった。割り算はどうか(但し「0で割る」と言う行為は考えないとする)。10∈?及び-2∈?に対し、10÷(-2)=-5∈?は良いが、(-2)÷10=-0.2??となり不都合、つまり一般に除法は?では定まらない。そこで「有理数」全体の集合?を考えることになる。?={m/n|m∈?,0≠n∈?}であり分数を集めた集合であり、当然?や?を真部分集合として含む。有限小数(0.1=1/10や-1.2=(-6)/5等)や循環小数(0.333・・・=1/3や2.423423423・・・=269/111等)も全て分数(有理数)で表現出来るので?の元である。然し、無限小数で循環しないもの、即ち円周率π=3.1415・・・や自然対数の底e=2.71828・・・等の無理数は?の元から外れる。即ち?に無理数全てを加えたものが「実数」全体の集合?であり、数直線で表現されるものであった。では「虚数単位」(i=√(-1)と表す)はどうか。「虚数単位iはiの2乗が-1となる数」である。これは実軸上では表現されない。つまり?よりも、より広い数の概念を要する。ここで「複素数」全体の集合?={a+bi|a∈?,b∈?}が現れる。図形的には実軸と虚軸からなる平面(「複素(数)平面」、「Gauss平面」と言う)で考えることが出来る。 |
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2 | タイトル | 複素函数 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回は複素数と複素平面(Gauss平面)の話題であったが、ここでは複素函数(複素関数)の話へ移る。まず、そもそも「函数」(「関数」)とは何であったか、ここから見直す。「函数」是如何に。特に「函」である。「函館」の函、「ポストに投函」の函、函と書いて箱(ハコ)と読む。すると函数とは「数の函」、更に言えば「数の入れ物」ではないか。いや我々の良く知る「関数」は文字通り「数に関するもの」、更に言えば「数に関する何らかの規則」だったのではないか。実は少し昔の数学教育においては「函数」(更に、戦前戦後辺りでは「数」ではなくその旧字体「數」)が標準的に用いられていたと言うが「関数」に徐々にすり替わって行った。「函数(関数)」とは定義域の集合の元を終域の部分集合である値域の集合の「1つの元」に対応させる規則のことである。仮に函数をfと書くと、定義域の任意の元をxとすればfと言う函(ハコ)に容れてf(x)とし、これが1つ値域の元を定める訳である。x∈?,f(x)∈?であれば、fは「実変数実数値函数」であり、x∈?,f(x)∈?であれば、fは「実変数複素数値函数」である。z∈?(この時、f(z)∈?と考えるのが自然)の時、fを「複素変数函数(複素函数)」と言う。更に「Eulerの公式」を考え、「複素指数函数」、「複素三角函数」、「複素双曲線函数」を順次定義して行く。次に複素函数の「連続性」や「微分可能性」を考える。通常の実変数関数の場合(右極限と左極限のみ)とは異なり、極限の近付き方(方向)は「非常に多様」である点に留意する。この近付き方に依らず極限の値が定まる時に連続性や微分可能性を定める。特に微分可能性と「Cachy-Riemannの関係式」が成立することとは同値であることは「記憶すべき」である。 |
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3 | タイトル | 正則函数とLaplace方程式 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回は複素函数(独立変数が複素数zである様な函数f=f(z)等のことであり複素変数函数とも呼ぶ)の話題であった。函数(関数)及びその連続性、複素微分可能性の理解が大事である。特に、複素微分可能な函数を正則函数と言い、その函数の実部と虚部がCauchy-Riemannの関係式と言う連立偏微分方程式を満足することと同値であった。このことは極めて重要な事実である。函数の微分可能性を判定するのにはCauchy-Riemannの関係式が成り立つか否かを確認すれば良い。「?上正則な複素変数実数値関数は実定数函数に限られる」こと等を例題を通して解説する。最後に、熱の伝導や拡散現象等を考えた際には時間が十分経過すれば一定のある状態に落ち着くことがある。これを定常状態(あるいは平衡状態)と言う。この定常状態、つまり時間変数に依存しない状態を記述する偏微分方程式は一般に楕円型方程式と呼ばれる範疇に属する(ああそんな話か、で良い)。この中の最も単純なものとして、「Laplace方程式」が有る。Laplace方程式を満足する函数(方程式の解と言う)を「調和函数」と呼ぶ。実は正則函数とも密接に関係し、複素函数が正則であれば、即ちその函数の実部と虚部の函数がCauchy-Riemannの関係式を満足するのであればそれら実部・虚部の函数両方共がLaplace方程式を満足する。最後に複素変数函数と通常の実変数函数との違いを少し注意する。つまり複素微分可能だからと言って平均値の定理やRolleの定理(忘れている人は各自微分積分学の教科書等で復習すれば良い)が一般には成立し得ない点である。 |
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4 | タイトル | 複素函数の積分 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回は正則函数とLaplace方程式関連の話題であった。ここからは複素函数の積分について考えて行く。まず、複素平面上の線積分(「複素線積分」、「複素積分」)を定義する。通常、積分には積分する「向き」(「方向」)がある点に留意する。即ち積分路には向きが有る。このことは通常の積分も同じで、例えば-1(始点)から1(終点)まで積分するのと1(始点)から-1(終点)まで積分するのとではその向きが逆さであるので積分値は互いに逆符号となるのであった。特に、複素積分では、たとえ積分経路の終点と始点が一致していたとしてもその2点を結ぶ積分経路が異なれば積分値も一般には異なる。しかしながら積分される函数(被積分函数)が正則(つまり複素微分可能(この複素微分可能性とCuchy-Riemannの関係式が成立することとは同値であることは忘れてはならない))であれば積分経路が異なったとしても終点と始点が一致していれば積分値は同じである。線積分は被積分函数をパラメタ曲線としてパラメタ表示し、「Riemann和」(Riemann和の内、等間隔で区分したものが高校数学における「区分求積法」であった)を用いて定義する(定義法はまあ、ザっと眺める程度でも良いが、積分には「線形性」や「積分の向き」等の性質が有るので、これらの性質は必ず「記憶する」こと)。これらのことを例題を通して見て行く。 |
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5 | タイトル | Cauchyの積分定理・積分公式 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回は複素線積分(複素積分)の話題であった。今回もこの話題を続ける。ここでは特に積分路(通常これはパラメタtのパラメタ曲線z=z(t)(α?t?β;α,β∈?)で考えるが、積分路には「正の向き、負の向き」が有ることを思い出す)が「閉じた道」である場合、複素積分がどんな値を取り得るかを吟味して行く。閉じた道とは例えば円や楕円、レムニスケート曲線(8の字曲線)等、終点と始点が一致している物を指し、「閉曲線」と呼ぶ。更に閉曲線で端点以外では自分自身と交わらない場合、「単純閉曲線」(「単一閉曲線」、「Jordan(閉)曲線」等とも呼ぶ)と呼ぶ。円や楕円等は単純閉曲線であるが、レムニスケート曲線(8の字曲線)等は端点以外でも自分自身と交わって仕舞うので閉曲線ではあっても単純閉曲線ではない。専ら単純閉曲線上の複素線積分を考えて行く。閉じた道としての積分路、即ち単純閉曲線にも向きがある。向きが正か負かは何処を基準にして見るかで異なって来る。ある点を基準にして、その点を左手に見つつ進む方向を、その点に関する「正の向き」と約束する。同様に、ある領域を左手に見つつ進む方向をその領域に関する「正の向き」と言う。正の向きの逆向きが「負の向き」である。この時、単純閉曲線C及びその内部の領域Dで正則な複素函数f(z)のC上の線積分はゼロとなる、即ち「?f(z)dz=0」と言う非常に美しい「Cauchyの積分定理(Cauchyの第1定理)」が得られる。更に単純閉曲線C及びその内部の領域Dで正則な複素函数f(z)に対し、g(z)=f(z)/(z-a)(aは複素定数であり、D上の任意の点とする)とおくと、g(z)自体はz=aでは分母がゼロになって仕舞う。従ってD上の点z=aでは一般的には微分不能(点aを複素函数gの「特異点」と呼び、他方でgが微分可能(正則)な点を複素函数gの「正則点」と呼ぶ)であるので、積分路Cを、点aを迂回する様に上手く取り直すことで積分公式「?g(z)dz=?f(z)/(z-a)dz=2πif(a)」が得られる。この見事な積分公式を「Cauchyの積分公式(Cauchyの第2定理)」と言う。Cauchyの積分定理とCauchyの積分公式とは区別して記憶すべきであるが、両者共に、複素函数論で最も重要な内容の1つである。この公式は「記憶すべき」である点を強調する。但し、特例としてg(z)=f(z)/(z-a)であっても例えば仮にf(z)=(z-a)^2であればg(z)=z-aとなり点z=aはg(当然fについても)特異点ではなく正則点である。今の場合、点z=aが見かけ上gの特異点になっていたに過ぎない。 |
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6 | タイトル | 実函数の定積分への応用 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | |
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7 | タイトル | Cauchyの積分定理の多重連結領域への応用 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 単純閉曲線C及びその内部領域Dで被積分函数f=f(z)が正則であれば、そのC上の周回積分はゼロ「?f(z)dz=0」となるCauchyの積分定理(Cauchyの第1定理)等を考えて来たが、内部領域Dに穴が有る場合は如何か。今までの領域Dは穴が無い場合でありこの様な領域は「単連結領域」と呼ばれる。単連結でない場合を「多重連結領域」と呼ぶ。領域Dの更に内部に穴が有る場合が多重連結領域である。穴が1つなら「2重連結領域」、2つなら「3重連結領域」、n個なら「(n+1)重連結領域」等と呼ぶ。その様な領域上正則な関数の周回積分の値は如何なるかに焦点を当てる。まず今まで扱って来た通常の単連結領域で正則な函数でD内の任意の2点(終点と始点)を結ぶ曲線に沿った線積分の値は積分路の取り方に依存せず常に一定の値を取ることを示す。これを「積分路変形の原理」と呼ぶ。つまり任意にD内の終点と始点を固定すれば始点から終点に至るD内の道であればどんな通り方をしても線積分の値は一定である訳である。積分経路の取り方に依っては積分計算が複雑になる場合にもこの原理を用いれば、巧い積分経路を選ぶことで計算自体が楽になることが有る。更に、多重連結領域で正則な関数に対するCauchyの積分定理の応用を与えて行く。 |
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8 | タイトル | Cauchyの積分定理・積分公式の演習例題 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | Cauchyの積分定理(Cauchyの第1定理)、Cauchyの積分公式(Cauchyの第2定理)の演習がここでの話題である。 |
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9 | タイトル | Taylor展開・Laurent展開(その前に) |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | Cauchyの積分定理(Cauchyの第1定理)、Cauchyの積分公式(Cauchyの第2定理)の演習が前回の話題であった。ここでもCauchyの積分公式を用いて実函数の積分計算の例題を見る。ここでの例題も求めたいのは実函数の積分だが、そのために対応する複素函数の複素積分を計算することになる。具体的には実軸?全体を積分路とする1/(1+x^4)の積分計算だが思いの他面倒である。実際に対応する複素函数1/(1+z^4)を複素平面?上の単純閉曲線として半径R≫1の上半円の物C_Rを選ぶのはお決まりである。所がCauchyの積分公式を用いたC_R上の反時計回りの方向の周回積分の計算が実に面倒である。背後に潜む数学的法則は何か無いか。実は背後には通常の微分積分学等でお馴染みのTaylor展開(Maclaurin展開)等を考えることで新たな法則性を見出すことが出来る。当然只のTaylor展開ではなく複素函数に対するTaylor展開であり、Laurent展開をも考えることになる。 |
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10 | タイトル | Taylor展開・Laurent展開 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回はCauchyの積分公式(Cauchyの第2定理)を援用した計算例題を紹介しつつ今回の主テーマとなるTaylor展開・Laurent展開の導入を行った。ここでは複素函数のTaylor展開・Laurent展開の話を始める。複素函数f=f(z)が1点a∈?を除いて正則とする。点z=a中心、半径R≫1の円周をC_R(当然単純閉曲線である)とし、C_Rを反時計回りに進む道に沿ったf(z)/(ζ-z)の線積分を考える。C_Rは閉じた道であり単純閉曲線であるのでこの線積分は周回積分でもある。道C_Rの内部には特異点aが含まれているのでC_Rに対し、点aをその内部に含まない様な道C~_Rを考える。具体的にはC_Rを用いて点aへスリットを入れ(入れたものをC_R1とするが実質はC_Rと同じ)、点aを小さく迂回する道(点a中心の非常に小さな半径の円周のことでありC_R2とする)を全て合わせた単純閉曲線がC~_Rである。特にその作り方からC_R2の向きは時計回りであり、C_R1の向きとは逆である点に留意する必要がある。C_R2の向きを反時計回りにするのであれば-C_R2と表現すれば良いだけのことであるので然程問題とはならない。C~_R及びその内部でfは正則であるのでC~_R上のf(z)/(ζ-z)の積分はCauchyの積分公式により?_{C~_R}f(z)/(ζ-z)dz=2πif(z)となる。後は積分路C~_Rを各パーツ毎に分けて考えて行けば良い。スリット上の線積分は行って帰ってで合計0であるので?_{C~_R}f(z)/(ζ-z)dz=∫_{C_R1}f(z)/(ζ-z)dz-∫_{C_R2}f(z)/(ζ-z)dzが従うことから2πif(z)=∫_{C_R1}f(z)/(ζ-z)dz-∫_{C_R2}f(z)/(ζ-z)dzが得られる。特に∫_{-C_R2}f(z)/(ζ-z)dz=-∫_{C_R2}f(z)/(ζ-z)dzに注意する。等比級数の和の公式|x|<1の時、1/(1-x)=1+x+x^2+・・・(実は関数1/(1-x)のMaclaurin展開とも見れる)となることを思い出し、この事実を用いて各C_R1、C_R2上の積分を評価して行けば複素函数fのLaurent展開が得られる。通常のTaylor展開やMaclaurin展開とは異なりzの負冪の和も出て来る。zの負冪の項が一切出ない場合がTaylor展開やMaclaurin展開である。ここでは更に複素指数函数e^zや複素正弦函数sinz、複素余弦函数cosz、複素双曲正弦函数sinhz、複素双曲余弦函数coshz等の展開公式を具体的に考えて行く。 |
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11 | タイトル | Laurent展開の積分への応用 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 前回でLaurent展開に関する話題は概ね済んだので、ここでは以前に実函数の積分をより簡単に行えないか、と言う問い掛けを残していたがこれの回答が今回の内容である。?上1/(1+x^4)の積分を行う際に対応する複素積分を巧く考え、特異点に留意しつつ計算したが面倒であった。そこでこの複素積分の被積分函数1/(1+z^4)をLaurent展開し、留数に着目することで比較的容易に計算出来ることを紹介する。 |
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12 | タイトル | 極と特異点と留数 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | ここでは特異点の話と極、留数の話を述べる。函数fが特異点a以外で正則であればa中心にLaurent展開可能であり、Laurent展開における(z-a)^{-1}の係数b_{-1}をfの点aにおける留数と言った。特異点にも分類が有る。単純閉曲線Cの内部に1つしか特異点aが無い時、aを「孤立特異点」と言う。より正確にはfの特異点aが、aの近傍に他の特異点を持たない時をこう呼ぶ。一方、特異点aの近傍を幾ら小さくしてもその近傍にa以外のfの特異点が入り込んで来て仕舞う様な場合、aを「孤立していない特異点」と言う。孤立特異点α以外で正則な函数fはLaurent展開可能である。仮にこのfをLaurent展開してf(z)=b_{-1}・(z-α)^{-1}+b_0+b_1・(z-α)+・・・となる時、fは点αで「1位の極」を持つと言い、αをfの1位の極と言う。同様にf(z)=b_{-n}・(z-α)^{-n}+・・・+b_{-2}・(z-α)^{-2}+b_{-1}・(z-α)^{-1}+b_0+b_1・(z-α)+・・・となる時、fは点αで「n位の極」を持つと言い、αをfのn位の極と言う。更に、Laurent展開でのb_0+b_1・(z-α)+・・・は点αにおいても正則な函数であるので、この和をfのLaurent展開における「正則部分」と呼ぶ。少し本題から逸れるが、特異点について掘り下げるておく。例えばg(z)=(sinz)/zは点z=(分母)=0が特異点である。然しながら、これは見かけ上の特異点でしかない。何故ならば函数gに対し、極限z→0を取ればg(z)→1となるからである。つまりgはz=0でも実は正則な函数である。この様な特異点を「見かけの特異点」(「除去可能特異点」、「可除特異点」とも)と言う。更に、特異点で、見かけの特異点でも極でもないものを「真性特異点」と言う。例えばh(z)=e^{1/z}に対し、z=0は微分不能であり、然も真性特異点である。 |
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13 | タイトル | 留数定理とその応用 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 少し復習する。単純閉曲線C及びその内部領域上正則な函数f=f(z)の複素線積分は?f(z)dz=0となるのはCauchyの積分定理であった。単純閉曲線Cの内部に特異点(fが複素微分不能な点、非正則点とも)を持てば?f(z)dz=0とならぬことが有った。特異点α以外で正則な函数fはLaurent展開可能であった。今仮にfのα中心のLaurent展開が、f(z)=b_{-n}・(z-α)^{-n}+・・・+b_{-2}・(z-α)^{-2}+b_{-1}・(z-α)^{-1}+b_0+b_1・(z-α)+・・・であればαはfのn位の極(このnを極の次数と言う)であると言った。fが点αでn位の極を持ち他では正則である時、fの正則部分b_0+b_1・(z-α)+・・・のC上の積分はCauchyの積分定理により0となり、b_{-n}・(z-α)^{-n}+・・・+b_{-2}・(z-α)^{-2}の項のC上の積分も極座標変換を行って計算をすることで0だと分かるのであった。残るは留数b_{-1}が掛かった項b_{-1}・(z-α)^{-1}の積分であるが、これはCauchyの積分公式により?b_{-1}・(z-α)^{-1}dz=2πib_{-1}となる。従って、fが点αでn位の極を持ち他では正則であれば「?f(z)dz=2πib_{-1}」となるのであった。このことから留数b_{-1}=Res{f(z);z=α}は、Res{f(z);z=α}=?f(z)dz/(2πi)と表される。更に、αはn位の極であるので、「Res{f(z);z=α}={1/(n-1)!}・lim_{z→α}(d/dz)^{n-1}{(z-α)^n・f(z)}」となるのはfのαの周りでのLaurent展開f(z)=b_{-n}・(z-α)^{-n}+・・・+b_{-2}・(z-α)^{-2}+b_{-1}・(z-α)^{-1}+b_0+b_1・(z-α)+・・・の両辺に(z-α)^{n}を掛け、(n-1)回zで微分すれば求まるのであった。故にfが点αでn位の極を持ち他では正則であれば「?f(z)dz=2πib_{-1}={2πi/(n-1)!}・lim_{z→α}(d/dz)^{n-1}{(z-α)^n・f(z)}」となるのであった。これを一般化するのが本題である。今、函数=f(z)がm個の点α_1,α_2,・・・,α_mで微分不能であり他では正則であるとすると、「?f(z)dz=2πi・[Res{f(z);z=α_1}+Res{f(z);z=α_1}+・・・+Res{f(z);z=α_m}]」と和で表される。これを「留数定理」と呼ぶ。ここでは更にこの留数解析を援用して実函数の定積分への応用も行う。 |
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14 | タイトル | 留数解析 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | 函数=f(z)がm個の点α_1,α_2,・・・,α_mで微分不能であり他では正則であるとすると、「?f(z)dz=2πi・[Res{f(z);z=α_1}+Res{f(z);z=α_1}+・・・+Res{f(z);z=α_m}]」と和で表される。これを「留数定理」と呼ぶのであった。ここでは、この様な留数解析を利用して、より難度の高い積分計算の手法を具体例を通して紹介する。特に実函数の広義積分のみならず真性特異点を持つ様な複素函数の複素線積分の値をも求めて行く。 |
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15 | タイトル | 多価函数 |
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事前学習 事後学習 | じっくり復習を行うこと。 |
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授業内容 | ここでは多価函数の話をする。対数函数から始める。通常、対数函数は指数函数の逆関数として定めた。通常の実対数函数は1価に定まっていて問題無い。然し、複素指数函数の逆関数として定めようとすると、1対多の「無限多価関数」となる。logzはzの値を決める毎に無限個の値が対応して仕舞う。この場合、「主枝」(「主値」とも言う)を考えれば1価に定まる。複素対数函数を用いて複素冪冪函数を定義する。こうすることで通常の実数の場合では考えられなかった様なことが起こる。 |
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16 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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17 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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18 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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19 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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20 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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21 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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22 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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23 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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24 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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25 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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26 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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27 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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28 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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29 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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30 | タイトル | |
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事前学習 事後学習 | |
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授業内容 | |
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