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授業科目名 読書と豊かな人間性
時間割番号 EEC354
担当教員名 岩永 正史
開講学期・曜日・時限 後期・火・V 単位数 2
<対象学生>
3.4年次生
<授業の目的>
読書という社会文化的な行為を獲得することをひとつの人間性の開花ととらえ、自由で豊かな読書を支えるものと妨げるものを明らかにし、自由で豊かな読書を支援する方法を考える。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B子ども理解子どもたちの発達段階や生活年齢を考慮して、適切に接することができる。
C教科等の専門教養道徳教育など、各教科以外の指導領域に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1読書に対する多様な見方とその指導方法について理解しているA
2こどもの発達やそれに関わる生育歴、生活環境を考慮して、適切な読書材や読書の方法を選択することができるB
3日本の子育て思想、こども文化やそれらに対する社会の見方を批判的に検討した上で、適切な読書材や読書の方法を選択することができるC
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%さまざまな教科との関わりから、読書材を適切に評価し、それに合わせた読書の方法を説明できる
230%どもの発達の現状とそれに関わる背景との関わりから、読書材や読書方法の選択を説明できる
330%日本の子育て思想やこども文化、それらに対する社会の見方の批判的検討に立って、読書材や読書方法の選択を説明できる
合計100% 
<授業の方法>
対面授業で行います。授業の問題把握のための予習課題を課すことがあります。毎回、授業の理解を確認する復習課題を課します。授業の終わりの10分程度に答える、またはCNS掲示のレスポンスに投稿を求めます。なお、新型コロナの感染状況の変化によっては、オン・ライン授業への移行を検討します。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
自身の読書体験や学校で受けた読書指導を思い出し、講義内容と比べながら、「自由で豊かな読書」とは何かを考えてほしい。授業はおもに講義形式で行いますが、一部に、絵本作りや読み聞かせの実習なども含みます。
下記の参考書のほか、授業の進行に伴って参考文献を紹介します。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 府川源一郎, 小学校全体で取り組む「読書活動」プラン, 明治図書, ISBN:978-4-18-301011-7
  2. 全国学校図書館協議館, 今日から図書委員・小学校版, 全国学校図書館協議館, ISBN:978-4793300653
  3. 芸術教育研究所・おもちゃ美術館, 楽しくつくろう手作り絵本, 黎明書房, ISBN:4-654-00124-7
<授業計画の概要>
1タイトル受講者自身の読書体験、読書指導体験の掘り起こしと問題の把握
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容受講者各自の、これまでの読書経験を発表し合うことを通して、そこに見られる読書材や読書の方法、それに関わった要因などについて考察し、問題を把握する
2タイトル幼児期の読書の始まりから読書に関わる諸要因を考える
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容幼児期の親子の読み聞かせ記録の検討を通し、読書行為の獲得と大人の関わり、読書材や読書の方法などについて考察し、読書に関わる諸要因を明らかにする
3タイトル絵本が国語教科書に載るとき起こる問題
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容幼児期の読書は絵本で始まる。阿川弘之「きかんしゃやえもん」を取り上げ、国語教科書「きかん車やえもん」との比較を通して、絵本が国語教科書に掲載されるとき起こる改作が読書に与える影響について考える
4タイトル国語科で文学を読むとき起こる問題
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容国語科で文学を読む授業は、「主題をとらえることで収束する授業」になりがちだ。これに対し、今西祐行「あるハンノキの話」「ヒロシマのうた」をとりあげ、オープンエンドの読み、作家や作品群に向かう読みの可能性を考える
5タイトル詩集、歌集、句集を読む子が育たない
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容国語教科書の詩、短歌、俳句の扱いを分析し、その問題点を明らかにするとともに、読書生活の中に詩集、歌集、句集を加える可能性について考える
6タイトル古典文学を読む子が育たない
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容国語教科書の古典入門の扱いを「竹取物語」を中心に分析し、その問題点を明らかにするとともに、読書生活の中に古典文学を加える可能性について考える
7タイトル文学と説明・論説文の間
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容学力向上のかけ声の中で、絶滅危惧種の教材ジャンルがある。文学と説明・論説文の狭間にあるジャンル=ノンフィクションをとりあげ、社会に目を向ける読書の意義を考える
8タイトルマンガを読むのも読書だ
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容マンガの表現技法の発展をたどりながら、戦後、低俗な文化と見做されたマンガが、海外から評価され、日本の輸出文化になるまでを把握し、マンガ読書の可能性について考える
9タイトル教室を飛び出す読書
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容「静かに文学に読みふける」という典型的な読書のイメイージに対し、本との出会いをきっかけに、調査に出向き、情報収集し、問題追究する読書のあり方について考える
10タイトル新聞を読書生活に
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容新聞を教育に取り入れる活動=NIEをとりあげ、国語科の枠を脱して、さまざまな教科の学習に新聞を取り入れる可能性を考える
11タイトル図書室の時間の問題点
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容時間割に図書室で読書する時間を組み入れている学級は多い。そこで、こどもは、どのように時間を過ごしているのか。実態調査をもとに、図書室の時間の問題点を考える
12タイトル学級の読書指導で何ができるか
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容前回、図書室の時間の問題点を克服するために、学級でどんな指導ができるか、さまざまな工夫事例をもとに考える
13タイトル学校司書に何ができるか
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容現在、学校司書が配置されている学校が増えている。しかし、学校司書には、図書館司書の資格を持つ者がいる一方、何の資格も基礎知識も持たない者もいる。司書教諭として、学校司書にどのような指導をすべきかを考える。実技の一つとして、本のポップ作りに取り組む
14タイトル絵本を作ろう
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容本を読むだけが読書ではない。本を作る活動を通して、読書活動の幅を広げることができる。貼り合わせ絵本や飛び出す絵本などを作ることを通して、読書活動に新たな一面を加えることを考える
15タイトル昔、悪書追放運動があった
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
授業の理解を深める復習課題
授業内容戦後日本の児童文化史のなかから昭和30年代に起こった「悪書追放運動」をとりあげ、児童文化を取り巻く社会や政治の価値観、司書教諭としてこどもの読書に向かう姿勢を考える
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
授業担当者は、小学校教諭として13年間こどもの指導に当たり、読書指導についても、さまざまな工夫を加えた実践を行ってきました。実践経験を通して把握した問題点、それを克服した経験にも触れながら、講義します。
<備考>
(未登録)