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授業科目名 初等量子論
時間割番号 TAM204
担当教員名 東海林 篤
開講学期・曜日・時限 前期・木・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
初等力学で学んだ古典力学は我々が日常的に体感しているスケールにおける物理現象を取り扱う上で有効であるが、原子スケールの現象を全く説明することができない。量子力学は、従来の古典力学では説明できない素粒子・原子・分子などの微視的な系に適用される力学である。
 本授業は、原子・分子・結晶の構造、性質、生成の仕組みを理解するのに必要な「最低限の知識」を獲得し、また、個々の物質などにこだわらず「普遍的知識を得る」ことを目標とする。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>先端材料理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AM-A専門1.基礎的知識物理学
AM-B数学
AM-C2.専門的知識・技術融合科学技術
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AM
1波動関数の解き方、古典論にはないスピンを理解できる。自由電子や原子核に束縛された電子の状態について説明できる。AM-A
2古典論では取り扱えない現象や概念の意味、量子力学の基本的な考え方、ブラケット記法、物理イメージと数学手法の対応を理解できる。AM-A
32階線形偏微分方程式の初期値や境界条件に応じた解を求めることにより、その方程式及び解の物理的意味を理解し計算できる。AM-B
4電子のエネルギー準位、磁場が電子軌道におよぼす効果を理解することができる。AM-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%中間・期末テストにより理解度を評価します。
225%中間・期末テストにより理解度を評価します。
325%中間・期末テストにより理解度を評価します。
425%中間・期末テストにより理解度を評価します。
合計100% 
<授業の方法>
・線形代数学I、初等力学、微分積分学I、微分積分学IIを習得しておくこと。
・中間テストと期末テストにより評価を行います。
・面接授業。
  マスクを着用させ、学生間の距離はできるだけ空ける
  定期的に窓を開けて、換気を行う
  授業前、後に手洗い・手指消毒を徹底する
<受講に際して・学生へのメッセージ>
量子力学は古典力学と全く異なる考え方に成り立っており、直感では理解しにくいです。しかし、教科書通りですのでしっかり予習・復習をしておいてください。なお、やや早いですので、わからないところは早めに解決しておいてください。
<テキスト>
  1. 小形正男, 裳華房テキストシリーズ「量子力学」, 裳華房, ISBN:978-4-7853-2229-8
<参考書>
  1. 牧二郎, 林浩一共著, 素粒子物理, 丸善, ISBN:4621041193,
    (1995年出版 パリティ物理学コース / 牧二郎 [ほか] 編)
<授業計画の概要>
1タイトル量子力学的世界観
事前学習
事後学習
事前学習:量子力学が必要になったきっかけについて調べておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容古典物理学と異なった微視的世界の基本法則について説明します。
2タイトル平面波と確率
事前学習
事後学習
事前学習:古典的な波動方程式について理解しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容基本的な量子の波の平面波と古典的な波との相違などについて説明していきます。
3タイトル調和振動子
事前学習
事後学習
事前学習:古典的な単振り子と全く異なります。どのように違うのか、どのようにしたら古典に漸近するのかについて考察してください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容パラボリックなポテンシャルに束縛された量子の運動について解説します。
4タイトル波束
事前学習
事後学習
事前学習:群速度と位相速度の違いについて復習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容平面波の重ね合わせ状態である波束について説明します。
5タイトル量子力学の基礎づけ
事前学習
事後学習
事前学習:これまでの一次元シュレーディンガー方程式の取り扱いについて復習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容古典力学との対比、およびどのようにして問題が解かれていくのかについてのメカニズムについて解説します。
6タイトル中間テスト
事前学習
事後学習
事前学習:これまでの一次元シュレーディンガー方程式の取り扱いについて復習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容中間テストを行います。
7タイトル三次元のシュレーディンガー方程式
事前学習
事後学習
事前学習:極座標の扱い方や、ヤコビアンについて復習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容極座標ラプラシアンついて解説していきます。
8タイトル球面調和関数
事前学習
事後学習
事前学習:一次元シュレーディンガー方程式の解き方をよく予習してください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容磁気量子数がどのようにして求まるのかについて説明していきます。
9タイトルルジャンドル多項式
事前学習
事後学習
事前学習:結晶の構造と深い関わりがありますので、よく予習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容方位量子数を導き、どのようなものかについて解説していきます。
10タイトル水素原子の波動関数
事前学習
事後学習
事前学習:エネルギー準位は炎色反応などを用いることで直接観測できます。様々な原子のエネルギー準位を調べてみてください
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容水素原子のエネルギー準位がどのようにして求まるのかについて説明します。
11タイトル角運動量の代数
事前学習
事後学習
事前学習:三時限シュレーディンガー方程式が解かれていく様子をよく理解しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容波動関数を使わずに角運動量の性質だけから様々なことを導いていきます。
12タイトルスピン
事前学習
事後学習
事前学習:量子力学特有の概念であり、状態ベクトル・ブラケットは今後スピン以外にも使用していきますので扱い方をよく習得しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容スピンは波動関数でかけない状態です。代わりに状態ベクトルという新しい概念を導入しスピンを扱っていきます。
13タイトルラーモアの歳差運動
事前学習
事後学習
事前学習:スピンの回の復習をしておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容傾いた状態のスピンに磁場を印可すると歳差運動を始めます。これはNMRで使われている技術で、その仕組みについて解説してきます。
14タイトル角運動量の合成
事前学習
事後学習
事前学習:角運動量代数の回の復習をしておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容二つ以上の原子が結合すると電子スピンや軌道が混じり合い、この混じり合った軌道の角運動量は元の角運動量と同じとはなりません。クレブシュ=ゴルダン係数を使った合成法について解説します。
15タイトル総括・評価
事前学習
事後学習
事前学習:三次元シュレーディンガー方程式の扱いについてよく復習しておいてください。
事後学習:今回の課題に取り組み、学んだことを自分なりに言葉にして考えください。
授業内容期末テストです。
<備考>
(未登録)