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授業科目名 初等国語科教育学(書写を含む。)
時間割番号 EEC151 B
担当教員名 岩永 正史/石川 和彦
開講学期・曜日・時限 後期・月・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
小学校国語科教育の目的、内容、方法について解説する。まず、受講者各自の国語科教育観、現在の国語科教育の課題を国語科教育史とも関わらせて把握する。ついで学習を成立させるための教材研究、指導過程、学習活動などのあり方を読むことの指導を中心に、基礎科学との関わりから解説する。これらを通して、受講者各自が、児童期のことばの発達を促す国語科授業の具体的な姿を描けるようになることをめざす。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門授業力・実践的技能教材研究や教材開発を進んで行うことができる。
B教材研究を生かした授業を構想して、指導案を作成することができる。
C板書や発問、話し方などの授業を行う上での基本的な技術を身に付けている。
D教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する学習指導要領の活用の仕方を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1ことばの教育としての国語科教科観の獲得A
2教材分析方法の獲得B
3国語科学習指導案に対する基本的理解C
4授業における学習活動についての基本的理解D
5教材分析から学習指導案の立案に至る過程での学習指導要領の活用
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
110%教材の分析・評価や学習指導案に設定する目標に現れた国語科教科観を評価する
250%文学や説明・論説文の教材分析が適切に行えたか否かを評価する
320%国語科学習指導案の形式に則って教材分析の結果を述べることができたか否かを評価する
410%教材分析の結果をふまえ、適切な学習活動を設定することができたか否かを評価する
510%教材分析から学習指導案の立案に至る過程で学習指導要領の指導事項の中から、適切な指導項目を選択し、教材の特質に応じて具体化できたか否かを評価する
合計100% 
<授業の方法>
対面授業で行います。毎回、授業の問題把握のための予習課題と講義内容の理解を問う復習課題があります。復習課題は、CNS掲示のレスポンスに提出を求めます。なお、新型コロナの感染状況の変化によっては、オン・ライン授業に移行することがあります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
授業は各回完結するかたちで進みます。一回一回の授業を理解していないと、授業の進行についていけなくなるので、必ず受講すること。欠席する際には、受講している人に資料の取り置きをたのんでください。
課題は、事情があって定められた提出期限を守れない場合でも受け付けます。
参考書は授業中に指示します。学期終了時に参考文献をまとめた「読書案内」を配布します。
<テキスト>
  1. 田近洵一・大熊徹・中村和弘・塚田泰彦, 小学校国語科授業研究・第五版, 教育出版, ISBN:978-4-316-80465-1
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル受講者の国語科教科観、学習観の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容具体的な教材を取り上げ、受講者各自がその学習にどのように取り組んできたか、そこにどんな問題点が潜んでいるかを検討し、今後の学習に取り組む姿勢を明らかにする。
2タイトル「国語」とは何か、そこにどんな問題があるか
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品の解釈や戦前の国定教科書の教材を検討することを通して、日本人にありがちな言語観の特徴をあらわにし、その問題点をふまえたことばの教育のあり方について考察する。
3タイトル学童期のことばの発達の様相とことばの教育の課題
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容学童期のことばの発達の様相とことばの教育の課題を文字言語の獲得や書写の指導、日本語という言語の特徴との関わりから明らかにする
4タイトル言葉の発達から見た国語科授業の問題点-文学の場合
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品を読む授業ビデオの視聴を通して、文学を読む教育に関わる問題点を把握する
5タイトル文学で学ぶ内容を考える(1)-感性の世界を創り出す文学作品のしかけ「視点」ー
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品の虚構世界をつくる方法の一つである「視点」に着目し、その仕組み、読者の体験世界の形成との関わりについて理解する。
6タイトル文学で学ぶ内容を考える(2)-感性でとらえた世界を論理の世界に移し替える、物語スキーマのはたらきー
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品の解釈にはたらく読者の認知構造に着目し、物語スキーマのはたらきと発達から、文学教材の難易度や解釈との関わりについて理解する
7タイトル文学で学ぶ内容を考える(3)-さまざまな文学のしかけに着目して読むー
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品をつくりあげているさまざまな虚構の方法に着目し、作品を分析する方法を理解する
8タイトル文学で学ぶ内容を考える(4)-多様な読みから何を学ぶか-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容文学作品の解釈に正解はあるのか、あるいは多様な解釈が可能なのかという問題を取り上げ、そこから何を学ぶべきかを検討する。その一環として、文部科学省が公開している「国語科の指導におけるICTの活用について」を紹介するとともに、小学校国語科の具体的な領域におけるICT活用の事例を示し、検討する。
9タイトル言葉の発達から見た国語科授業の問題点-説明・論説文の場合-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容PISAとRSTを体験することを通して、日本の説明・論説文教育にどのような問題点があるのか把握する
10タイトル説明・論説文で学ぶ内容を考える(1)-説明世界を生き生きと思い浮かべる「正確な読解」-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容説明・論説文の読みにおいて、状況モデルをつくることに失敗した授業例を取り上げ、それを克服するための作品分析の方法を理解する
11タイトル説明・論説文で学ぶ内容を考える(2)-説明スキーマの実態と教材の見方-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容受講者の実験参加を通して、説明の理解や産出にはたらく学習者の認知構造に着目し、説明スキーマのはたらきと発達から、説明・論説文教材の系統性について理解する
12タイトル説明・論説文で学ぶ内容を考える(3)-論理的・批判的思考力を育てる-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容受講者の実験参加を通して、説明・論説文を論理的・批判的に読む学習者の認知構造に着目し、説明・論説文教材の系統性について理解する
13タイトル授業を考える(1)-読む学習の指導過程の検討-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容国語科教育史における読みの指導過程論の変遷のなかから三読法の成立とそれを批判して考案された一読総合法を取り上げて検討し、読みの指導方法についての理解を深める
14タイトル授業を考える(2)-学習指導計画立案のポイント-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容学習指導案の構成要素のなかから、単元設定(または教材選定)の理由、本時の指導の二つを取り上げ、それを支える教材分析の重要性、学習指導要領の指導事項の具体化について理解する
15タイトル授業を考える(3)-教材研究から授業の実施の過程(附属小教諭の講義)-
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
講義内容の理解を問う復習課題
授業内容受講者各自が計画した授業の構想と附属小学校教諭が実際に行った授業との比較を通して、これまでの講義で取り上げてきた内容の理解を自己評価する
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
授業担当者(岩永)は、小学校の教員として13年勤務したほか、大学教員として小中高校の実践を30年にわたって指導してきました。そうした経験によって把握した国語科の生々しい課題をもとに授業を行います。また、本学附属小学校の教員が、豊富な現場経験を活かして教材研究から評価まで、小学校での授業の組み立て方について、実習も視野に入れながら講義する回が含まれています。
<備考>
(未登録)