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授業科目名 法律学概論
時間割番号 LSS104
担当教員名 石塚  迅/稲田 和也
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
生命環境学部地域社会システム学科1年生、および本科目の内容に関心をもつ者すべて
注意:コンピテンシー等が設定されていない学科の学生でも、
学生便覧の表記に基づき必要に応じて履修申告をしてください。
<授業の目的>
法律とは何か、法律は私たちの日常生活とどのように関わっているのか、について、具体的な裁判事例などを検討しつつ、制度・理論面と実践面の双方から学習する。すなわち、刑法・民法といった基本的な法分野、(裁判員制度を含む)司法制度を概説するとともに、死刑存廃論議、取り調べ可視化、製造物責任、敷金返還トラブル、児童虐待、夫婦別姓論議など、具体的なホットイシューを取りあげ、それらを法的側面から検討する。
この科目は、専門法律科目(民法、行政法、統治機構論等)への導入科目となる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>生命工学科向け
生命環境学部>地域社会システム学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
SS-A専門法律学の基礎と発展国家規範の構造・制定法の基礎にある様々な価値観や法の支配、適正手続、所有権の保護、契約自由等の法原理を理解したうえで、社会や地域の特徴を、法学的な観点から把握できる。
SS-B共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
SS-C汎用能力4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
SS
1法の支配、適正手続、所有権の保護、契約自由等の法原理を理解したうえで、社会や地域の特徴を、法学的な観点から把握できるようになること。SS-A
2法律学について、その重要な基礎的事項を説明できるようになること。SS-B
3法律学について、多面的・客観的に把握し、筋道を立てて根拠を示しながら説明できるようになること。SS-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
160%刑事法分野と民事法分野で、それぞれレポートまたは小テスト(もしくはその両方)を課し、法原理の理解、法的思考の涵養の如何を問う。
220%レポートでは、批判的分析力を問う。
320%レポートでは、文章表現力、論理的思考力を問う。
合計100% 
<授業の方法>
講義形式で行うが、随時、質疑応答、討論の時間も設けたい。受講生の興味関心に最大限配慮する。テキストに沿って授業を進めるが、必要に応じて参考資料やレジュメも配布する。
主に、刑事法と憲法の部分を石塚が担当し、民事法の部分を稲田が担当するという役割分担になると思う。

後期開講の授業なので、情勢は先行き不透明であり、方針を立てにくいが、現時点では対面授業を実施することを想定している。必要に応じて、「ライブ型オンライン授業」(Zoom、Teams等を利用)、「オンデマンド型オンライン授業」(Moodle、CNS等を利用)を併用することもありうる。
授業情報について、CNS・Moodleをこまめにチェックしてほしい。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
法律学についての基礎・専門知識を修得したい者、日常生活の中で様々な政治・経済・社会問題に興味をもっている者の受講を歓迎する。「刑法」が「憩法」に、「民法」が「眠法」に、「憲法」が「嫌法」にならないよう、感性に訴える授業を目指したい。授業での分かりにくい点や授業で取りあげてほしいテーマ等、希望・要望があれば遠慮なく申し出てほしい。
授業を妨害する行為に対しては厳しく対処する。
<テキスト>
  1. 松井茂記・松宮孝明・曽野和夫, はじめての法律学(第6版), 有斐閣,2020年, ISBN:9784641221604,
    (テキストは最新版を用意すること。)

  2. 「六法」を購入し持参することが望ましい。コンパクトなものでかまわない。例えば、以下のものがある。
  3. 佐伯仁志・大村敦志編集代表, ポケット六法(令和4年版), 有斐閣,2021年, ISBN:9784641009226,
    (2022年9月頃に令和5年版が刊行されるので、1年生はそちらを入手すること。)
<参考書>
  1. 野田進・松井茂記編著, 新・シネマで法学, 有斐閣,2014年, ISBN:9784641184190
  2. 市川正人・酒巻匡・山本和彦, 現代の裁判(第7版), 有斐閣,2017年, ISBN:9784641220959
  3. 副田隆重・浜村彰・棚村政行・武田万里子, ライフステージと法(第8版), 有斐閣,2020年, ISBN:9784641221437
  4. 阿古智子・石塚迅・山崎直也編, 東アジアの刑事司法、法教育、法意識―映画『それでもボクはやってない』海を渡る―, 現代人文社,2019年, ISBN:9784877987411
  5. 山崎聡一郎, こども六法, 弘文堂,2019年, ISBN:9784335357923,
    (その他、授業時に随時紹介する。)
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス(授業の進め方)
事前学習
事後学習
事前)シラバスの確認しておく
事後)ガイダンス事項の確認しておく
授業内容ガイダンス(授業の進め方)

第02回:法とは何か?(法と道徳、法の種類)
第03回:なぜ犯罪は処罰されなければならないのか?(刑法の基礎)
第04回:シネマで法律学
第05回:刑事裁判の進め方(刑事訴訟法の基礎(1))
第06回:刑事裁判の進め方(刑事訴訟法の基礎(2))
第07回:裁判を考える(司法制度の基礎)

第08回:民法の全体構造(民法の指導原理、民事裁判とADR、物権と債権)
第09回:不法行為と損害賠償(慰謝料、製造物責任)
第10回:私的自治と契約自由の原則(契約の構造、契約の成立要件・有効要件)
第11回:権利・義務の主体(権利能力、行為能力、法人、成年後見制度)
第12回:結婚・離婚と法(ストーカー規制法、夫婦別姓、DV法、慰謝料と養育費)
第13回:親の権利・子どもの権利(親権、児童虐待、養子、生殖医療技術の発達)

第14回:法を制定する・運用する・解釈する(統治機構の基礎)
第15回:多数者でも奪うことのできない権利(基本的人権の基礎)、まとめ(総括)

※受講生の興味関心に応じて、授業内容・進行については弾力的に対応したい。
 講義室の問題がなければ、法律学に関する映像資料も用いる予定である。
※第02~07回と第14・15回は石塚が、第08~13回は稲田が担当する予定である。
2タイトル法とは何か?(法学概論)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容法と道徳、法の種類、法の解釈について学ぶ。
3タイトルなぜ犯罪は処罰されなければならないのか?(刑法の基礎)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容刑罰の種類、刑罰の意味、罪刑法定主義、犯罪の構造について学ぶ。
4タイトルシネマで法律学
事前学習
事後学習
事前)映画で扱われる法的問題について事前に調べておく
事後)映画で扱われる法的問題について理解を深める
授業内容刑事法に関連する映像教材を鑑賞し、その内容について討論する。
5タイトル刑事裁判の進め方(刑事訴訟法の基礎(1))
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容刑事訴訟手続の流れ、捜査について学ぶ。
6タイトル刑事裁判の進め方(刑事訴訟法の基礎(2))
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容公訴、公判、上訴について学ぶ。
7タイトル裁判を考える(司法制度の基礎)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容裁判の種類、三審制、法曹三者について学ぶ。
8タイトル民事法編第1回(不法行為法前編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容不法行為の要件等の基本を学ぶ
9タイトル民事法編第2回(不法行為法後編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容自動車事故等の不法行為の基本を学ぶ
10タイトル民事法編第3回(契約法前編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容私的自治等の契約法の基本を学ぶ
11タイトル民事法編第4回(契約法後編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容債務不履行等の契約法の基本を学ぶ
12タイトル民事法編第5回(家族法前編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容親子等の家族法の基本を学ぶ
13タイトル民事法編第6回(家族法後編)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容婚姻離婚等の家族法の基本を学ぶ
14タイトル法を制定する・運用する・解釈する(統治機構の基礎)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容憲法と立憲主義、権力分立、国民主権について学ぶ。
15タイトル多数者でも奪うことのできない権利(基本的人権の基礎)、まとめ(総括)
事前学習
事後学習
事前)教科書の該当箇所を読んでおく
事後)授業の内容を整理しておく
授業内容人権の歴史、人権の体系・種類、自己決定権について学ぶ。
講義の総括・まとめを行う。
<備考>
(未登録)