山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 金融リテラシー向上講座~お金の過去・現在・未来~
時間割番号 CPYK46
担当教員名 堀内 久雄/手塚 伸/今井 久
開講学期・曜日・時限 後期・(未登録)・(未登録) 単位数 1
<対象学生>
全学部生
<授業の目的>
この科目は「連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)」です。
授業の実施日については、大学ホームページ(https://www.yamanashi.ac.jp/campuslife/332)に掲載「教養教育連携開設科目履修ガイド」の令和5年度連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)一覧(PENTAS YAMANASHI)を確認してください。

現代社会において、貨幣の存在は欠かせない。私たちがショッピングに行く時、旅に出る時、コンサートを見に行く時、事業を起こす時・展開する時、どんな時でも必ず貨幣が必要になる。
それほどの不思議な力を持つ貨幣とは一体何なのか。昔の貨幣はともかく「金=Gold」に紐づけられており、指輪にも鎖にも金歯にも使える美しい金属でもあった。今は鼻紙にも使えない紙きれにすぎない。それどころか、時には銀行の通帳上の数字の増減、また昨今は、電子マネーや仮想通貨といった電子データに過ぎない。このような無価値なものが、大きな力を持って、世界経済や地域経済を動かし、社会を支え、時には貨幣を巡る惨事も引き起こす。
この授業では、貨幣を巡る様々な考察を通じて、その本質に迫るとともに、現代社会において様々な金融機関が貨幣を用いてどのような活動を行ってきたのか、それぞれの歴史、現状、将来展望を学ぶ。また、こうした学びの中から、私たちの貨幣との向き合い方を深く洞察し、金融リテラシーを向上させるとともに、地域経済の活性化に生かすことのできる人材を育成することを目的とする。
なお、本科目は、㈱山梨中央銀行の寄付により運営するもので、同行の全面的なご協力と、人材のご提供を得て進めていく。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
B地域理解自らの生活の場である地域の特色・課題を説明できる。
C汎用能力5・問題解決力課題設定力課題を明らかにし、解決すべき「問い」を立てることができる。
D省察力取り組みを評価し、解決方法や計画を改善できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1貨幣の本質について理解できる。A
2様々な金融の在り方について、その現状と意義を理解できる。A
3地域経済における貨幣・金融の重要性を、歴史や機能など多方面から理解できる。B
4貨幣の本質に基づき、今日の社会経済において多様な金融制度が果たす役割を考えることができる。C
5今後、私たちがどのように貨幣に向き合い、地域社会において貨幣と付き合っていくべきか考えることができる。D
6講義を通じて得た情報や知見、考え方自らのキャリアデザインに生かすことができる。D
7VUCA時代における貨幣との付き合い方を理解し、自ら実践する態度を身につける。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%講義最終課題により評価する
215%講義最終課題により評価する
310%講義最終課題により評価する
415%各回の課題(含 議論への参加、レポート)により評価する
515%各回の課題(含 議論への参加、レポート)により評価する
615%講義への参加態度(含 質疑応答、レポート)により評価する
715%講義への参加態度(含 質疑応答、レポート)により評価する
合計100% 
<授業の方法>
貨幣の歴史的考察から、様々な金融の現場における実践的な活動、地元金融機関の地方創生や地域経済活性化への取り組みなど、貨幣(お金)の切り口から経済社会を俯瞰していく。さらに、講義を通じて、金融リテラシーの向上を図り、VUCA時代を生き抜く術を学ぶ。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・金融の第一線で活躍される実務家とともに、これまでとは全く異なった切り口から金融の在り方を考える講義です。「昨日までとは異なった景色」が見えてくるものと思います。多くの方々の参加を期待します。
・質疑応答のみならず、授業外学修として担当教員・ゲスト講師との対話を歓迎します。
<テキスト>
  1. 適宜プリントなどを配布します。
<参考書>
  1. 「授業外の学修」に提示した図書の他、講義時に適宜紹介します。
<授業計画の概要>
1タイトル特任教授(やまなし産業支援機構理事長)手塚 伸
事前学習
事後学習
内山節 著『貨幣の思想史』(農山漁村文化協会版あるいは新潮選書版)を予め学修しておく
授業内容貨幣とそれが表す価値との関係に関するこれまでの議論を整理し、貨幣の本質を明らかにする。
2タイトル共同通信社編集委員 橋本卓典
事前学習
事後学習
橋本卓典 著『(3月刊行予定)』(文春新書)を予め学修しておく
授業内容地域金融機関の歴史を振り返り、現在抱えている課題を明らかにするとともに、これからの地域金融機関の在り方を構想する。
3タイトル浜松医科大学外部有識者会議座長(元アイザワ証券(株)取締役副社長執行役員) 角道裕司
事前学習
事後学習
角道裕司 著『証券会社がつむぐ「地方創生」の物語 アイザワ証券「クロスボーダーソリューション」の挑戦』(毎日新聞出版)を予め学修しておく
授業内容地方創生の推進に向け、証券会社(藍沢証券)が地域教育機関、地域金融機関などと協働した事業への取り組みを通じ、証券業界の地域貢献の姿を考察する。
4タイトル山梨中央銀行 地方創生推進部 山梨未来創生室 室長 岡本新一
事前学習
事後学習
今井久・山梨総合研究所編著『山梨ならでは豊かさ(特に第3章)』(ぎょうせい)を予め学修しておく
授業内容山梨中央銀行が取り組む様々な地方創生に向けた取り組みを通じ、地方銀行の地域貢献の姿を考察する。
5タイトル㈱ホリプロデジタルエンターテイメント 代表取締役社長 鈴木秀
事前学習
事後学習
『NFTで趣味をお金に変える』(青春新書インテリジェンス)を予め学修しておく
また、次のホームページを確認しておく
29歳で「ホリプロ」子会社の社長に就任した男の半生(https://forbesjapan.com/articles/detail/36620)
授業内容仮想通貨やNFT(代替不可トークン)など新たな金融の現状と今後の可能性について考察する。
6タイトル山梨県中小企業活性化協議会(やまなし産業支援機構)清水賢一
事前学習
事後学習
次のホームページを確認しておく
山梨県中小企業活性化協議会(http://www.yiso.or.jp/advisement/conference.html)
授業内容会社経営には必ず好不調の波が伴う。会社経営が危機に陥った際に、金融はどのような手立てで企業を支援していくのか、現場での実践に基づいて学ぶ。
7タイトル山梨中銀金融資料館館長 堀口美千代、同学芸員 亀井大輔
事前学習
事後学習
次のホームページを確認しておく
山梨中央銀行金融資料館(https://www.yamanashibank.co.jp/aboutus/museum/)
授業内容山梨中銀金融資料館の見学を通じて、金融の歴史や、あまり知られていない「お金」に関する意外な一面などを学ぶ。
8タイトル山梨中銀金融資料館 学芸員 亀井大輔
事前学習
事後学習
講義全体を振り返り、整理しておく
授業内容「ライフサイクルで必要となる金額」「貯蓄と投資の違い」など身近なテーマを学び金融リテラシーを高める。7~8回は連続した授業として行い(土曜日午後)、座学だけでなくゲーム等も取り入れた体験型授業とするとともに、併せて金融犯罪などのリスクについても学ぶ。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
様々な金融機関でご活躍される方々、長く金融機関に関する調査研究に携わってきた方々など、幅広く第一線で活躍される方々を講師に招き、金融の現状を明らかにしていく。また、7~8回は、座学だけではなく、様々な体験を通じて金融を学ぶこととする。
<備考>
・金融の第一線で活躍される識者等の生の声を聴くことができると同時に、これまでとは異なった切り口から地域経済を考える講義です。必ず、参考図書等を参照し、どのような考え方で、どのような事業を展開しているのか確認しておくこと。
・また、講義の中での質問等は大歓迎なので、積極的に授業に参加すること。
・9月16日(開催場所は山梨学院大学を予定)に、山梨中央銀行寄付講座のキックオフイベントとして内山節氏(哲学者)、藻谷浩介氏(日本総合研究所)をお招きし、フォーラム「新しい社会を『お金』の再定義から考える」を開催するので、参加することが望ましい。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。