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授業科目名 感性情報工学及び演習
時間割番号 TCS331
担当教員名 小俣 昌樹/木下 雄一朗
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
「感性情報工学」とは,人間の五感(五官)や,快適性・好感度・選好・使いやすさ・総合評価といった,人間の主観や感性に基づく評価データから有益な情報を引き出して工学的に利用する学問分野である.本授業の前半では,嗜好や感覚データの収集方法およびその解析方法について講義する.後半では,感性の基礎となる視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・味覚・嗅覚などの感覚に関する基本的特性を学び,測定実験およびその報告レポートを通してそれらの特性を確認する.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>コンピュータ理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
CS-A専門3.他者に正しく理解してもらうための論理的な文書での記述力と口頭での発表力をもち、それらを円滑に駆使してコミュニケーションすることができる。
CS-B5.時代の変化に対応できるよう、最新の技術動向を考慮して、自律的・継続的に学習できる。
CS-C6.情報科学、及び、数学や自然科学等の知識と手法を用いて、以下のことができる。6b.要求、時間、費用、資源等の制約条件を考慮した上で、複数の解が存在するような複雑な問題の中から適切な解を見つけ出すことができ
CS-D6c.各種のツールや手法に関する十分な知識をもち、それらをシステムの設計・開発・運用に応用できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
CS
1(1)一対比較法・ME法・正規化順位法などの,心理尺度構成のための官能評価法を説明できること.CS-D
2(2)極限法・調整法・恒常法などの,心理定数測定のための心理物理学的測定法を使用できること.CS-C
3(3)視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・味覚・嗅覚などの人間の感覚について,生理学的および心理物理学的基礎特性を説明できること.CS-B
4(4)視覚や聴覚などに関する基本的な官能検査の実験を実施し,その結果を分析した報告レポートを作成できること.CS-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
110%試験(中間期)の筆記によって,説明できたか否かを評価します.
220%試験(中間期)の筆記によって,使用できたか否かを評価します.
340%試験(期末期)の筆記によって,使用できたか否かを評価します.
430%レポートの記述内容によって評価する。
合計100% 
<授業の方法>
<新型コロナウイルス感染防止対策 ライブ型とオンデマンド型を混用>
○第1回~第9回:LMSを中心とする「オンデマンド型」で実施する.
 ・[オンデマンド型]学生は,LMSに提示された資料を閲覧したり演習問題に解答したり質問を記述したりする.
 ・[ライブ型]教員は,当該授業時間に,記述された質問へ回答したり(必要に応じて,全体へもフィードバックする.),ビデオ通話で個別の口頭質問へ回答したりする.
○第10~14回
 ・ビデオ会議ソフトウェアを使用したライブ型のオンライン授業により実施する。
 ・教員・TA は、ビデオ会議ソフトウェア経由で質問を受け付ける。
○第5回,第15回:LMSにおける「オンライン試験」を実施する.
 ・[ライブ型]学生は,授業時間の指定された時刻に,LMSでの試験を受験する.
 ・[ライブ型]その後,教員が,ビデオ会議システムを使って,まとめとして,それまでの学修内容やその応用について,解説する.

<新型コロナウイルス感染防止対策が必要ない場合 面接授業>
○第1回~第9回:教室で講義を行なう.
○第5回,第15回:試験を行ない,まとめとして,教員が,それまでの学修内容やその応用について,解説する.
<受講に際して・学生へのメッセージ>
統計学に基づく知識を必要とする内容が含まれているため,「確率統計及び演習II」を履修し,内容を理解していることが望ましい.
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 行場 次朗 (著), 箱田 裕司 (著), 新・知性と感性の心理―認知心理学最前線, 福村出版, ISBN:4571210418
  2. 内川 惠二 (編集), 岡嶋 克典 (編集), 感覚・知覚実験法, 朝倉書店, ISBN:4254106351
  3. 篠森 敬三 (編集), 視覚〈1〉視覚系の構造と初期機能 (講座“感覚・知覚の科学”), 朝倉書店, ISBN:4254106319
  4. 内川 惠二 (編集), 聴覚・触覚・前庭感覚 (講座“感覚・知覚の科学”), 朝倉書店, ISBN:4254106335
  5. 天坂 格郎 (著), 長沢 伸也 (著), 官能評価の基礎と応用―自動車における感性のエンジニアリングのために, 日本規格協会, ISBN:4542503275
<授業計画の概要>
1タイトル人間の情報処理過程と感性
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された「感性情報工学の事例」についてのナレーション付きスライドショーを視聴し,その内容に関する考察課題へ取り組みます.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容・最初に,この授業全体の到達目標,授業の進め方,成績評価の仕方に関するガイダンスを行います.
・「感性とは」および「人間の情報処理過程と感性」についての講義をおこないます.
2タイトル感性評価手法
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された「感性評価手法の概要」についてのナレーション付きスライドショーを視聴します.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容演習として,官能評価法演習用紙に書き込みながら,ME法,正規化順位法,一対比較法の分析方法を学修します.
3タイトル心理物理測定法
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された「心理物理測定法の概要」についてのナレーション付きスライドショーを視聴し,その内容に関する考察課題へ取り組みます.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容演習として,感度の測定方法演習用紙に書き込みながら,恒常法,極限法,調整法による絶体閾や弁別閾の導出方法を学修します.
4タイトル感覚・知覚実験法
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された「感覚尺度構成法」についてのナレーション付きスライドショーを視聴します.
授業内容感覚・知覚実験法についての講義を行います.
スティーブンスのべき法則にについて,各自で考察し,その後,お互いの考察内容について議論します.
5タイトル中間評価(総括とまとめ)
事前学習
事後学習
授業前に,第4回までの授業内容を振り返って学修内容を確認します.
授業内容試験(中間期)を実施します.
第4回までの学修内容を振り返ります.
第6回以降の学修内容を説明し,第4回までの学修内容との関係を説明します.
6タイトル視覚
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された授業資料を閲覧します.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容視覚における,眼球の構造,視細胞の機能,一次視覚野での処理,そして,見えや奥行き知覚の手がかりについての講義を行います.
7タイトル聴覚
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された授業資料を閲覧します.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容聴覚末梢系の基本構造およびその特性と,音の知覚についての講義を行います.
8タイトル前庭感覚,触覚
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された授業資料を閲覧します.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容前庭感覚および触覚の生理学的および心理物理学的な基本的特性に関する講義を行います.
9タイトル味覚,嗅覚
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示された授業資料を閲覧します.
授業後に,LMSに掲示されている参考学修材を閲覧しながら,授業内容の理解を深めます.
授業内容味覚および嗅覚の生理学的および心理物理学的な基本的特性に関する講義を行います.
10タイトル実験内容の説明,実験結果記述方法の説明
事前学習
事後学習
事前学習:説明資料を読んでおく。
事後学習:不要。 
授業内容第11回~14回の実験の内容について説明します。また、科学技術文書の執筆方法について学びます。
11タイトル視覚実験(1)実験の実施
事前学習
事後学習
事前学習:第6回の授業内容を復習する。また、実験テキストを読み、実験内容や手順について概要を理解しておく。
事後学習:グループ内の実験結果を集約する。また、実験内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容Muller-Lyerの錯視図形を対象に、錯視量の測定実験を行います。外的基準の有無、錯視図形の特性の違いにより、錯視量がどのように変化するかを調べます。
12タイトル視覚実験(2)実験結果の分析
事前学習
事後学習
事前学習:実験テキストを読み、分析内容や手順について概要を理解しておく。
事後学習:グループ内の実験結果を集約する。また、分析内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容第11回の実験結果をもとに、基本統計量を算出し、箱ひげ図、棒グラフ上に図示します。また、t検定により有意差の分析を行います。
13タイトル聴覚実験(1)実験の実施
事前学習
事後学習
事前学習:第7回の授業内容を復習する。実験テキストを読み、実験内容や手順について概要を理解しておく。
事後学習:グループ内の実験結果を集約する。また、実験内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容伝送周波数帯域幅の異なる複数のサンプルを対象に、Scheffe の一対比較法による音質評価実験を行います。伝送周波数帯域幅が異なると、聴者が感じる音質がどのように変化するかを調べます。
14タイトル聴覚実験(2)実験結果の分析
事前学習
事後学習
事前学習:実験テキストを読み、分析内容や手順について概要を理解しておく。
事後学習:グループ内の実験結果を集約する。また、分析内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容第12回の実験結果をもとに、各サンプルの音質に違いを表す尺度値の推定を行います。また、分散分析により有意差の分析を行います。さらに、ヤードスティックによる検定により、サンプル間の音質の違いについて検証します。
15タイトル評価(総括とまとめ)
事前学習
事後学習
授業前に,第6回から第14回までの授業内容を振り返って学修内容を確認します.
授業内容試験(期末期)を実施します.
授業全体を振り返り,学修内容の具体的な応用事例を紹介します.
<備考>
本授業では,山梨大学 e-Learning システム(Moodle)を使用する.
http://moodle.yamanashi.ac.jp/