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授業科目名 継続観察実習
時間割番号 EED221
担当教員名 秋山 麻実/塚越 奈美/高橋 英児/岩井 哲雄/鴨川 明子/荻原 ひろみ
開講学期・曜日・時限 後期・水・I-II 単位数 2
<対象学生>
幼小発達教育コース
<授業の目的>
児童期以降の学校教育においては、各教科の目標や単元の目標をどのように達成するかに焦点を当てて、教師の力量や役割を説明されることが多い。「教師として子どもをどのように導くか」や「目標に適した授業をどのように構成するか」はもちろん重要なことだが、ともすると「未熟な子どもをどのように社会化するか(=子どもの行動をどうやって望ましいものに変えていくか)」が教師(大人)の役割であると考えたり、子ども一人一人の発達の様相や、思いや願いに目を向けることを軽視がちになる。
本来、保育・幼児教育は、子どもの主体的な活動(遊び)の中でおこなわれるものであり、子ども一人一人を丁寧に見ることが求められる。3年次の教育実習において保育者として子どもをどう導くかを考える前に、まずは子どもの視点に立ってその言動の理由を考え、子ども理解を深めることを身に付けてほしい。
そこで、幼稚園における幼児の姿を観察し、それについてのディスカッションを行うことで子ども理解を深めるとともに、理論学習や外部講師による講話などを通して、子どもの姿と保育理念や計画、方法、具体的な活動とのつながりについても理解を深め、自身の考えを持てるようになることを本授業の目的とする。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門教職教養教職の意義や職務内容、子どもに対する責務を理解している。
B子ども理解子どもたちの発達段階や生活年齢を考慮して、適切に接することができる。
C子どもの意思を真摯に受けとめ、受容的な態度で接することができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1(1)観察研究の課題を発見できる。B
2(2)観察研究の方法について、実際の観察を通して身に着けることができるようになる。B
3(3)幼稚園における子どもの生活・遊び・活動についての理解を深め、自分なりの言葉で説明できるようになる。A
4(4)子どもの心情や感覚、学びや取り組みの様子などを見取り、保育実践の現状とこれからに結びつけて考察できるようになる。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%レポート。課題意識をもって観察し、観察記録を期日までにレポートとして提出しているかを確認する。
220%討議。観察記録をもとに、子ども理解に努めて思考し討論に参加しているかを評価する。
320%課題の設定。観察や討議をもとに、毎回課題意識を持って観察に取り組んでいるかを評価する。
420%観察態度。子どもに配慮しながら、基本的な観察姿勢がとれているかを確認する。
合計100% 
<授業の方法>
今年度は学生を2グループ(A・B)に分け、さらにそのメンバーをクラス別に2~3名に振り分ける。Aグループ、Bグループともに二週連続で観察に入った後、グループごとに1回の検討会を挟む。その後は、Aグループ、Bグループが3回目の観察を行った後に、合同で検討会を実施する。検討会では子どもの気持ちや考え、育ちをどのように見取るかを学ぶ。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
「観察実習」とこの「継続観察実習」は別ですので、注意してください。
子どもの気持ち、考え、「つもり」を大切にし、理解することをこころがけてください。
<テキスト>
  1. 加藤繁美著, 対話的保育カリキュラム, 上 理論と構造, ひとなる書房, ISBN:4894641097,
    (2007年出版)
<参考書>
  1. 授業中に紹介する。
<授業計画の概要>
1タイトルオリエンテーション
事前学習
事後学習
継続観察実習の目的についての説明。
授業内容保育観察の基本的態度と方法について説明する。
2タイトル附属幼稚園事前見学
事前学習
事後学習
園庭や保育室の様子を確認し、観察に向けた準備をおこなう。
授業内容附属幼稚園から提供された映像で、園庭や保育室の様子を確認し、保育観察に向けた準備をおこなう。
3タイトルAグループ保育観察/Bグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Aグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Bグループは学習内容を振り返るとともに、Aグループの記録に目を通しておく。
授業内容Aグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Bグループは幼児の発達の様相を映像資料で確認する。
4タイトルAグループ保育観察/Bグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Aグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Bグループは学習内容を振り返るとともに、Aグループの記録に目を通しておく。
授業内容Aグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Bグループは幼児を対象とした手遊びや読み聞かせ等の練習をおこなう。
5タイトルBグループ保育観察/Aグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Bグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Aグループは学習内容を振り返るとともに、Bグループの記録に目を通しておく。
授業内容Bグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Aグループは観察と記録作成を通して気づいたことや考えたこと・疑問に思ったことなどについて議論する。
6タイトルBグループ保育観察/Aグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Bグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Aグループは学習内容を振り返るとともに、Bグループの記録に目を通しておく。
授業内容Bグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Aグループは幼児を対象とした手遊びや読み聞かせ等の練習をおこなう。
7タイトルAグループ保育観察/Bグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Aグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Bグループは学習内容を振り返るとともに、Aグループの記録に目を通しておく。
授業内容Aグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Bグループは観察と記録作成を通して気づいたことや考えたこと・疑問に思ったことなどについて議論する。
8タイトル理論学習会
事前学習
事後学習
学習内容を振り返る。
授業内容河崎道夫『発達を見る目を豊かに』ひとなる書房を読み合わせる。
9タイトルBグループ保育観察/Aグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Bグループは観察メモに基づき観察記録を作成し提出する。また、他の学生の記録にも目を通しておく。Aグループは学習内容を振り返るとともに、Bグループの記録に目を通しておく。
授業内容Bグループは附属幼稚園にて観察をおこない、観察メモに基づき観察記録を作成する。Aグループは以前に考えた手遊びや読み聞かせの内容を、観察した幼児の実態から修正し練習する。
10タイトル大学での学習(2限のみ:附属幼稚園副園長)
事前学習
事後学習
学習内容を振り返る。
授業内容1限:これまでの観察やグループ別検討会を通し、附属幼稚園の先生に質問したいことについて話し合う。2限:担当は附属幼稚園副園長。学生から提出された質問に回答いただくとともに、保育をおこなう上で附属幼稚園の先生方が大事にしていることについてお話しいただく。
11タイトル全体検討会
事前学習
事後学習
学習内容を振り返る。
授業内容A/Bが混ざるように2グループに分かれ、3回目の観察記録に基づいてカンファレンスを実施する。
12タイトルAグループ民間保育施設見学/Bグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Aグループは見学を通し気が付いたことをメモに残しておく。Bグループは学習内容を振り返る。
授業内容Aグループは幼児との交流を通し、子ども理解を深める。また、これまで準備した手遊びや読み聞かせ等を実施する。Bグループは以前に考えた手遊びや読み聞かせの内容を、観察した幼児の実態から修正し練習する。
13タイトルBグループ民間保育施設見学/Aグループ大学での学習
事前学習
事後学習
Bグループは見学を通し気が付いたことをメモに残しておく。Aグループは学習内容を振り返る。
授業内容Bグループは幼児との交流を通し、子ども理解を深める。また、これまで準備した手遊びや読み聞かせ等を実施する。Aグループは前回の園児との交流を通して感じたこと・考えたことに関する交流をおこなう。
14タイトル民間保育施設園長による講話
事前学習
事後学習
学習内容を振り返り、気づきや感想をメモに残しておく。
授業内容民間の保育施設園長をゲストティーチャーに招き、保育の課題や子どもとかかわる上で大事にしていることなどに関する講義を受ける。その後、質疑応答と講義に基づいた議論をおこなう。
15タイトルまとめ
事前学習
事後学習
レポートを執筆して提出する。
授業内容授業前と授業後の自身の変化について振り返る。また、子ども理解や実習に向けての自身の課題についても考える。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
本学部附属幼稚園副園長が、観察を通して出された学生から質問に回答する。また附属幼稚園が保育で大事にしていることについても話す。
<備考>
観察には人数制限がある。幼小発達教育コース以外の幼稚園免許取得希望者が受講する場合には、開講前に担当者に必ず履修について相談すること。