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授業科目名 日本語の文法
時間割番号 EEJ161
担当教員名 仲本 康一郎
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 2
<対象学生>
日本語教員養成プログラムの選択必修科目です。
1-4年次
<授業の目的>
日本語教育で必要とされる日本語の文法を概観し、日本語教育を行うための素地を養うこと。日本語の基本文型、表現文型、品詞と活用などのテーマについて考察します。また、日本語学習者が困難を感じるハとガの用法、指示詞、接続表現、終助詞などのトピックをとりあげます。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1日本語文法の知見を活かし、文法的に考えることができるようになること。B
2日本語文法の知見を活かし、日本語教育に応用できるようになること。B
3外国語として日本語を見直し、世界の言語として日本語を位置づけられるようになること。A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語の文を文法的な観点から適切に分析し説明できること。
240%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語文法の知識を用いて、日本語指導や教材研究に応用できること。
320%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語の特徴を世界の言語と比べて適確に説明できること。
合計100% 
<授業の方法>
日本語の文法について、毎回異なるテーマを取り上げて議論します。
受講生とともに考えながら、授業を進めていこうと思います。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
いわゆる学校文法とは異なる、外国語としての日本語の文法を学習します。日本語を母語としない人にとって、日本語はどのような文法的特徴を持っているのかを考えていきます。文法の面白さ、難しさ、不思議さをともに味わってみませんか。
<テキスト>
  1. 国際交流基金著, 文法を教える : 実際の場面で使えるようになるために, ひつじ書房, ISBN:9784894763043,
    (国際交流基金日本語教授法シリーズ4)

  2. 国際交流基金著, 文字・語彙を教える, ひつじ書房, ISBN:9784894763036,
    (国際交流基金日本語教授法シリーズ3)
<参考書>
  1. 太田陽子編著, 超基礎 日本語教育のための日本語学, くろしお出版, ISBN:9784874248850
  2. 庵 功雄, 松岡 弘, 中西 久実子, 山田 敏弘, 高梨 信乃著, 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック, スリーエーネットワーク, ISBN:9784883191550
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス
事前学習
事後学習
日本語教育における文法の意義について考えること
授業内容日本語学、日本語文法、学校文法、非母語話者、解釈文法、表現文法
2タイトル文法とは何か
事前学習
事後学習
・日本語の教科書を参考に、日本語の文法について考えてくること
・日本語文法の骨格である基本文型、表現文型の違いを理解すること
授業内容基本文型、表現文型、文法関係、語順、品詞、活用、
3タイトル品詞と活用
事前学習
事後学習
・学校文法における日本語の品詞分類と活用について確認してくること
・日本語教育における品詞分類と活用について理解すること
授業内容主語・目的語、修飾語、規則動詞、不規則動詞、イ形容詞、ナ形容詞、テ形
4タイトル日本語の名詞
事前学習
事後学習
・英文法における名詞の類別について考えてくること
・日本語文法における名詞の分類について体系的に理解すること
授業内容存在動詞、類別詞、形式名詞、準体名詞、文末名詞、並列助詞
5タイトル日本語の格
事前学習
事後学習
・学校文法における日本語の助詞の種類を確認してくること
・日本語の格助詞の使い分けを具体例に沿って理解すること
授業内容格助詞、目的語、存在の場所、動作の場所、起点・経路・着点
6タイトル受身と使役ーヴォイス
事前学習
事後学習
・英語の受身形について能動文との違いから説明できるようにしてくること
・日本語の受身について直接受身と間接受身の違いを理解すること
授業内容自動詞・他動詞、受身形、直接受身、間接受身、使役表現
7タイトル日本語の時間ーテンス・アスペクト
事前学習
事後学習
・英語の進行形と完了形の違いを説明できるようにしてくること
・日本語のタ形とテイル形の意味・機能について具体的に理解すること
授業内容状態動詞、動作動詞、タ形、テイル形、複合動詞、補助動詞、
8タイトル日本語の心情ーモダリティ
事前学習
事後学習
・英文法における助動詞の種類について考えてくること
・日本語のモダリティの体系を具体例に沿って理解、説明すること
授業内容命題、モダリティ、義務と認識、証拠性、丁寧さ、終助詞
9タイトル主語と主題―ハとガ
事前学習
事後学習
・学校文法における日本語の主語の位置づけについて考えてくること
・ハの意味・機能を具体例に沿って理解、説明すること
授業内容主語と述語、主題と解説、主題表現、ピリオド越え、現象文、判断文
10タイトル日本語の取り立て
事前学習
事後学習
・古典文法における副助詞と係助詞の違いを確認してくること
・日本語の取り立て詞のバリエーションを理解すること
授業内容取り立て詞、スコープ、限定と累加、極限と評価、期待値
11タイトル修飾の文法―形容詞と副詞
事前学習
事後学習
・学校文法における形容詞と副詞の意味と機能について考えてくること
・日本語教育における形容詞と副詞の扱いを理解すること
授業内容連体と連用、属性形容詞、感情形容詞、程度副詞、時間副詞、陳述副詞
12タイトル視点の文法―指示詞の世界
事前学習
事後学習
・日本語と英語の指示詞の違いについて考えてくること
・日本語の指示詞の使い分けを具体的に沿って理解すること
授業内容外界指示、文脈指示、融合型・対立型、方向の表現、授受表現
13タイトル複文の構造――接続表現
事前学習
事後学習
・英文法における複文の種類や機能について考えてくること
・日本語の複文の種類や意味・機能を具体例に沿って理解すること
授業内容補文構造、連体修飾、陳述度・従属度、時間関係、因果関係、条件表現
14タイトル会話の文法―感動詞の世界
事前学習
事後学習
・日本語の感動詞のバリエーションについて考えてくること
・日本語の感動詞の意味と機能について具体的に説明すること
授業内容感動詞、応答表現、あいづち、探索表現、終助詞
15タイトル総括評価・まとめ
事前学習
事後学習
・これまでの授業をふりかえり復習をしてくること
・授業の全体をふりかえり学びの成果を確認すること
授業内容本授業の学びを総括し、授業のまとめと学習の評価を行う
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
日本語教師として、長年、留学生の日本語教育に携わってきました。また、文部科学省委託事業「外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修プログラム開発事業」に委員として参加し、カリキュラムの開発を行いました。
<備考>
(未登録)