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授業科目名 有機化学演習
時間割番号 TAC304
担当教員名 佐藤 玄
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 1
<対象学生>
応用化学科3年生
<授業の目的>
暗記中心の有機化学から脱却し、自分の頭で考えて反応機構を導ける力を身につけることが本講義の目的である。
講義では、主に以下の3つの事項を扱う。
・有機化学反応機構を巻矢印を用いて説明する方法
・分子軌道を用いて化学反応の説明する方法
・核磁気共鳴スペクトルを帰属する方法
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>応用化学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AC-A専門4.化学の専門知識・技術を活用し、新素材・エネルギー・環境等の分野における問題解決に取り組むことができる。B.有機化学B1.化学結合生成における軌道の混成、共鳴による電子の移動、有機化合物の命名、C=Cへの付加反応、芳香族の基礎反応、有機化学の理論について説明できる。
AC-BB2.有機化合物の命名法、立体配座、R-S表示法、有機反応における置換基の電子的立体的効果、ハロゲン化物、アルコールの構造と性質・反応性、有機反応の反応速度、平衡、反応機構について説明できる。
AC-CB3.カルボニル基の基本的な反応(求核付加反応、求核アシル置換反応、α置換反応、カルボニル縮合反応)の反応機構を説明できる。
AC-DC.分析化学C4.クロマトグラフィー(ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー)、質量分析法、赤外分光法、核磁気共鳴分光法について説明でき、有機化合物の構造を決定できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AC
1有機化学反応における電子の授受を巻矢印によって表現する作法を身につけ、反応機構が書ける。AC-A
2簡単な分子構造を見て反応性を予測し仮説を立て説明することができる。AC-A
3分子軌道を用いて有機化合物の反応性や物性について説明できる。AC-A
4分子の3次元構造を説明できるAC-A
5エネルギー準位の図を用いて有機化学反応を説明することができる。AC-A
6pka を理解し、有機化学反応の説明に応用することができる。AC-C
7置換基効果を説明することができる。AC-B
8核磁気共鳴スペクトル等を用いた簡単な有機化合物の構造決定ができる。AC-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
210%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
315%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
410%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
510%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
615%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
710%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
810%レポート50%、中間試験25%、期末試験25%
合計100% 
<授業の方法>
毎週レポート課題を講義2日前までに提出してください。
講義は、レポートの解説を中心に進めます。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
「基礎有機化学 I, II」 および「有機化学」をしっかりと復習しておくこと。
成績評価は、レポート課題が 50 % ですので、レポートを毎週必ず提出するようにして下さい。
難しい内容もあるかと思いますが、質問等ありましたら、いつでも授業担当者(佐藤)の居室に質問に来てください。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. J. Clayden, N. Greeves, S. Warren著 ; 石橋正己 [ほか] 訳, ウォーレン有機化学 上 第2版, 東京化学同人, ISBN:4807908715,
    (学部3年生向けの有機化学の教科書。購入は必須ではない。)

  2. S. Warren著 ; 野村祐次郎, 友田修司訳, プログラム学習有機合成反応 : カルボニル基の化学, 講談社, ISBN:9784061394070,
    (現在は絶版。読みたい方は、佐藤までご連絡ください。第 1 - 7 回目の講義は、プログラム学習に沿って進めます。)

  3. 有機合成化学協会編, 演習で学ぶ有機反応機構 : 大学院入試から最先端まで, 化学同人, ISBN:4759810455,
    (有機化学反応機構の問題が難易度別にA, B, C 問題に分類されている問題集です。A, B 問題は、学部生のうちに解けるようになりましょう。)

  4. Silverstein [ほか] 著 ; 岩澤伸治, 豊田真司, 村田滋訳, 有機化合物のスペクトルによる同定法 MS,IR,NMRの併用 第8版, 東京化学同人, ISBN:4807909169,
    (NMR の原理を勉強するのに最適な一冊。授業は演習中心で、原理については扱いません。)

  5. Robert B. Grossman [著] ; 奥山格訳, 有機反応機構の書き方 : 基礎から有機金属反応まで, 丸善, ISBN:4621081985,
    (巻矢印の書き方が丁寧に解説されている参考書です。)
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス + 巻矢印を用いた反応機構の書き方
事前学習
事後学習
事前学習:1,2 年生の有機化学の授業内容をよく復習しておくこと。
事後学習:授業内容をよく復習し、巻矢印の書き方を身につけること。
授業内容授業評価や授業内容についてのガイダンスを行う。
その後、巻矢印を用いた有機化学反応機構の書き方についての説明を行う。
「ウォーレン有機化学(上)」第5章「有機化学反応」の内容です。
2タイトルpka についての理解
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:pka とルイス酸・塩基についてよく復習すること
授業内容pKa を用いた有機反応機構の考え方を身につける。
ルイス酸・塩基の定義について説明できるようにする。
「ウォーレン有機化学(上)」第8章「酸性度と塩基性度」の内容です。
3タイトルカルボニル基に関する反応1
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い、四面体中間体を経由する反応についての理解を深める。
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
授業内容有機化学演習の第3回目から7回目までは、カルボニル基の関与する反応を取り扱う。
カルボニル基の求核置換反応など、四面体中間体を経由する反応を通して、pka についての理解を深めることを目的とする。
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
4タイトルカルボニル基に関する反応2
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容有機化学演習の第3回目から7回目までは、カルボニル基の関与する反応を取り扱う。
Grignard 反応などを通して、静電相互作用支配と軌道相互作用支配の反応を理解する。
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
5タイトルカルボニル基に関する反応3
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容有機化学演習の第3回目から7回目までは、カルボニル基の関与する反応を取り扱う。
極性転換反応について理解を
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
6タイトルカルボニル基に関する反応4
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容有機化学演習の第3回目から7回目までは、カルボニル基の関与する反応を取り扱う。 
ケト・エノール平衡やアルドール反応についての理解を深める。また NMR の原理について勉強する。
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
7タイトルカルボニル基に関する反応5
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容有機化学演習の第3回目から7回目までは、カルボニル基の関与する反応を取り扱う。 
また NMR の原理について勉強する。
「ウォーレン有機化学(上)」第9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
8タイトル中間試験
事前学習
事後学習
事前学習:第1回目から第6回目までのレポート課題を復習すること。
事後学習:中間試験の問題をよく復習すること。
「ウォーレン有機化学(上)」第5,8,9,10,11,22,26 章に相当する内容です。
授業内容pka, 酸・塩基の定義, カルボニル基の関与する反応, 共役付加
9タイトル軌道を用いて化学反応を説明する1
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容SN1, SN2, E1, E2, E1cB 反応などを取り扱う。
カチオンの安定性などを説明できるようにする。
「ウォーレン有機化学(上)」第 4, 15, 16, 17 章に相当する内容です。
10タイトル軌道を用いて化学反応を説明する2
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容転位反応を通して、軌道を用いて反応機構を説明できるようにする。
また、NMR の帰属についても取り扱う。
「ウォーレン有機化学(上)」第 4, 15, 16, 17 章, 「ウォーレン有機化学(下)」第 36 章に相当する内容です。
11タイトル軌道を用いて化学反応を説明する3
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容転位反応を通して、軌道についての理解を深める。
また、NMR の帰属についても取り扱う。
「ウォーレン有機化学(上)」第 4, 15, 16, 17 章, 「ウォーレン有機化学(下)」第 36 章に相当する内容です。
12タイトル軌道を用いて化学反応を説明する4
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容ペリ環状反応を通して、軌道についての理解を深める。
また、NMR の帰属についても取り扱う。
「ウォーレン有機化学(下)」第 34, 35 章に相当する内容です。
13タイトル軌道を用いて化学反応を説明する5
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容ラジカル反応について取り扱う。
また、NMR の帰属についても取り扱う。
「ウォーレン有機化学(下)」第 37 章に相当する内容です。
14タイトル軌道を用いて化学反応を説明する6
事前学習
事後学習
事前学習:レポート課題に取り組む
事後学習:授業の復習を行い
授業内容ラジカル反応について取り扱う。
また、NMR の帰属についても取り扱う。
「ウォーレン有機化学(下)」第 37 章に相当する内容です。
15タイトル期末試験
事前学習
事後学習
事前学習:第8回目から第14回目までのレポート課題を復習すること。
事後学習:期末試験の内容をよく理解しておくこと
授業内容分子軌道を用いた反応機構の説明ができるようになること。
NMR の帰属ができるようになること。
「ウォーレン有機化学(上)」第 4, 13, 15, 16, 17 章, 「ウォーレン有機化学(下)」第 34, 35, 36 章に相当する内容です。
<備考>
(未登録)