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授業科目名 生活科内容論
時間割番号 EEC168 A
担当教員名 増茂 智子/笠原 成晃
開講学期・曜日・時限 前期・金・IV 単位数 2
<対象学生>
幼小・生社・芸身・生涯
本授業は「面接授業」で実施するためSI-14教室の臨時定員を超えない受講生数に限定させていただく
<授業の目的>
 小学校低学年で重視されている生活科について、指導する力を身につけるために必要な、知識と技能を修得する。まず生活科誕生の意義とその背景について知り、生活科とはどのような役割をもつ教科なのか、また生活科の学びは人間形成にどのようにかかわるのか等について、学んできた生活科を振り返りつつ理解を深めていく。あわせて「主体的な学び」について模索しながら、初等教育段階での体験や気づき、関わり等のキーワードを指導(支援)する立場から捉え直していく。
 「初等生活科教育学」の授業と関連する場面が多いが、本授業では教科理解を深め教師の立場からの生活科を捉えてほしい。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門子ども理解子ども理解のために必要な様々な発達理論を習得している。
B子どもたちの発達段階や生活年齢を考慮して、適切に接することができる。
C授業力・実践的技能教材研究や教材開発を進んで行うことができる。
D教科書にある題材や単元等に応じた教材・資料を開発・作成することができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1小学校低学年(1、2年生)のみで学ぶ生活科の役割や児童の特性を理解できるA
2生活科の特性がわかり他教科との相違を考察できるC
3生活科における教師の役割・支援の意義を理解し、望ましい支援の方途について検討することができるB
4学習指導要領に明記されている生活科の目標及び内容について理解できるD
5生活科の授業について具体的な指導(活動)計画と学習展開方法を検討できるD
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%テスト・レポート・プレゼンテーションで、自らの言葉で説明できているか否かを評価する
220%テスト・プレゼンテーションで、自らの言葉で表現できているか否かを評価する
320%テスト・レポート・プレゼンテーションで、自らの言葉による論述ができているか否かを評価する
420%テストで、該当する項目について正しく説明できているか、また適切な選択ができているか否かを評価する
520%レポートで、自ら考案(検討)したプランが適切であるか否か、また工夫が見られるか否かを評価する
合計100% 
<授業の方法>
 本授業は「面接授業」で実施する。そのため受講者数をS1-14教室の臨時定員を超えない受講者数に限定させていただく。なお、開講後に新型コロナ感染症の拡大などで学校全体に「面接授業」が禁止された場合には、「ライブ型」(Zoom等による同時双方向型授業)に変更する。「面接授業」では大学の指示による感染症対策(例:マスクの着用、間隔をあけた着席、定期的な換気、授業前後の消毒等)を実施するため、ご理解とご協力をお願いします。 
 授業方法については、前半は講義中心に「生活科とは何か」について理論的検討を行っていく。後半では生活科の内容を具体的に捉える為に指導(活動)計画や学習展開をアクティブラーニング、ワークショップ等の参加型授業で検討していく。またこの間に附属小学校教諭による、生活科についての特別授業(実地指導)もある。(この特別授業については「面接授業」を前提とするが、状況に応じ「オンデマンド型」か「ライブ型」になる可能性もある。)
 なお、毎授業のはじめに、生活科の学習内容に関連して、自分自身の生活に関することがらへの気づきを促すための「気づきカード」(絵や短文で表現)の作成・提出がある。また授業内容に関連して、段階的に小レポートや確認小テスト、学びの総括としての生活科に関するテーマのプレゼンテーション(ショートスピーチ)も予定している。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 本授業は、生活科に関する基礎・基本を、前半では理論面から確認していくため、講義ノートは各自工夫して作ってほしい。後半の参加型の授業では、受講生の主体性を重視し、生活科の学習活動の実際を試みる中で、自分と人や社会、自然とのかかわりを捉えていく。そのため日頃から季節の移り変わりへの「気づき」を大切にして、生活科への理解や興味を高めてほしい。さらに、附属小教諭による、特別授業(実地指導)は、教育現場での具体的な取り組み等を学べる貴重な機会である。しっかり受講すること。また毎授業時におこなう「気づきカード」の作成は、生活科の学習活動の「表現」のひとつでもある。それらの取り組みを通し、小学校低学年児童への理解を深めてほしい。
 なお理論だけでなく生活科の活動内容に関連して小レポートを課す。その課題の中には実際に体験することを重視して、栽培に関するものも含めている。成果ではなくプロセスを重視しているので、可能な環境の中で「関わり」を意識し取り組んでほしい。
 教育実習等で長期欠席する人は授業での遅れを回避する為に、配信した教材を自身で確認し不明な点は「面接授業」に戻ってから直接質問してほしい。主体的積極的な取り組みを期待する。
 また出来るだけ(可能な範囲で)初等生活科教育学と同時に受講することを勧める。附属小教諭による特別授業について、初等生活科教育学と同日に実施するため好都合である。
<テキスト>
  1. 文部科学省, 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 生活編, 東洋館出版社, ISBN:9784491034645
<参考書>
  1. 堀 哲夫編, 一枚ポートフォリオ評価 小学校編, 株式会社 日本標準, ISBN:4820802771
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス
事前学習
事後学習
これまで学んできた生活科を思い出しておこう(学びの振り返りをしておこう)
授業内容授業予定と受講生の確認をおこなう。学んできた生活科についての振り返りをおこなう
2タイトル生活科の誕生と意義
事前学習
事後学習
配信される教材を確認しておこう
授業後は、生活科誕生のプロセスを自分の言葉で説明できるように振り返りをおこなおう
授業内容生活科がなぜ誕生することになったのか、その背景と誕生までのプロセスを確認しながら、生活科の意義について検討する
3タイトル子どもにとっての「学び」について考えよう
事前学習
事後学習
配信される教材に目を通しておこう
授業後は、自身の幼児期や小学校低学年の頃を思い出し、遊びと学びについて捉えておこう
授業内容子どもは何に興味を持つのか、子どもにとっての遊びの大切さなどを検討していく
4タイトル生活科の目標
事前学習
事後学習
テキストで予習復習をしておこう
授業内容テキスト(『小学校学習指導要領解説 生活編』)に基づき、生活科の教科目標について検討する
5タイトル生活科の内容(1)
事前学習
事後学習
テキストで予習復習をしておこう
(授業後9つの単元名と大まかな内容についてしっかり確認し修得しておこう)
授業内容テキストに基づき、生活科の内容(9つの単元)について検討する
6タイトル生活科の内容(2)
事前学習
事後学習
前時の復習をしておこう
授業後は生活科の学びについて具体的な活動内容と共にその特性についても把握できるようにしておこう
授業内容前時の復習と共に具体的な実践例を動画を視聴しつつ確認していく
7タイトル生活科の学習活動と教師の支援
事前学習
事後学習
配信される教材を確認しておこう
授業後は自身の経験を踏まえ教師の立場でどのように生活科と向き合ったら良いか、検討しておこう(自分の言葉で語れるようにしておこう)
授業内容生活科について、他教科との相違点を確認し、教師の支援の在り方を検討する
8タイトル生活科の評価
事前学習
事後学習
配信される教材を確認しておこう
授業後は、配布された資料と共に1枚ポートフォリオ(OPP)について確認しておこう。またOPPを活用した栽培実践レポートの作成にも取り組もう (提出課題レポート)
授業内容評価の意義や観点別評価について確認し、生活科における評価のあり方や具体的な手立てについて検討する
9タイトル生活科の指導・活動計画
事前学習
事後学習
テキストを基に指導・活動計画の留意点を把握しておこう
授業後は課題(年間指導計画)の作成に取り組もう (提出課題レポート)
授業内容指導/学習(活動)計画の必要性や方法について概説し、年間指導計画の作成について、具体的に取り組んでいく
10タイトル学びの確認
事前学習
事後学習
ここまでの学習内容を復習しておこう(小テストに向け準備しておこう)
授業内容小テストの実施による学びの修得状況の確認、次回からのワークショップの予定やプレゼンテーションのテーマおよびレポート課題について確認する
11タイトル生活科学習の展開(1)
事前学習
事後学習
探検活動や季節にまつわる活動の実践例を調べておこう
グループ活動の意義や留意点についてふりかえっておこう(リアクションペーパーの作成他)
授業内容単元「学校と生活」「季節の変化と生活」他にちなんだ活動のワークショップをおこなう。(今回はグループ活動を前提とする)
12タイトル生活科学習の展開(2)
事前学習
事後学習
おもちゃ作りと遊びについての計画を立てる。おもちゃ作りのための材料および道具の準備をおこなう
本単元の意義と気付きについてふりかえっておこう(リアクションペーパーの作成他)
授業内容単元「自然や物を使った遊び」にちなんだ活動のワークショップをおこなう。(今回は個人での活動になるが、遊びの場面では伝え合いを重視し、表現力を培っていく)
13タイトル生活科特別授業 (附属小学校 生活科主任 笠原成晃先生による実地指導)
事前学習
事後学習
教えていただきたいこと等を考えておこう。(事前に質問等について提出を指示することがある)
特別授業参加後は受講レポートの作成・提出がある。(提出課題レポート)
授業内容附属小学校生活科主任(笠原先生)による、実地指導の開催。通常は附属小学校に行き教室やプレールームあるいは「あおぎりホール」等での受講だが、新型コロナ感染症の状況次第ではライブ型もしくはオンデマンド型になることもある。
14タイトル生活科に関するテーマのプレゼンテーション
事前学習
事後学習
テーマの選択と発表の準備をおこなおう(ICTの活用も含めた、プレゼンテーションの準備をおこなうこと)
終了後は振り返りのリアクションペーパーの作成・提出がある
授業内容学びの総括としてひとりひとりがテーマに沿った生活科への思いをプレゼンテーションする。受講生数にもよるが2~5分位/ひとりの発表時間で、ICTを活用してプレゼンテーションの準備をおこない、一人ずつ発表する。
15タイトル学びの振り返り
事前学習
事後学習
提出するレポート課題についてチェックしておこう
授業内容これまでの学びの振り返りをおこなう。教師の立場を意識し生活科の捉え直しができたか。教科観や指導観を培うことができたか。指導・支援することを前提とした自身の課題を見つけられたかどうか等を確認していく。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
 本授業では附属小学校教諭による特別授業を1回取り入れている。関連する授業「初等生活科教育学」では実際の小学校生活科の授業を参観もしくは参加することも可能である。これらの授業と併せ、小学校低学年児童への理解と生活科についての教科理解を深め、指導(支援)に必要なスキルを身につけることを目指していく。
<備考>
(未登録)