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授業科目名 観光資源保全・活用論
時間割番号 LST213
担当教員名 菊地 淑人
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
2年生以上
<授業の目的>
地域に所在するさまざまな資源(価値が顕在化していないものを含む)を、地域で継承し、また地域づくりのツールとして活かしていくことは、持続可能な地域社会を構築するうえでさまざまな可能性をもっている。そして、観光資源としての活用は、地域の持続可能性に貢献可能な手法のひとつとして理解できる。そして、国内においても地域資源の観光活用の取り組みが進むなかで、資源の保全と活用の好循環をいかに生み出し、適正なマネジメントを進めていくための理論と実践の追究が求められている。
本講義では、求められる地域資源の保全・継承及び活用のあり方について議論を深める。そのため、保全・活用に求められる理念・基本的考え方、価値評価・活用等のための具体的手法、法制度や政策的な考え方などの基本などについて修得することを目的に、多様な地域資源を対象に具体的な事例を交えて検討する。あわせて、複数回の演習作業を通じて、地域資源をめぐる状況やその活用手法等について理解を深める。

※本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「地域課題解決人材育成プログラム対象科目」である。
※本科目は、令和3年度以前の入学者に対しては「やまなし未来創造教育プログラム対象科目」である。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>地域社会システム学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
SS-A専門地域資源調査の理論と実践の基礎地域資源・産業に関する諸要素と、実態把捉のための調査・統計手法の基礎知識を修得し、これを用いて地域の現状を把握できる。
SS-B観光政策科学の基礎と発展観光産業、観光行政の仕組みやそれが地域経営に果たす役割を理解し、観光にかかわる国内外の市場や政策の分析、観光地経営や観光まちづくりに向けた計画の立案、観光経営の特徴や課題、展開について、基礎的な専門知識を用いて説明できる(観光政策科学特別コースに限る)
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
SS
1地域資源の保全継承のための法制度及び地域資源を活かしたまちづくり、観光地づくりへの展開について理解する。SS-B
2地域資源をめぐるさまざまな地域の先進的な取り組みについて理解し、その特徴を考察できる。SS-B
3地域資源の保全活用の状況や地域資源活用のためのアプローチについて、演習作業を通じて自ら分析し、その結果を的確に表現できる。SS-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力(試験)
230%講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力(試験)
330%演習作業・講義内容の理解度、プレゼンテーションスキル(演習課題・発表)
合計100% 
<授業の方法>
※※授業実施方法は2022年3月現在の予定であり、今後の状況で変更する可能性がある※※
本科目は、【面接授業】で実施する予定。教室換気のうえ、マスク着用・座席間隔の遵守などの感染対策を徹底すること。

スライド、映像等を用いた講義形式を基本に進める。なお、毎回の授業(演習回を覗く)では、講義内容に対する自らの考え方・質問・感想等を記載したリアクションペーパーの提出を求める(Moodle使用)。一部の回では、講義内容に関連する演習と発表を行い、実践的な能力を身につける。詳細は初回授業時に説明する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・「観光政策科学入門」「観光地形成論」「観光政策論」の知識を前提に講義を行うことから、当該科目を履修済であることが望ましい。
・レジュメの「行間」にある論理を意識して主体的に受講すること。オンライン受講などで「片手間」に履修した場合、十分な理解は難しく、単位取得が困難となる場合があるので十分に留意すること。

・『観光白書』は紙媒体あるいはデジタル媒体で随時参照できることが望ましい(紙媒体は書店にて購入可能。デジタル媒体は国土交通省ウェブサイトから入手可能)。
・問題意識をもって観光地を訪れる、あるいは関連する報道に注目するなど、観光関連の動向にアンテナを張り巡らすよう努めてほしい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 西村幸夫, 野澤康編, まちを読み解く : 景観・歴史・地域づくり, 朝倉書店, ISBN:4254266464
  2. 文化的景観学検討会編著, 地域のみかた : 文化的景観学のすすめ, 国立文化財機構奈良文化財研究所, ISBN:9784905338659
  3. 敷田麻実, 森重昌之編著, 地域資源を守っていかすエコツーリズム : 人と自然の共生システム, 講談社, ISBN:4061552309
  4. 松本茂章編著 ; 土屋隆英 [ほか] 著, 文化で地域をデザインする : 社会の課題と文化をつなぐ現場から, 学芸出版社, ISBN:9784761527303
  5. 国土交通省観光庁編, 観光白書 令和3年版, 日経印刷, ISBN:9784865792829
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス
事前学習
事後学習
授業内容・イントロダクションとして、地域資源の保全・活用の意義を考える。
2タイトル文化遺産/文化資源の保護活用に関する国内的な法・制度(1)
事前学習
事後学習
【事後学習】文化遺産/文化資源の保護・活用に関する法・施策とその変遷に関する復習
授業内容・保護・活用を取り巻く社会的変化を踏まえつつ、文化遺産/文化資源の保護・活用に関する法・施策を概観する。
3タイトル文化遺産/文化資源の保護活用に関する国内的な法・制度(2)
事前学習
事後学習
【事後学習】文化遺産/文化資源の保護・活用に関する法・施策とその変遷に関する復習
授業内容・保護・活用を取り巻く社会的変化を踏まえつつ、文化遺産/文化資源の保護・活用に関する法・施策を概観する。
4タイトル自然遺産/自然公園の保全活用に関する国内的な法・制度
事前学習
事後学習
【事後学習】自然遺産/自然公園の保全活用に関する国内的な法・制度に関する復習
授業内容・国立公園の保全及び観光活用に関する法・施策を概観し、その可能性と課題を考える。
5タイトル<演習>国立公園ステップアッププログラムにおける公園別の計画内容と成果
事前学習
事後学習
授業内容・国立公園ステップアッププログラム等を分析する演習課題を行うとともに、その成果を参加者で共有する。
6タイトル文化遺産、自然遺産の保護活用に関する国際的な制度(1)
事前学習
事後学習
【事後学習】文化遺産、自然遺産の保護活用に関する国際的な制度に関する復習
授業内容・世界遺産を中心とする国際的な保護制度及びそれらの特徴について概観する。
7タイトル文化遺産、自然遺産の保護活用に関する国際的な制度(2)
事前学習
事後学習
【事後学習】文化遺産、自然遺産の保護活用に関する国際的な制度に関する復習
授業内容・エコパーク、GIAHS等を中心とする国際的な保護制度及びそれらの特徴について概観する。
8タイトル地域資源の掘り起こし/文化的景観という地域のみかた
事前学習
事後学習
【事後学習】文化的景観という概念の復習
授業内容・地域資源の広がりを考えるとともに、地域の見方のひとつである文化的景観という概念について概観する。
9タイトル文化的景観に関する価値の調査と地域づくりへの展開
事前学習
事後学習
【事後学習】文化的景観の捉え方
授業内容・地域を文化的景観として理解するための手法や展開について、事例を交えて考える。
10タイトル<演習>文化的景観の事例と活かし方
事前学習
事後学習
授業内容・文化的景観として捉えることが可能な事例について具体的に整理・分析するとともに、成果を参加者で共有する。
11タイトルエコツーリズムの展開/農村観光の可能性と課題
事前学習
事後学習
【事後学習】エコツーリズム、農村観光の特徴に関する復習
授業内容・エコツーリズムに関する法や具体的取り組みについて概観する。
・農村観光の特徴や近年の施策の展開等について概観する。
12タイトル現代アートを活かした観光地域づくり/温泉資源の活用
事前学習
事後学習
【事後学習】現代アート、温泉地の観光資源としての特徴に関する復習
授業内容・現代アートを活かした観光地形成の可能性と課題について検討する。
・温泉地の特徴とそこに求められる課題について検討する。
13タイトル都市の観光と地域の文脈
事前学習
事後学習
【事後学習】都市観光に求められる地域資源の活用
授業内容・都市の観光における地域資源活用のあり方を概観する。
14タイトル<演習>観光資源の魅力をどう提示するか
事前学習
事後学習
授業内容・演習課題を通じて地域資源の観光資源としての展開について考える
15タイトルまとめと試験
事前学習
事後学習
【事前学習】講義内容全体の復習
授業内容・講義全体のまとめを踏まえ、試験を実施する。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
独立行政法人の研究所にて文化遺産を中心とした地域資源の保全・継承とそのための計画策定等に関する調査研究・実務等に従事していた。また、現在も市町村との共同研究として、地域資源の調査及び計画策定に関する実務に従事している。こうした実務経験、実践的感覚を活かした授業を展開する。
<備考>
授業の具体的なスケジュールについては、受講者の関心・理解度等を踏まえ、変更する場合がある。