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授業科目名 バイオインフォマティクス
時間割番号 LBT315
担当教員名 幸田 尚
開講学期・曜日・時限 前期・月・II 単位数 2
<対象学生>
BT
<授業の目的>
生物学では実験科学が主要な部分を占めてきたが、近年ではDNAの配列情報をはじめとして大量のデータが蓄積されている。この講義では、いわゆるウェットな研究を行う者にとって必要とされるバイオインフォマティクス(ドライな研究)について基礎的な知識を理解する。また、実際に情報を自由に取得する方法を身に付け、簡単な取り扱いができることを目指す。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
生命環境学部>生命工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
BT-A専門理解・検証生命工学分野における情報をデータサイエンスの知識を用いてデータ収集から加工、解析する技術を習得している。
BT-B共通汎用能力3・数量的リテラシーさまざまな情報を統計学的手法などにより、数理的に表現・分析できる。
BT-C4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
生命環境学部>環境科学科向け
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
BT
1・生命科学分野における主要なデータベースについての知識を身につけ、記述する事ができること。BT-A
2・DNA配列やさまざまな遺伝子関連情報を取得する方法を身に付け、必要に応じて情報を取得できること。BT-B
3・現在のバイオインフォマティクスで「何ができるか」を記述する事ができること。BT-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%テストや課題において生命科学分野における主要なデータベースについての知識を身につけ、記述する事ができるかを評価する
230%テストや課題においてDNA配列やさまざまな遺伝子関連情報を取得する方法を身に付け、必要に応じて情報を取得できるかを評価する
330%テストや課題において現在のバイオインフォマティクスで「何ができるか」を記述する事ができるかを評価する
合計100% 
<授業の方法>
講義および演習形式で行う。実際に検索等を行う課題により情報の取得ができることを確認する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
コンピュータが苦手という生物系の学生にも必ず必要になるバイオインフォマティクスの知識を身につけられることを目指します。分子生物学全般の基礎的知識を前提としますが必要に応じて復習も行います。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. David W. Mount著 ; 香月祥太郎 [ほか] 訳, バイオインフォマティクス : ゲノム配列から機能解析へ 第2版, メディカル・サイエンス・インターナショナル, ISBN:4895924262,
    (2005年出版)
<授業計画の概要>
1タイトルバイオインフォマティクスとは・核酸、タンパク質の構造などについて
事前学習
事後学習
 
授業内容バイオインフォマティクスとはどのような学問分野であるのか、またその簡単な歴史と現況、今後の展望について概説します。特にDNAの配列情報のデータベースへの蓄積とその爆発的増加のもたらす意味について考えます。また、転写・翻訳の原理やDNAの構造についての知識は前提として必要なので、簡単に復習します。
2タイトルDNA配列情報のデータベースについて データの書式や関連情報
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います(20分)
授業内容DNA配列を扱う上でどのようなファイル形式でデータが扱われるかについて概説します。Genbankフォーマット、EMBLフォーマット、fastaフォーマット、fastqフォーマットなどについて解説します。また、データベースに配列を登録するのは研究者がそれぞれ自身の責任において行うものであり、配列の正確性等について注意すべきことなどについても触れたいと考えています。
3タイトルDNA、タンパク質の配列情報とその検索
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います(20分)
授業内容核酸の配列データベースで遺伝子名をキーワードにして配列情報を検索してみる。GenBankを直接検索するだけではなく、RefSeq配列を検索し、その違いについても確認します。
4タイトル相同性検索の原理・DNA配列情報の相同性検索
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する小テストを行います(20分)
授業内容核酸の配列の相同性を解析するアルゴリズムの原理を外観します。また核酸の配列データベースを相同性検索する方法を実際に試してみます。
5タイトルDNA、タンパク質配列情報の相同性検索
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容第4回の補足として、核酸の相同性検索の結果の見方や、オプションの使い方などを実際に試してみます。また、タンパク質の配列データに対してペプチド配列を使った相同性検索について説明するとともに、核酸の相同性検索との使い分けなどについてもお話しします。
6タイトルマルチプルアライメント・ゲノム情報のデータベース
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容タンパク質のアミノ酸配列を使った相同性検索について、核酸の配列の検索との使い分けや、結果から考察できることなどを第5回に引き続いて考えてみます。また、複数の配列を相同性をもとに最適に並べる「マルチプルアライメント」を行なってみます。
相同性検索とは別のトピックとして、ゲノム情報についてのデータの扱い方や実際のデータベースの閲覧について解説します。
7タイトル遺伝子発現データ
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容主に真核生物の遺伝子発現データのデータベースについて紹介します。また、データを取得する実験技術として、ESTをシーケンスする手法、CAGEやSAGE、次世代シーケンサーを用いたRNA-seqについても解説します。
8タイトルエピゲノム情報
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容真核細胞におけるエピジェネティクス修飾について概説するとともに、DNAのメチル化修飾やヒストン修飾の解析技術について触れる。最後にエピゲノムデータについてのデータベースについて解説します。
9タイトル遺伝子の機能とオントロジー解析
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容生物学的な語彙のデータベースであるGene Ontologyデータベースについて解説するとともに、遺伝子の機能との関連を解析するEnrichment解析について実習を行います。
10タイトル表現型と疾患関連のデータベース
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容表現型のデータベースとしてノックアウトマウスの表現型をNCBIのサーバーで閲覧する方法やJackson研究所のデータベースで調べる方法、変異を誘導したマウス系統の表現型をInternational Mouse Phenotype Consortiumで調べる方法を紹介します。また、遺伝病のデータベースとしてのOMIM、GWAS解析のデータを集めたGWAS Catalog、がんのデータベースであるTCGAについても解説します。
11タイトルタンパク質の立体構造
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容タンパク質の立体構造について復習するとともに、X線結晶回折やクライオ電子顕微鏡によって決定されたタンパク質の立体構造のデータベースであるPDBについて解説します。また、タンパク質の立体構造による相同性検索や立体構造の予測についても触れます。
12タイトル次世代シーケンサーの原理と大規模配列データ
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容いわゆる次世代シーケンサー(NGS)の原理について簡単に触れるとともに、よく使われるfastqやsam形式のファイルの定義を解説します。併せて、NGSからの出力などの大量のシーケンスデータを格納するSRAデータベースの紹介します。
13タイトルunixに触れてみる
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容PCのOSの種類とunixについて概説し、unixのターミナルからコマンドを入力して結果を表示することで、unix環境に触れてみます。
14タイトル統計解析プログラム言語Rを使ってみる
事前学習
事後学習
授業後、moodleを用いて講義内容の理解度を評価する課題を行います(20分)
授業内容Rという統計計算用のプログラミング環境に触れてみる。基本的な使い方と、生命科学分野のパッケージのレポジトリであるBioconductorについて解説します。
15タイトル総括と総合評価
事前学習
事後学習
 
授業内容バイオインフォマティクスの講義全体の振り返りと総括を行うとともに、講義全体の理解度を確認するためのテストを行う。
<備考>
(未登録)