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授業科目名 保育内容(環境)
時間割番号 EEI245
担当教員名 小西 貴士/芹澤 如比古
開講学期・曜日・時限 前期・木・V 単位数 2
<対象学生>
2020年度開講,隔年開講,
<授業の目的>
 ヒトが成熟してゆくためにはヒトとの関係性に依るところが大きいが、ヒト以外の生命や現象・事物との関係性に依るところも豊かな成熟のプロセスには欠かせない。したがって、保育者は幼児の年齢に応じた環境への関わり方を理解し、どのような環境が適切な保育・教育の場となるかを判断する能力が求められる。本講義では、文化環境・社会環境も含めた環境概念も念頭に置きながら、自然環境と幼児との関わりを主軸において解説するとともに、環境のなかで子どもが育つ保育について学ぶ。また,幼児を取り巻く環境について、動植物や自然現象、生命といった観点から理解し、そのうえで保育実践で多くみられる観察、飼育、栽培や図鑑の利用などといった活動の意義や限界、方法などについて学ぶ。散歩や野外活動といった実践のなかで子どもがどのように育つのか、保育者の役割として知っていなければならない基礎知識は何か、といった内容とともに、文化や伝統といった人間の営みとつながる保育の内容について考える。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心居住する地域の現状や課題などに関する高い関心をもっている。
B授業力・実践的技能教材研究や教材開発を進んで行うことができる。
C教材研究を生かした授業を構想して、指導案を作成することができる。
D教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1・身近な環境に幼児が親しみ、遊びながら、さまざまな事象に興味や関心をもてるような自然(生命活動や自然現象)について理解する。また、文化・社会環境と子どもの育ちの関連も理解する。D
2・環境のなかで子ども自身が感じ、考え、遊びや生活に取り込む筋道について理解する。C
3・身の周りの物事、状況、動植物などの性質や量などについて子どもが学んでいく筋道を理解する。A
4・以上の内容を、学生自ら発見し,創出するとともに,それらの情報共有を行い、保育者としての役割を理解する。B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%授業への意欲・態度・小課題
260%レポート
3%
4%
合計100% 
<授業の方法>
学びのスタイルとしては、座学のみならず、キャンパス内の環境を積極的に利用したり、映像を見たり、グループディスカッションで論じ合うことを主とするオムニバス形式。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
環境という非常に広範な領域を扱うことと、1・2年生混合のクラスとなることを鑑みて、教科書主体のレクチャーではなく、学生同士の対話やプレゼンテーションから考えるデザインの授業となります。リラックスしつつも積極的に授業に参加してください。
<テキスト>
  1. 久保健太, 高嶋景子, 宮里暁美編著, 保育内容「環境」, ミネルヴァ書房, ISBN:9784623090396,
    (2021年出版 新しい保育講座, 9)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル第1回:環境とはなんだろう?
事前学習
事後学習
教科書全体に目を通しておく
身の周りの環境を撮影してくる
授業内容・本授業全体のガイダンス
・環境とは何かを考えるワークとディスカッション
第4回 幼児を取り巻く環境:自然現象とは何か
第5回 幼児を取り巻く環境:生命にとっての多様性とは何か
第6回 保育者のための先行体験:観察と図鑑を考える
第7回 保育者のための先行体験:飼育と栽培を考える
第8回 保育者のための先行体験:お散歩を考える
第9回 環境の中での育ち:驚きの瞬間とあそびこむ時間(臨床の事例から)
第10回 自然と文化をつなぐもの:伝統・うた・ことば・かずの意義
第11回 保育者の質の向上としての自然認識: 生命としてのヒトを考える
第12回 保育者の質の向上としての自然認識: 地球規模の環境を考える
第13回 子どもの目線と大人の文化をつなぐ「環境」
第14回 「幼稚園教育要領」・「保育所保育指針」と保育内容「環境」について
第15回 まとめ
2タイトル第2回:子どもを取り巻く環境とはなんだろう?①
事前学習
事後学習
身の周りの環境を撮影してくる
園での一場面を想像して環境を描いてくる
授業内容・乳幼児にとっての環境の要点を探るワークとディスカッション
3タイトル第3回:子どもを取り巻く環境とはなんだろう?②
事前学習
事後学習
園にどのような環境が用意されているか書き出してくる
想像と実際の差異について考える
授業内容・実際に園の環境を見学することを通して、乳幼児にとっての環境の要点をディスカッションする
4タイトル第4回:モノとの関わりを通して生まれる育ちを考える
事前学習
事後学習
手作りおもちゃを作ってくる
モノとの関わりの要点について整理する
授業内容・自作のおもちゃをプレゼンテーションすることを通して、モノとの関わりの要点を探る
5タイトル第5回:自然との関わりを通して生まれる育ちを考える①
事前学習
事後学習
自然とは何か、マクロな視点で調べてくる
自然とは何か、要点について整理する
授業内容・自然とは何か、地球環境の理論について学ぶ
6タイトル第6回:自然との関わりを通して生まれる育ちを考える②
事前学習
事後学習
散歩コースを考えてくる
自然との関わりの要点について整理する
授業内容・散歩コースをプレゼンテーションすることを通して、自然との関わりの要点を探る
7タイトル第7回:社会との関わりを通して生まれる育ちを考える
事前学習
事後学習
散歩コースを考えてくる
社会との関わりの要点について整理する
授業内容・散歩コースをプレゼンテーションすることを通して、社会との関わりの要点を探る
8タイトル第8回:乳児保育における環境との関わりを考える
事前学習
事後学習
乳児期に特に大切にしたい環境について調べてくる
乳児保育における環境の要点について整理する
授業内容・乳児期特有の環境との関わりの大切さについて、実践事例を検討することで考える
9タイトル第9回:保育における「領域」の意義と領域「環境」のねらい及び内容
事前学習
事後学習
幼稚園教育要領・保育所保育指針の領域「環境」部分を読んでおく
領域「環境」の意義・ねらい・内容について要点をまとめる
授業内容・保育における「領域」の意義と領域「環境」のねらい及び内容についてのレクチャーとディスカッション
10タイトル第10回:様々な環境との関わりを支える保育の展開
事前学習
事後学習
ある保育の一場面における環境について考えてくる
考えてきたこととの差異について整理する
授業内容・関わりを支える保育をどう展開してゆくか、グループディスカッションを通して考える
11タイトル第11回:環境観を豊かにするために①
事前学習
事後学習
幼稚園教育要領解説・保育所保育指針解説の領域「環境」 内容(7)(8)を読んでくる
文字や数量・図形・標識などの環境についての要点を整理しておく
授業内容・文字や数量についての学びを、動画を視聴してディスカッションする
12タイトル第12回:環境観を豊かにするために②
事前学習
事後学習
事前に出される問いに対して考えてくる
小レポートを作成する
授業内容・動物の飼育環境の構成から、環境の構成とは何かをディスカッションする
13タイトル第13回:環境観を豊かにするために③
事前学習
事後学習
事前に出される問いに対して考えてくる
小レポートを作成する
授業内容・見える環境と、見えない環境について、感じながらディスカッションする
14タイトル第14回:保育環境を未来思考で考える①
事前学習
事後学習
事前に出される問いに対して考えてくる
小レポートを作成する
授業内容・持続可能な社会の実現と保育環境の関係についてのレクチャーを受けてディスカッションする
15タイトル第15回:保育環境を未来思考で考える②
事前学習
事後学習
事前に出される問いに対して考えてくる
学期末課題に取り組む
授業内容・持続可能な社会の実現に向けた、保育環境のアイディアをグループで検討する
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
環境教育施設としての自然学校で15年間、認可保育所で15年間、森林を育ち・学びの環境として教育実践を行なってきた経験から、保育環境を持続可能な社会が目指すところの環境として捉え実践につなげる要点を伝え、また共に考えてゆく。
<備考>
(未登録)