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授業科目名
データサイエンス2
担当教員
西郷 達彦
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMA201 1 2 前期
<授業の概要>
医学を含む諸科学においては,新たな事実を知るため研究を行ったり他人の研究結果を読み解く必要があります。ここで何らかの事実を述べる際には、実際に実験や観察を行った一部の対象の事実からより広い対象に同じ事実が成り立つことを言う一般化が伴います。しかしここには論理の飛躍が伴い、これを保証するための方法論が必要です。その方法論が統計学であり、この科目で身につけるべき内容です。そこで研究を行い論文を書く際はもちろん、他人の研究成果を読み解く際にも統計学の知識と考え方が必要となります。

 近年では強力な統計ソフトウェアが充実していることから、十分な統計学の理解がないまま多くの手法が乱用されていることが指摘されています。根拠のない解析は間違った研究結果につながり、研究に携わる人々や機関・対象者・公表した内容に関わる人々など多方面に損害を与えます。確率・統計の基本概念を成り立ちなど背景から理解し,各手法の根底にある発想を身につけることが求められます。

 学部1・2年生は実際に解くべき具体的な問題を伴わないため統計学を学ぶ動機づけに欠ける時期ではありますが、数学の知識が豊富であるためこれに関わる基盤からの統計学を学ぶにはむしろ絶好の時期ともいえます。数学的な基礎から統計を身につけておくと、将来より専門的な手法を学ぶ際にもはるかに有利になります。安易なhow toを求めず長く用いられる基礎を身につけてください。

 データサイエンス2では1での基礎をもとにより進んだ手法や正規母集団以外の解析方法など実際の医学研究で多用される手法を学びます。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
医学部>医学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門医療の質と安全の管理
B科学的思考
C生涯にわたってともに学ぶ姿勢
<到達目標>
目標NO説明コンピテンシーとの対応
医学
11.回帰分析や分散分析など正規母集団への応用的手法を実施し、説明できる。B
22.判別分析や主成分分析など多変量解析の応用的手法を実施し、説明できる。B
33.クロス表やノンパラメトリクスなど正規母集団以外の解析を実施し、説明できる。B
44. 感染症の数理に関する基本的な用語と考え方を説明できる。B
55.R環境を使って、簡単なデータの解析を実施し、説明できる。A
66.ゲノム統計について説明できる。B
77.医学研究に必要な統計解析の発想を身につけ、科学的思考力により新しい知識を生み出すことができるC
88.以上により、統計学的な基盤と発想を学ぶことで、情報リテラシー・数量的リテラシー・理論的思考力・問題解決能力および科学的思考を身につける。C
<成績評価方法>
目標No割合評価の観点
125%レポート・試験により達成の有無を評価する。
225%レポート・試験により達成の有無を評価する。
325%レポート・試験により達成の有無を評価する。
45%レポート・試験により達成の有無を評価する。
55%レポート・試験により達成の有無を評価する。
65%レポート・試験により達成の有無を評価する。
75%レポート・試験により達成の有無を評価する。
85%レポート・試験により達成の有無を評価する。
合計100% 
<授業計画>
1:感染症と微分方程式
2:確率過程の導入
3:感染症と確率過程
4:単回帰
5:重回帰
6:一元配置分散分析
7:二元配置分散分析
8:クロス表の基本
9:クロス表の検定
10:検出力とサンプルサイズ
11:ノンパラメトリクス
12:判別分析
13:主成分分析
14:ゲノム統計学(非常勤講師・上辻茂男先生担当予定 1回)
15:これまでの講義のまとめ

状況に応じて講義の順序等が入れ替わることがある。

オンデマンド型で講義を行う。また毎回、学生が講義のまとめ等を提出する形となる。
可能であれば、対面により実習を数回行う。
<教科書>
  1. 西郷 達彦, 応用統計学,
    (学内書店等で入手できるようにします。)
<参考書>
  1. Peter Dalgaard, Rによる医療統計学 原書2版 , 丸善出版(株), ISBN:978-4-621-08775-6
  2. 丹後俊郎, 医学への統計学 第3版 , 朝倉書店, ISBN:9784254125467
  3. ダレル・ハフ【著】 高木秀玄【訳】, 統計でウソをつく法 : 数式を使わない統計学入門, 講談社, ISBN:4061177206
  4. 松原 望, 入門統計解析―医学・自然科学編, 東京図書, ISBN:4489020236
  5. 小寺平治, 明解演習 数理統計, 共立出版, ISBN:4320013816
  6. 東京大学教養学部統計学教室編, 自然科学の統計学, 東京大学出版会,, ISBN:4130420674
  7. Riegelman,Richard K.・Hirsch,Robert P.【編】・森田 茂穂・新見 能成【監訳】,, 医学論文を読む―臨床医に必要な統計学の基礎 第2版, メディカル・サイエンス・インターナショナル, ISBN:9784895922111
  8. 佐伯 胖, 実践としての統計学, 東京大学出版会, ISBN:4130420704
  9. 永田・棟近, 多変量解析法入門, サイエンス社, ISBN:4781909809
  10. 加納克人 高橋秀人, 基礎医療統計学, 南江堂