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授業科目名 化学実験
時間割番号 TAC204
担当教員名 米山 直樹/井上 久美/髙嶋 敏宏/佐藤 玄/河村 隆之介
開講学期・曜日・時限 後期・金・III-IV 単位数 2
<対象学生>
応用化学科2年生
<授業の目的>
1年次で学んだ広範囲な基礎化学(物理化学・分析化学・無機化学・有機化学など)に基づき、化学実験操作の基本的技術を習得する。3年次以降の基礎工学・応用工学の授業科目や、高度な応用化学系実験に必要な基礎力を身につける。高価な装置を使用する実験とお互いの協力が必要な実験以外は、履修者各自で実験操作を行う。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>応用化学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
AC-A専門4.化学の専門知識・技術を活用し、新素材・エネルギー・環境等の分野における問題解決に取り組むことができる。A.無機化学A2.元素の性質と化合物、金属錯体の構造や分光学との関連、結晶構造と固体の性質との関連、無機生体材料、環境浄化材料について説明できる。
AC-BC.分析化学C1.統計学に基づく分析の誤差や分析値の信頼性が評価でき、分析化学の基礎計算(濃度計算、検量線の作成、化学平衡の数量的扱い)ができる。緩衝溶液の設計、酸塩基滴定の原理、溶解度積に基づく沈殿の生成、沈殿の性質を説明できる。
AC-CG. 化学工学G2. 日常生活や化学実験における危険防止や正しい器具の使用方法、化学物質の安全性(毒性)、廃棄処理方法、化学物質の安全性をふまえた暮らし・食の安全性や環境問題について説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
AC
1・化学実験の基本操作を習得する。AC-C
2・化学的事物・現象について、正しい観察と実験の進め方を習得する。AC-C
3・化学的事物・現象について、化学的に探究する態度と能力を身につける。AC-A
4・化学的事物・現象について、定量的概念を身につける。AC-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%予習課題、実験計画書、実験態度、実験レポート
225%予習課題、実験計画書、実験態度、実験レポート
325%予習課題、実験計画書、実験態度、実験レポート
425%予習課題、実験計画書、実験態度、実験レポート
合計100% 
<授業の方法>
・実習前日までに、Moodle 上で予習課題を解く。また、実験計画書を作成し、実習当日に円滑に実験が進むように準備する。
・実習当日は、各実験班に分かれて、毎週1テーマの実験を行う。(第2回目から第13回目までの実験内容の順番は、実験班によって異なる。)
・実習後は、実験レポートの作成を通して、実験内容についての理解を深める。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・1年次で開講されている基礎化学系科目、2年次後期の安全環境化学を履修することが望ましい。実験では常に安全が最優先され、実験室内では白衣と保護めがねを常に着用すること。
・必ずしっかりと予習してから実験に臨むようにしてください。予習が不十分な場合には、実験への参加を認めない場合があります。
・実験レポートの作成を通して、実習内容をしっかりと復習してください。
<テキスト>
  1. 化学実験指導書,化学実験レポート,
    (生協で販売)
<参考書>
  1. イラストで見る化学実験の基礎知識, 丸善株式会社, ISBN:9784621073872
  2. 研究室で役立つ有機実験のナビゲーター, 丸善株式会社, ISBN:4621077112
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンスと化学実験安全教育
事前学習
事後学習
事後学習:「化学実験レポート」内の化学実験安全教育に取り組み、翌週の実験時に提出すること。
授業内容「化学実験」の講義の進め方、評価方法などに関する説明を行う。
化学実験に臨むにあたっての安全教育を行う。
2タイトル金属イオンの反応と検出
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容四種類の金属陽イオンの分離と検出を通して、試験管を使用した無機イオン反応の観察、半微量(セミミクロ)分析法における混合物試料の沈殿生成・ろ過・沈殿の洗浄と再溶解などの基本操作を習得する。
3タイトル容量分析-標準液の調製と酸塩基滴定
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容塩酸と炭酸ナトリウム水溶液との酸・塩基中和反応を利用し,容量分析の中でも最も一般的なものとしてよく知られている酸塩基滴定(中和適定)を行う。これを実験例として、容量分析の基本的な事柄である、標準溶液の調製、滴定操作、終点の判断、標定などを習得する。
4タイトル容量分析法による溶解度・溶解度積の測定
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容難溶性の無機化合物であるヨウ素酸カルシウムを合成し、その飽和水溶液を調製する。この溶液中のヨウ素酸イオン濃度を容量分析法により測定 し、得られた濃度の値からヨウ素酸カルシウムの水への溶解度を求める。更に、求めた溶解度の値からヨウ素酸カルシウムの溶解度積を計算する。
5タイトル吸光光度法による銅(II)イオンの定量
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容銅(Ⅱ)イオンにアンモニア水を加えると、テトラアンミン銅(Ⅱ)イオンを生成して深青色を示す。この発色反応を利用 して、吸収スペクトルの測定、検量線の作成、未知濃度試料の定量など、吸光光度定量法についての基礎的な事柄を習得する。
6タイトルアセトアニリドの合成と精製
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容アニリンを無水酢酸によりアセチル化してアセトアニリドを合成する。更に、分離して得られた粗結晶を 再結晶法により精製する。これらの過程を通して、有機化学実験における、加熱、吸引ろ過、再結晶、熱時ろ過などの基礎的な実験操作を習得する。また、アセトアニリドの収率を求めるだけでなく、出発原料、粗結晶、精製品とを目で見て比較することで、有機化学合成反応における化合物の形状的な変化を実際に観察する。
7タイトル染料用アゾ化合物の合成と染色
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容アゾ基(-N=N-)を発色団として分子内に持ち、助色団として水酸基、スルホン酸基を有するアゾ染料の一種であるオレンジⅡをジアゾ化とカップリングの二段階操作で合成する。更に、合成したこの染料を実際に用いて、絹、羊毛及び木綿布の染色 を行い、繊維材質の違いによる染色状態を観察する。
8タイトル有機化合物の融点と混融試験
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容有機化合物の融点測定法を習得する。更に、混融(こんゆう)試験法を実習する。
また、本実習課題を通してガラス細工の手技も身につける。
9タイトル分子模型と結晶構造描画ソフト
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容本章では、ball-and-stick模型を使用して、有機化合物の異性体の立体構造を観察する目的で分子模型を組み立てる。
10タイトル分子の電子スペクトルと分子構造
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容有機化合物、並びに遷移金属錯体について、その吸収スペクトルの測定を行なうことにより、分子の量子化されたエネルギー準位と分子構造についての物理化学的な理解を深める。
11タイトル溶液の凝固点降下
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容純シクロヘキサン、並びにシクロヘキサン-ナフタレン2成分系溶液について、液体から固体への状態変化の際の温度変化を冷却曲線として観察し、それぞれの溶液について凝固点を求める。更に、凝固点温度の変化から求めた凝固点降下の値を利用して、ナフタレンの分子量を算出する。
12タイトル反応速度と活性化エネルギー
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容過酸化水素が鉄(Ⅲ)イオンを触媒として分解される速度を、発生する酸素の体積を測定することで追跡し、この反応が一次反応であることを確かめる。更に、この反応を3つの異なる温度のもとで測定し、それぞれの温度における速度定数を求めることにより、活性化エネルギーの値を概算する。
13タイトルヨウ素時計反応の反応次数
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容ヨウ素時計反応の実験を通して、反応次数の決定、反応速度式の誘導、並びに反応速度定数の計算などの基本的事柄を習得する。
14タイトル補習実験
事前学習
事後学習
事前学習:Moodle による予習問題。実験計画書の作成。
事後学習:実験レポートの作成。
授業内容補習実験
15タイトル総括評価,まとめ
事前学習
事後学習
該当なし
授業内容化学実験の総括
<備考>
・第1週の安全教育を受講しないと以降の実験実習を履修できないので、やむを得ない理由で第1週を欠席した者はすみやかに担当教員に連絡を取り、指示を仰ぐこと。
・実験は毎週グループでローテーションしていき講義項目順で行うものではないので、毎回の実験テーマを間違えないように十分確認すること。