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授業科目名 博物館保存・修復論
時間割番号 EEC128
担当教員名 鈴木 稔
開講学期・曜日・時限 前期・金・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
博物館学芸員になるための授業です。資料の安全かつ長期安定的な保存は学芸員にとって最も基本的な使命です。この授業では博物館資料の材質・製作技法に関する基礎的な事項および資料の理化学的な調査法を理解することを第一の目標とします。次の目標は各種の劣化要因とそれぞれに対する抑制方法を学び,ミュージアムの収蔵・展示に関わる保存・修復技術について基本的な知識を身につけることです。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシー未選択
1将来博物館・美術館等の学芸員として仕事をすることを想定し、実践的な知識・技術が活用できること
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
1100%博物館の保存・修復についての正しい知識を持ち,かつ新規の課題に対して十分な対応力を持つことができるか否かを評価します
合計100% 
<授業の方法>
面接授業形式を基本とします(状況によっては変更の可能性あり,また博物館での保存実務上最も重要な単元が教育実習期間に重ならないように下記の授業計画を変更することがあります)。テキストは用いず毎回プリントを配布するとともに,事前にテキストをメールで配ります。この授業は実務を重視するので,器具,レプリカ,材料などの実物や,PC画像,映像などを適宜用います。参考図書リストは教場で配布します。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
博物館学芸員をめざすからには可能ならば機会あるごとにミュージアムを訪れてほしいものです。授業でもなるべく展覧会の紹介をする予定です。また,この授業では理系の用語が出てきてとまどうことがあるかもしれませんが,次の授業までにネットなどを使って検索しておくことが理解の大きな助けになります。分からないままにしないことが何より大切。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 石崎武志編著, 博物館資料保存論, 講談社, ISBN:9784061565036,
    (2012年出版 学芸員の現場で役立つ基礎と実践)
<授業計画の概要>
1タイトル1.博物館資料保存の意義
事前学習
事後学習
・事後学習として参考図書リストに目を通し,興味のあるものを図書館などでチェックしてください
授業内容・授業日程,授業形式,評価方法等に関するガイダンスを行います
・事前学習,事後学習の方法について説明します
・この授業で扱う博物館とは何か,博物館資料とは何かを説明します
2タイトル2.ミュージアムの現状
事前学習
事後学習
・授業前に国立社会保障・人口問題研究所のホームページを閲覧し概要を掴んでおいてください
・授業後の再び同研究所のページで自分の関心のある市町村の人口動態をチェックしてみましょう
授業内容・資料保存の観点から各種ミュージアムが共通して抱える問題点を説明します
・日本の人口減少が博物館に及ぼす影響について各自が意見をまとめてください
3タイトル3.古美術技法材料紹介1
事前学習
事後学習
・この授業では美術関連の用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・学芸員は伝統的な美術技法や材料について幅広い知識を持ち,説明できることが求められますが,その基本を説明します
4タイトル4.古美術技法材料紹介2
事前学習
事後学習
・この授業では美術関連の用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・学芸員は伝統的な美術技法や材料について幅広い知識を持ち,説明できることが求められますが,その基本,とくに材料について説明します
5タイトル5.保存と修復の歴史と基本理念
事前学習
事後学習
・事前に法隆寺金堂壁画,高松塚古墳壁画,システィーナ礼拝堂天井画などをネットなどで閲覧してください
・上記の絵画それぞれのエピソードについて調べてみましょう
授業内容・美術品の保存と修復の歴史について日本と西欧の状況を概観します
・日本とイタリアの壁画の保存と修復の問題点について考えてみます
6タイトル6.資料の劣化要因1
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・温湿度が博物館資料に及ぼす影響について説明します
・温湿度の測定・記録にあたって必要な操作方法を会得しましょう
・温湿度の制御について基本的な対処方法を覚えましょう
7タイトル7.資料の劣化要因2
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・赤外線,可視光線,紫外線などの「光」が博物館資料に及ぼす影響について説明します
・「光」の波長とエネルギーなどの性質について知り測定にあたって必要な操作方法を会得しましょう
・「光」の制御について基本的な対処方法を覚え,各種照明器具が使いこなせるようにしましょう
8タイトル8.資料の劣化要因3
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・カビ・虫・獣が博物館資料に及ぼす影響について説明します
・虫の採集・記録にあたって必要な検索方法を会得しましょう
・消毒と清掃,環境維持について基本的な対処方法を覚えましょう
9タイトル9.資料の劣化要因4
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・館内の有害ガスが博物館資料に及ぼす影響について説明します
・有害ガスの測定・記録にあたって必要な操作方法を会得しましょう
・展示ケース内の有害ガスの制御について基本的な対処方法を覚えましょう
10タイトル10.資料調査法1
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・博物館資料の構造調査法を中心にX線透過像,X線CT像,赤外線TV像について概説します
・上記の理化学的手法で得られた知見について各自がネットを利用して調べてみましょう
11タイトル11.資料調査法2
事前学習
事後学習
・この授業では理系的用語が多数出てくるので,授業前にテキストをチェックして調べておいてください
・よく分からなかった用語については授業後にネットなどで調べて知識を確かなものにしておきましょう
授業内容・博物館資料の材質・年代・産地調査法を中心に蛍光X線分析,走査型電子顕微鏡,質量分析などについて概説します
・上記の理化学的分析で得られた知見について各自がネットを利用して調べてみましょう
12タイトル12.美術館における資料保存の問題点
事前学習
事後学習
・事前にテキストをチェックして最近美術館の作品保存に関して話題になった事例を調べてください
・授業で出てきた意見について自分なりの考えをまとめておいてください
授業内容・資料保存・修復に関して美術館ならではの実際的問題点を現代に即して紹介し,各自の意見を求めます
13タイトル13. 歴史・考古・民俗系博物館における資料保存の問題点
事前学習
事後学習
・事前にテキストをチェックして最近文系の博物館の資料保存に関して話題になった事例を調べてください
・授業で出てきた意見について自分なりの考えをまとめておいてください
授業内容・資料保存・修復に関して歴史・考古・民俗系博物館ならではの実際的問題点を現代に即して紹介し,各自の意見を求めます
14タイトル14. 自然史・産業系博物館における資料保存の問題点
事前学習
事後学習
・事前にテキストをチェックして最近理系博物館の標本や資料に関して話題になった事例を調べてください
・授業で出てきた意見について自分なりの考えをまとめておいてください
授業内容・資料保存・修復に関して自然史・産業系博物館ならではの実際的問題点を現代に即して紹介し,各自の意見を求めます
15タイトル15. 地域の文化資源と博物館
事前学習
事後学習
・事前学習として,自分にとっての地元の「文化資源」とは何かを考えてきてください
・事後学習として,地元の博物館・資料館を訪問し地域の「文化資源」について学習してください(アフター・コロナの課題です)
授業内容・「地域の文化資源」とは何かを概説します
・人口減や人災・天災によって失われる「地域の文化資源」を保存し修復する一つの拠点として博物館を考え,50年,100年後の博物館像を話し合います
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
博物館学芸員として20年,また文化財の保存・修復担当者として30年の実務経験を持ち,理論と実務経験を活かして主として中小規模博物館で役立つ実践的な授業を行います
<備考>
(未登録)