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授業科目名 観光政策論
時間割番号 LST223
担当教員名 菊地 淑人
開講学期・曜日・時限 前期・火・IV 単位数 2
<対象学生>
2年生以上
<授業の目的>
観光に対する社会的需要の高まりとともに、その政策に果せられた役割も増大している。本講義では、観光政策の現状と課題について、政策立案と計画策定という2つの観点に基づき、具体的な事例(海外、国内(山梨県内を含む))を交えて検討する。具体的には、(1)観光政策の動向と課題、(2)観光計画の役割、歴史的変遷、計画策定の考え方について学ぶことで、観光政策・計画の基礎知識を習得するとともに、観光政策及び観光関連計画立案に求められる考え方の基礎を理解する。

※本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「地域課題解決人材育成プログラム対象科目」である。
※本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「やまなし未来創造教育プログラム対象科目」である。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>地域社会システム学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
SS-A専門社会科学系の基礎社会のしくみを体系的かつ多面的に理解し、社会科学の基礎的な概念を用いて説明できる。
SS-B観光政策科学の基礎と発展観光産業、観光行政の仕組みやそれが地域経営に果たす役割を理解し、観光にかかわる国内外の市場や政策の分析、観光地経営や観光まちづくりに向けた計画の立案、観光経営の特徴や課題、展開について、基礎的な専門知識を用いて説明できる(観光政策科学特別コースに限る)
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
SS
1観光政策の動向及び課題について、具体的イメージを伴って理解できる。SS-B
2観光政策・計画の意義や策定の考え方・手法について、その基本を理解できる。SS-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
170%講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力(試験)
230%講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力 、演習作業・講義内容の理解度、プレゼンテーションスキル(演習)
合計100% 
<授業の方法>
※※授業実施方法は2022年3月現在の予定であり、今後の状況で変更する可能性がある※※
本科目は、【面接授業】として実施する予定。教室換気のうえ、マスク着用・座席間隔の遵守などの感染対策を徹底すること。

授業はスライド、映像等を用いた講義形式を基本に進める。なお、毎回の授業(演習回を除く)では、講義内容に対する自らの考え方・質問・感想等を記載したリアクションペーパーの提出を求める(Moodle使用)。一部の回では、講義内容に関連する演習と発表を行い、実践的な能力を身につける。詳細は初回授業時に説明する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・「観光政策科学入門」「観光地形成論」の知識を前提に講義を行うことから、当該科目を履修済であることが望ましい。
・レジュメの「行間」にある論理を意識して主体的に受講すること。オンラインなどで「片手間」に受講した場合、十分な理解は難しく、単位取得が困難となることが多々あるので十分に留意すること。

・『観光白書』は紙媒体あるいはデジタル媒体で随時参照できることが望ましい(紙媒体は書店にて購入可能。デジタル媒体は国土交通省ウェブサイトから入手可能)。
・問題意識をもって観光地を訪れる、あるいは関連する報道に注目するなど、観光関連の動向にアンテナを張り巡らすよう努めてほしい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 国土交通省観光庁編, 観光白書 令和3年版, 日経印刷, ISBN:4865792821,
    (
    国土交通省ウェブサイトからデジタル版を入手可能)

  2. 西村幸夫編, 観光まちづくり―まち自慢からはじまる地域マネジメント, 学芸出版社, ISBN:978-4761531683
  3. 大社充, 地域プラットフォームによる観光まちづくり: マーケティングの導入と推進体制のマネジメント, 学芸出版社, ISBN:978-4761525460
  4. 日本政策投資銀行地域企画部, 観光DMO設計・運営のポイント―DMOで追求する真の観光振興とその先にある地域活性化, ダイヤモンド社, ISBN:978-4478084274
  5. 藻谷浩介/山田桂一郎, 観光立国の正体, 新潮社, ISBN:4106106922
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス:地域づくり/観光地経営と政策 
事前学習
事後学習
授業内容・講義の導入として、地域づくり/観光地経営において政策が果たす役割を考える。
2タイトル観光基本法と観光立国推進基本法の比較分析
事前学習
事後学習
【事前学習】配布資料(法・計画集)の印刷、ひととおり目を通す
【事後学習】演習で考えたポイントを整理する
授業内容・自らも作業をおこないながら、法・計画における内容の変遷を整理する。
3タイトル基本的な観光法規/観光政策の体系(法と計画)
事前学習
事後学習
【事前学習】観光政策科学入門(日本の観光政策の歴史)の復習
【事後学習】法令等に関する講義内容の整理
授業内容・基本的な観光放棄の内容・位置付け、観光政策に関する法・計画の体系性などについて概観する。
4タイトルJNTOを中心とした訪日プロモーション施策/観光立国実現に向けた施策の展開
事前学習
事後学習
【事後学習】観光プロモーションの変遷・内容に関する整理
授業内容・観光プロモーションの位置付けの変遷について、時代の変化と重ねながら分析する。
5タイトル滞在環境向上・受入環境整備のための施策
事前学習
事後学習
【事後学習】滞在環境向上・受入環境整備に関する施策の展開とその効果
授業内容・受入環境整備をめぐる施策を俯瞰し、効果的な施策の展開に必要な視点を考える。
6タイトル着地型観光地づくりのための施策(観光圏と観光地域づくりプラットフォーム)
事前学習
事後学習
【事後学習】観光圏整備事業に関する具体的な取組事例の調査
授業内容・観光圏整備事業の概要と具体的取組事例の分析から、着地型観光地づくりに求められる視座を考える。
7タイトル着地型観光地づくりのための施策(DMOの形成とその役割)
事前学習
事後学習
【事後学習】DMOに関する具体的な事例の調査
授業内容・DMOの概要、その可能性と課題等に関する多角的な検討から、観光地経営において組織が果たす役割を考える。
8タイトル<演習(発表)>DMO形成確立計画とSWOT分析
事前学習
事後学習
授業内容・DMO形成確立計画を題材に、具体的な地域を想定して自ら計画を作成することで、必要な視座を獲得する。
9タイトル持続可能な観光指標と国際的な認証
事前学習
事後学習
【事前学習】観光政策科学入門(「持続可能な観光」)の復習
【事後学習】持続可能な観光指標の内容
授業内容・持続可能な観光指標及びその認証制度のあり方を概観し、その意義・可能性を考える。
10タイトルまとめと試験
事前学習
事後学習
【事前学習】政策編(第2回~第9回)の内容の復習
授業内容・政策編(第2回~第9回)に関する内容をまとめるとともに、試験を実施する。
11タイトル観光関連計画の意義と目的/観光関連計画の歴史的変遷
事前学習
事後学習
【事前学習】観光政策科学入門(観光に関する機関・法・計画)の復習
【事後学習】観光関連計画の意義・目的・歴史的変遷に関する復習
授業内容・観光関連計画策定の意義・目的を概観するとともに、観光そのものの変化のなかで生じる観光関連計画の位置づけの変化を学ぶ。
12タイトル観光関連計画の概念と構造/内容構成と策定プロセス
事前学習
事後学習
【事前学習】観光政策科学入門(観光に関する機関・法・計画)の復習
【事後学習】観光関連計画の概念・構造に関する復習
授業内容・観光関連計画策定における考え方、構造等を学ぶ。
13タイトル都道府県・市町村の観光計画/<演習>市町村策定観光計画の分析
事前学習
事後学習
【事後学習】演習課題の実施
授業内容・都道府県・市町村における観光計画の策定状況等を検討したうえで、計画の意義等を学ぶ。
・演習課題として市町村策定の観光計画における構造の分析を実施する。
14タイトル<演習(発表)>市町村の計画分析
事前学習
事後学習
授業内容・前回及び授業後に実施した演習課題の発表を行い、各市町村の計画内容について参加者で議論、共有する。
15タイトルまとめ
事前学習
事後学習
【事前学習】計画編(第11回~第14回)の復習
授業内容・計画編及び講義全体のまとめをおこなう。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
独立行政法人の研究所にて文化遺産を中心とした地域資源の保全・継承とそのための計画策定等に関する調査研究・実務等に従事していた。また、現在も市町村との共同研究として、地域資源の調査及び計画策定に関する実務に従事している。こうした実務経験、実践的感覚を活かした授業を展開する。
<備考>
授業の具体的なスケジュールについては、受講者の関心・理解度等を踏まえ、変更する場合がある。