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授業科目名 食物学概論(栄養学、食品学及び調理実習を含む。)
時間割番号 EEK221
担当教員名 今井 千裕
開講学期・曜日・時限 前期・火・II 単位数 2
<対象学生>
家政教育系学生を優先とする。調理実習を行うため、受講者数を12名までとする。
<授業の目的>
家庭科で扱われる食物に関する教育を行う上で重要である、食物学の基礎的な知識を身につけることを目的とする。特に食品に対して行われる「調理・加工」について、栄養学的利点、食品安全性、嗜好性向上の観点から網羅的に学び、調理実習によって知識を補完する。後期に開講する調理学実習、食品栄養学の履修には当授業の受講が必要である。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心居住する地域の現状や課題などに関する高い関心をもっている。
B日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
C教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1食物学の概念と調理・加工の意義について理解し説明できることC
2栄養学、食品学、調理学の基礎的知識を習得し説明できることC
3日本の食文化の変遷や健康問題に関する課題について説明できることA
4食を取り巻く社会環境や安全性の問題について説明できることB
5食品の調理・加工の意義や手法について説明できることC
6調理実習を通じて調理技術の習得とともに科学的な論理的思考能力を養うことC
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%テスト・課題により、理解度の評価および自らの言葉で説明できるかを評価する
230%テスト・課題により、理解度を評価する
310%レポート提出により評価する
45%課題により自らの言葉で説明できるかを評価する
520%テスト・課題により食品の調理に関して自らの言葉で説明できるかを評価する
620%調理実習へ臨む姿勢やレポートによる理解度をもとに評価する
合計100% 
<授業の方法>
面接授業および実習の形式をとる。授業時には毎回資料を配布するが、教科書、食品成分表を必要に応じて持参すること。
授業時の感染防止に十分留意する(マスクの着用、間隔を空けての着席、授業前の手洗い・手指消毒)。調理実習の際は手指の消毒等、常に衛生を心がける。試食の際はアクリル板を設置する。受講生が多い場合は1回の調理実習の人数を制限し、実習とオンライン授業を併用する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
本授業科目は家政教育系食物学を学ぶ上で基礎基本となる必修科目であるため、当科目を受講せずに他の食物学の科目を履修することはできません。授業に際しては、参考書、食品成分表を持参してください。教科書と食品成分表は以後の食物学関係の授業でも使用しますので、必ず用意してください。
調理実習の際は白衣、三角巾、マスクを着用し、清潔な爪・頭髪を心掛けてください。調理実習の費用として3回分計1,000円程度が自己負担となります。実習後の試食、後片付け、掃除のため、昼休みまでかかることを承知しておいてください。
感染状況により一部オンライン授業を行う場合があります。面接授業の場合は、指定された講義室の他に調理実習室や食物実験室でも授業を行います。事前の指示に従って授業の部屋に集合してください。
<テキスト>
  1. 藤原葉子編著, 食物学概論 第2版, 光生館, ISBN:9784332040651,
    (必ず第2版を各自持参してください。)

  2. 実教出版編修部編, オールガイド食品成分表 2023, 実教出版, ISBN:9784407357417,
    (八訂準拠のものを使用する。以前の成分表は使用しないので注意すること。)

  3. 伊藤貞嘉, 佐々木敏監修, 日本人の食事摂取基準 : 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書 2020年版, 第一出版, ISBN:9784804114088,
    (持参することが望ましいが必須ではない)
<参考書>
  1. 山梨大学生活と健康テキスト編集委員会, 生活と健康Ⅰ・Ⅱテキスト(電気書籍版)
<授業計画の概要>
1タイトル食物学概論の授業概要、「食物」の概念と役割、日本の食文化・食事様式の特徴
事前学習
事後学習
(事後学習)本授業に関する振り返りを行う。
授業内容・授業のはじめに、本授業の目的、到達目標、授業の方法、授業計画の概要、試験または課題提出、成績評価の方法に関するガイダンスを行う。
・食物学の学習範囲や食物の概念と役割、日本の食文化や食事様式の特徴についての講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
2タイトルおいしさと人の感覚、食嗜好の発達と形成
事前学習
事後学習
(事前学習)前回の講義内容を復習し、今後の授業で理解を深めたい食物学の分野について考えておく。
(事後学習)本授業に関する振り返りを行う。
授業内容・授業のはじめに、前回の授業で興味を持った食物学分野について自由回答を行う。
・おいしさに関わる人の感覚について解説し、成長過程における食嗜好の発達と形成過程についての講義を行う。またそれに関連した食品の嗜好性や特性についても講義する。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
3タイトル日本の食生活の変遷と健康問題(概論)
事前学習
事後学習
(事前学習)事前配布する資料を閲覧しておく。
(事後学習)授業内で課されたレポート課題の作成および提出。
授業内容・日本の食生活の変遷について農林水産省や厚生労働省が提供しているデータを参照しながら講義を行う。
・生活習慣病などの食生活に起因する疾患に関する講義、および現代の子どもの健康問題について講義する。
・上記の内容に関していくつかのレポート課題を提示し、自己調査によって食生活と健康問題の理解を深める。
4タイトル食生活の設計(食品成分表、食事摂取基準、食事摂取目安量)
事前学習
事後学習
(事前学習)食品成分表などのテキストに目を通しておく。
(事後学習)食品成分表については授業内で閲覧できなかった部分についても確認しておく。
授業内容・日本で日常的に消費される食品の成分に関するデータをまとめた食品成分表の内容構成や活用方法について解説する。
・ライフステージごとの食事摂取基準(エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準)について講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
5タイトル食品に含まれる栄養素の種類と機能(概論)
事前学習
事後学習
(事前学習)食品成分表などのテキストに目を通しておく。
(事後学習)代表的な食品グループと栄養素の関係について整理しておく。
授業内容・主要栄養素および微量栄養素について、その種類と機能を各論形式で講義する。具体的な食品を提示しながら、各食品に含まれる栄養素について食品成分表等で確認しながら理解を深める。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
6タイトル食品の調理・加工の意義、調理方法の種類
事前学習
事後学習
(事前学習)第1回~第5回までに配布した資料を確認しておく。
(事後学習)第7回~第12回は各食品グループごとの調理・加工について講義するため、本授業内容について十分に復習しておく。
授業内容・授業のはじめに、第1回~第5回までの講義内容についての復習を行う。
・食品が食べられる状態に至るまでの調理方法や加工方法、家庭などで用いられる調理方法の種類について講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
7タイトル植物性食品の調理・加工(米、小麦、いも、豆)
事前学習
事後学習
(事前学習)食品の調理・加工の意義について復習しておく。
(事後学習)次回も植物性食品の調理・加工についての後半の講義となるので、本講義の前半の内容を復習しておく。
授業内容・はじめに植物性食品全体の調理や加工に関する特徴について講義を行う。
・各食品グループ(米、小麦、いも、豆)の調理特性に関して、具体的な食品や料理を提示して講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
8タイトル植物性食品の調理・加工(野菜、海藻、果物、きのこ)
事前学習
事後学習
(事前学習)前回の授業内容について復習しておく。
(事後学習)調理実習の資料をよく読んで理解しておく。
授業内容・各食品グループ(野菜、海藻、果物、きのこ)の調理特性に関して、具体的な食品や料理を提示して講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
9タイトル動物性食品の調理・加工(肉、魚、卵、乳・乳製品)
事前学習
事後学習
(事前学習)食品の調理・加工の意義について復習しておく。
(事後学習)本講義内容は調理実習において重要であるため、内容を復習しておく。
授業内容・はじめに動物性食品全体の調理や加工に関する特徴について講義を行う。
・各食品グループ(肉、魚、卵、乳・乳製品)の調理特性に関して、具体的な食品や料理を提示して講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
10タイトルその他の成分の調理・加工(調味料、油脂、凝固剤、だし、嗜好飲料水)
事前学習
事後学習
(事前学習)食品の調理・加工の意義について復習しておく。
(事後学習)調理実習の資料をよく読んで理解しておく。
授業内容・各食品グループ(調味料、油脂、凝固剤、だし、嗜好飲料水)の調理特性に関して、具体的な食品や料理を提示して講義を行う。
・上記の授業内容の理解度を深めるために簡易な小テストを実施する。
・次回の調理実習の説明を行う。
11タイトル調理実習:植物性食品の調理と特性
事前学習
事後学習
(事前学習)調理実習の持ち物や注意点について確認しておく。
(事後学習)調理実習のレポートを作成する。
授業内容・植物性食品の調理特性を学習する目的で調理実習を行う。
12タイトル調理実習:動物性食品の調理と特性
事前学習
事後学習
(事前学習)調理実習の持ち物や注意点について確認しておく。
(事後学習)調理実習のレポートを作成する。
授業内容・動物性食品の調理特性を学習する目的で調理実習を行う。
13タイトル調理実習:だしを活用した調理
事前学習
事後学習
(事前学習)調理実習の持ち物や注意点について確認しておく。
(事後学習)調理実習のレポートを作成する。
授業内容・日本食におけるだしの重要性を学習する目的で調理実習を行う。
14タイトル食と社会環境(食料自給率、フードシステム等)、食の安全性(食品衛生法、食品表示)、食育の役割
事前学習
事後学習
(事前学習)身近に感じる食に関する社会問題にどのようなものがあるかを考えておく。
(事後学習)本講義で取り上げた内容の中で関心のある話題についてのレポート作成を行う。
授業内容・授業のはじめに、調理実習全3回の振り返りと総括を行う。レポートの最終確認および提出を指示する。
・世界と日本の食糧自給率の遷移や、フードシステムについての講義を行う。
・食の安全性に関わる法令を身近な食品や製品を取り上げて解説する。
・食育の意義について、グループワークなどを交えて理解を深める。
15タイトル総括・まとめ
事前学習
事後学習
(事前学習)これまでの授業内容の復習をしておく。
授業内容・これまでの授業の振り返り、食物学についての理解を深める。
<備考>
(未登録)