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授業科目名 国語科実践史演習I
時間割番号 EEC248
担当教員名 岩永 正史
開講学期・曜日・時限 前期・月・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
近代国語教育史を「実践」のレベルで検討する。児童文化史、国語教育制度史の中で、さまざまな実践に光を当て、その意味と課題を明確にする。国語科教育史研究の課題と現在の実践上の課題とを明確にすることをめざす。おもに明治からアジア・太平洋戦争敗戦期までを扱う。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門教職教養教育の理念や歴史、思想、制度などについての基礎的な知識を習得している。
B授業力・実践的技能教材研究や教材開発を進んで行うことができる。
C教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
D持続的変態力教師として学び続ける意志と課題探求力を身につけている。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1教育の内容、方法、制度を背景にある国際情勢、社会情勢、政治体制との関連において理解できるA
2国語科教育史に現れた種々の教材を分析し、現在の教材と比較しながらその特質を把握できるB
3国語科教育史の展望にもとづき現在のあるべき国語科の姿を考えることができるC
4国語科教育の将来のあり方を歴史的な視野のもとに把握し検討することができるD
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%歴史的事象を解釈する際に、教育への影響について、どのように言及しているか評価する
225%読み物、綴り方などの教材を分析し、現在の教材との比較においてその特質を指摘できたか否かを評価する
325%自身の実践のあり方を、各時代のそれと比較・検討したうえで見定めることができる
425%国語科教育の将来を、歴史的な視野の中で検討し、あるべき姿と避けるべきすがたを指摘することができる
合計100% 
<授業の方法>
CNS掲示で資料を配信し、ZOOMによる演習形式で行います。毎回、授業の問題把握のための予習課題と演習の理解を深める発展課題があります。復習課題は、CNS掲示のレスポンスに提出を求めます。なお、新型コロナの感染状況の変化によっては、対面授業への移行を検討します
<受講に際して・学生へのメッセージ>
「歴史に学び未来を照らす」
国語教育の仕事を歴史的に対象化する目を持った教師を育てたい。
国語教育で卒論を書く者は必ず履修すること。
参考文献は授業の進行にともなって指示します。
<テキスト>
  1. 田近・大熊・中村・塚田, 小学校国語科授業研究・第五版, 教育出版, ISBN:978-4-316-80465-1
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトル問題の把握
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容大学入試問題・国語の変遷を通して、国語科に求められる学力=国語科の姿は一様でないことを把握する
2タイトル近代国語教育史の概観
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容小学校国語科教科書(国定期から戦後の検定期)1年生の最初のページの比較を通して、国語科教育の歴史を概観する
3タイトル国定教科書以前の国語科教育
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容明治時代、初めてつくられた国語教科書や国語科の教科内容の検討を通し、近代の学校教育におけることばの教育の出発の困難さについて考察する
4タイトル「イエスシ読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第一期国定国語読本、通称「イエスシ讀本」の検討を通し、近代の学校の始まりとことばの教育について考察する
5タイトル「ハタタコ読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第二期国定国語読本、通称「ハタタコ讀本」の検討を通し、近代国家の形成とことばの教育について考察する
6タイトル作文指導をめぐる芦田・友納論争の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容国語教育史上、初めて起こった作文指導論争~芦田恵之助の「随意選題作文」と友納友次郎の「課題作文」の主張~の検討を通し、こどもが文章を書くことの指導について考察する
7タイトル「ハナハト読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第三期国定国語読本、通称「ハナハト讀本」の検討を通し、大正デモクラシーといわれる時代がことばの教育に与えた影響について考察する
8タイトル鈴木三重吉「赤い鳥」と児童文芸運動の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容作家・鈴木三重吉が純正なこどものための文学を与えることを目指して発刊した「赤い鳥」の作品(散文作品、詩、童謡、児童の投稿作文など)の検討を通し、その意義と限界、国語科教育への影響などについて考察する
9タイトル「サクラ読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第四期国定国語読本、通称「サクラ讀本」の検討を通し、日本が戦争に向かう時代の始まりがことばの教育に与えた影響について考察する
10タイトル読みの指導過程論・垣内・石山理論の検討
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容現代の国語科教育においても、一般的な読みの指導過程となっている三読法は、どのように成立したのか。垣内・石山理論の検討を通し、その理論的根拠と問題点について考察する
11タイトル生活綴り方運動の出発と国家による弾圧
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容戦争に向かう時代、児童の生活困窮の解決を目指して起こった生活綴り方運動の思想、児童の作品の検討を通し、文章を書くことと教育の関係、教育実践と国家との関わりについて考察する
12タイトル「アサヒ読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第五期国定国語読本、通称「アサヒ讀本」の検討を通し、アジア・太平洋戦争下・国民学校時代がことばの教育に与えた影響について考察する
13タイトル戦後国語教育の出発
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容墨塗教科書、暫定教科書や敗戦期矢継ぎ早に行われた教育改革を、戦前の教育と現代の教育を視野において検討し、その特質と問題点について考察する
14タイトル「みんないい子読本」の特色と評価
事前学習
事後学習
授業の問題把握のための予習課題
演習の理解を深める発展課題
授業内容第六期国定国語読本、通称「みんないい子読本」の検討を通し、経験主義国語教育と言われることばの教育のあり方について考察する
15タイトル総合討論
事前学習
事後学習
これまで扱ったテーマをより深く把握するための論文検索
近代国語教育史を視野においた現代のことばの教育についての意見発表
授業内容これまで取り上げたテーマに関する国語科教育学の論文を読んでその内容を報告するとともに、近代国語教育史を視野においた現代のことばの教育のあり方について議論する
<備考>
(未登録)