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授業科目名 生化学II
時間割番号 LFS226
担当教員名 乙黒 美彩/斉藤 史恵/榎 真一
開講学期・曜日・時限 後期・金・II 単位数 2
<対象学生>
生命工学科2年次生、地域食物科学科2年次生
注意:コンピテンシー等が設定されていない学科の学生でも、
学生便覧の表記に基づき必要に応じて履修申告をしてください。
<授業の目的>
生化学における代謝について具体的に学ぶ。1年生後期に開講されている「基礎生化学」、2年生前期に開講されている「生化学I」で学んだ事を前提に、生体分子などが代謝によって合成・分解される過程、またそれらによりエネルギーを得る仕組みを包括的に理解し、説明できるようになる。
この講義で学んだ内容は、3年次以降履修する学生実験や、ひいては卒業論文執筆の基礎となる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>生命工学科向け
生命環境学部>地域食物科学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
FS-A専門食物に関して、原料から加工、栄養までの大きな流れを体系的に説明できる。
FS-B共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
FS-C様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
FS-D汎用能力4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
FS
1生化学の各代謝経路について理解するとともに、個々の代謝経路を1つの生物内でつながった全体像として描き、説明できるFS-A
2生化学の各代謝経路について物質レベルで理解し説明することができるFS-B
3生化学に関する学問分野の考え方を理解し、説明することができるFS-C
4生化学に関する課題を解決するために、様々な情報を整理し、道筋を立てて説明することができるFS-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
170%テスト・事前課題の提出状況、授業への取り組み、リアクションペーパーにより総合的に評価する
210%テスト・事前課題の提出状況、授業への取り組み、リアクションペーパーにより総合的に評価する
310%テスト・事前課題の提出状況、授業への取り組み、リアクションペーパーにより総合的に評価する
410%テスト・事前課題の提出状況、授業への取り組み、リアクションペーパーにより総合的に評価する
合計100% 
<授業の方法>
オムニバス形式の講義です。講義を中心とした学習を行いますが、事前課題や事後課題を毎回、もしくは教科書の章ごとに行います。また、講義5回ごとに1回(合計3回)の中間試験を行います。
講義は基本的には対面授業を予定していますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動指針のレベルに応じて、Web会議ツールを用いた双方向リアルタイム配信の場合もあります。
講義はパワーポイントスライドを使用しながら進めます。パワーポイントスライドを使用した講義は進度が早くなる可能性が考えられますので、できる限り教科書の読み込みにて予習を行い、不明な点などを明確にして講義に臨んでください。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
この講義は、基礎生化学及び生化学Iを履修している事を基本としています。
この講義で学ぶことは、今後行う実験などひいては卒業論文研究を理解し、考察する上で必要な知識となりますので、積極的に予習復習することが望ましいです。
質問や講義のやり方で改善してほしいところ等があれば、講義担当教員に積極的に連絡をください。
予習復習に関してですが、事前課題を中心に予習を特に重点的に行うことを勧めます。ある程度予習で教科書を読み込み予習ノートなどを作成し、講義中は必要・重要なところのメモを取る、という学習の方法を勧めます。
課題については講義で学んだ内容の復習として宿題(小テスト課題)を毎回もしくは章ごとに課します。講義終了の時に配布しますので、締め切りまでに担当教員まで提出することとします。
<テキスト>
  1. 田宮 信雄・他訳, ヴォート基礎生化学 第5版, 東京化学同人, ISBN:978-4-8079-0925-4
<参考書>
  1. 薗田 勝/ 編, 栄養科学イラストレイテッド 生化学, 羊土社, ISBN:978-4-7581-0873-7,
    (生化学について、簡潔に情報がまとまっていますので、要点の確認等する場合に参考になります。また、栄養学方面に興味のある学生は、こちらの教科書が参考になります。)

  2. 貴邑冨久子、根来英雄, シンプル生理学, 株式会社 南江堂, ISBN:978-4-524-24733-2,
    (ヒトの内分泌(ホルモン)や、血液凝固、栄養と代謝等の知識の補填に役立ちます。)
<授業計画の概要>
1タイトル第1回 : 代謝 代謝概説、高エネルギー化合物、酸化還元反応、代謝研究の実験法(乙黒)
事前学習
事後学習
事前課題をMoodleに掲載
授業内容生体がエネルギーを取り出すために分解する過程である異化と簡単な物質から生体分子を合成する過程である同化について理解する。また、ATPその他の化合物のエネルギー運搬の役割について説明できるようになる。
2タイトル第2回:グルコースの異化代謝 解糖の概要、反応、発酵、調節、ペントースリン酸経路(乙黒)
事前学習
事後学習
事前課題をMoodleに掲載
授業内容グルコースが分解される反応系列と関連酵素、解答経路の流量や最終生成物への代謝経路について学ぶ。また、他のヘキソースの異化代謝とペントースリン酸経路を考察する。
3タイトル第3回:グリコーゲンの代謝と糖新生(1) グリコーゲンの分解、グリコーゲン合成、グリコーゲン代謝制御(乙黒)
事前学習
事後学習
事前課題をMoodleに掲載
授業内容グルコース貯蔵体としてのグリコーゲンの重要性を学び、グリコーゲンの分解と合成の酵素反応における調節機構を理解する。
4タイトル第4回:グリコーゲンの代謝と糖新生(2) 糖新生、そのたの糖鎖整合性経路(乙黒)
事前学習
事後学習
事前課題をMoodleに掲載
授業内容グルコース合成過程である糖新生について学び、最後に合成と分解,解糖と糖新生の反応経路における調節機構について学ぶ。
5タイトル第5回:クエン酸サイクル TCAサイクルの概要,アセチルCoAの生成、TCAサイクルの諸酵素、調節,関連反応(乙黒)
事前学習
事後学習
事前課題をMoodleに掲載
授業内容クエン酸サイクルによる酸化反応を学び、ATP生産のメカニズムを概説する。また、サイクルの出発物質、アセチルCoAがピルビン酸から生じる反応についても学ぶ。
6タイトル第6回:電子伝達と酸化的リン酸化(1)ミトコンドリア、電子伝達(斉藤)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
リアクションペーパーを活用し、小テストと理解できなかった部分の再確認を行う。
授業内容ミトコンドリアの電子伝達系について学ぶ。真核生物におけるエネルギーの生産メカニズムを理解する。
7タイトル第7回:電子伝達と酸化的リン酸化(2)酸化的リン酸化、酸化的代謝の制御(斉藤)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
リアクションペーパーを活用し、小テストと理解できなかった部分の再確認を行う。
授業内容酸化的リン酸化の仕組みを理解する。活性酸素種による細胞の酸化障害について学ぶ。
8タイトル第8回:光合成 葉緑体、明反応、暗反応(斉藤)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
リアクションペーパーを活用し、小テストと理解できなかった部分の再確認を行う。
授業内容植物におけるエネルギー生産メカニズムを学ぶ。光エネルギーの化学エネルギーへの変換反応とカルビンサイクルによるCO2固定について理解する。
9タイトル第9回:脂質代謝(1)脂質の消化、吸収と輸送、脂肪酸の酸化、ケトン体(斉藤)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
リアクションペーパーを活用し、小テストと理解できなかった部分の再確認を行う。
授業内容脂質の性質について理解した後、生体内における消化、吸収、輸送メカニズムを学ぶ。脂肪酸のβ酸化についても学ぶ。
10タイトル第10回:脂質代謝(2)脂肪酸の生合成、脂肪酸代謝の調節、他の脂質の合成、コレステロール代謝(斉藤)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
第6回から10回の総復習を行い、講義内容の定着を図る。
授業内容脂肪酸の生合成経路および代謝の調節メカニズムについて学ぶ。またリン脂質やコレステロールの代謝系についても理解する。
11タイトル第11回:アミノ酸代謝(1)タンパク質分解、アミノ酸の脱アミノ、尿素サイクル、アミノ酸の分解(榎)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
Moodleに予習・復習向けの課題を掲示。
授業内容タンパク質の分解について概観を学んだ後、アミノ酸の脱アミノの方法、窒素を排泄するための尿素サイクルを学ぶ。また、動物の代謝エネルギーの10%~15%をまかなうアミノ酸の酸化分解についても学ぶ。
12タイトル第12回:アミノ酸代謝(2)アミノ酸の生合成、アミノ酸代謝の他の生成物、窒素固定(榎)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
Moodleに予習・復習向けの課題を掲示。
授業内容生体内で合成される非必須アミノ酸について学ぶ。非必須アミノ酸のそれぞれがどのような中間体を経て生合成されるのか、その過程を学ぶ。また、アミノ酸代謝の他の生成物として、ヘムや生理活性アミンの生合成について学ぶ。アミノ酸代謝の最後のトピックとして、大気中の窒素を生物が利用できる形に変える窒素固定についても学ぶ。
13タイトル第13回:哺乳類燃料分子の代謝:組織と調節(榎)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
Moodleに予習・復習向けの課題を掲示。
授業内容これまでに学んだ、糖、脂質、アミノ酸の代謝が分子レベルでどのように調節されているのか、様々な臓器や組織特有の代謝について学ぶ。また、細胞外のホルモンが細胞内へどのようにシグナルを伝えるのか、その機構についても学ぶ。
14タイトル第14回:ヌクレオチド代謝(1)プリンリボヌクレオチドの合成、ピリミ人ヌクレオチドの合成、デオキシリボヌクレオチドの生成、ヌクレオチドの分解(榎)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。
Moodleに予習・復習向けの課題を掲示。
授業内容ヌクレオチドを構成するプリン塩基とピリミジン塩基が生体内でどのように合成されるかその過程を学ぶとともに、プリンの再利用の仕組みについても学ぶ。リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドに変換される仕組みについて学び、ヌクレオチドが分解される過程を学ぶ。また、生物種によって異なるヌクレオチドの異化経路についても触れる。
15タイトル第15回:総括、まとめ(榎)
事前学習
事後学習
教科書の該当範囲を予習し、わからない部分をあらかじめ知る。Moodleに予習・復習向けの課題を掲示。
第11回からの総復習を行い、講義内容の定着を図る。
授業内容これまでの学習内容を体系的に学ぶ。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
一部の教員については独立行政法人などの研究機関で研究開発を行った経験を有しています。
<備考>
(未登録)