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授業科目名 博物館概論
時間割番号 EEC127
担当教員名 鈴木 稔
開講学期・曜日・時限 前期・金・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
ここでいう博物館とは歴史博物館,美術館,科学館,動植物園,水族館等の総称です(授業ではミュージアムという語も用います)。授業は博物館の目的と機能,歴史,関係法規についての知識を身につける「基礎知識編」と,博物館の未来形について論議しながら考える「応用編」を組み合わせながら進めます。事前にネット閲覧などをしておくことで理解が深まります。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシー未選択
1博物館学芸員として要求される博物館学全般に関する基礎知識に応えられ,問題点を自発的に発見し,解決への道を探り出せること
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
1100%現在の博物館が抱えている課題を見出し,自分なりの解決策を提案できるか否かを評価します
合計100% 
<授業の方法>
面接授業形式を基本としますが,オンデマンド型も併用します。具体的にはテキスト及び課題を面接授業とメールの両方で伝え,課題の回答をメールで返信してもらいます(状況により面接授業ができない場合はメールのやり取りのみになります)。テキストは用いず毎回プリント及びメール添付で配布します。参考図書リストは授業中に配ります。具体的な論議ができるよう,PC画像,DVD映像,YouTube動画などを適宜用います。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
博物館は教育施設の一種です。ですから,学芸員はまず第一に教育の専門家でなければなりません。この原点に立ってみると現在のミュージアムには多くの問題があることが分かってくると思います。リアルなミュージアムに足を運ぶことが困難かもしれないので,YouTubeなどを紹介しますからあれこれ閲覧して視野を広げ,ほんの少し深く探ってみてください。視点を少し変えただけでさまざまなことが見えてくると思います。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 椎名仙卓著, 日本博物館成立史 : 博覧会から博物館へ, 雄山閣, ISBN:4639018924,
    (2005年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル1. ミュージアムの現在
事前学習
事後学習
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・授業日程,授業形式,評価方法などについてガイダンスを行います
・事前学習,事後学習の方法につて説明します
・第1回から第5回までが「基礎知識編」です
・コロナ禍前後の博物館の状況について説明し,オンラインの利用について考えます
2タイトル2. 日本の博物館の歴史
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・明治時代からの博物館の歴史を海外と比較します
・デジタル技術による高精細画像を博物館が利用している事例を取り上げます
3タイトル3. ミュージアムの分類と類縁機関
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・文科省の社会教育調査の結果を引用して博物館の現状をデータ面から考えます
・音楽ドキュメンタリー映画を題材に高齢者とミュージアムの関係を語り合いましょう
4タイトル4. 制度としてのミュージアムー博物館法の問題点
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・博物館法は学芸員としての必須知識ですから全体を眺めてみます
・近年博物館でも利用されている3Dプリントについてその可能性を考えます
5タイトル5. Vandalismー図書館・博物館の破壊
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・図書館や博物館は文明のシンボルでもあります。それに対する破壊行為について考えます
・話題になったバンクシーの「風船を持つ少女」を題材に日本と欧米の芸術に対する考え方の違いを検討します
6タイトル6. だれでもミュージアムの夢
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・第6回以降が「応用編」です。毎回,別の視点からミュージアムの未来とデジタル技術(特にアバターやNFTを念頭に)について考えていきます
・ミュージアムはだれでも利用できるか?この根本に立ち返って問題点を探り,ミニレポートに回答してもらいます
7タイトル7. LISとミュージアム
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・LISとはLocked-in Syndromeの略で,まるで潜水服を着せられているように全身の自由がきかない人たちがいます。その他にも病気や高齢の人たちとミュージアムの関係について考え,ミニレポートに回答してもらいます
8タイトル8. ミュージアムの五感補助機能
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・デジタル技術によって人間の五感(視覚,聴覚,味覚など)を補助・強化することが可能となってきました。この技術をミュージアムに応用することができるかを検討しミニレポートに回答してもらいます
9タイトル9. 過去をさかのぼる
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・博物館は多くの場合,過去を展示しているとも言えます。歴史博物館は数千年前,考古博物館は数万年前,化石博物館は数億年前。でもデジタル技術による仮想空間で過去を実感することができればもっと楽しそうですね。これについてアイデアを出し合いミニレポートに回答してもらいます。
10タイトル10. ダーク・ツーリズム
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・ダーク・ツーリズムとは人類の不幸な歴史をたどる「負の観光」です。場合によっては安全が確保されない場面もあるので仮想空間との組み合わせが有効です。どんな観光があったらよいか提案してミニレポートに回答してもらいます
11タイトル11. ミュージアムの内と外
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・仮想空間ミュージアムについて考えを整理してみます。アバターのように外側の仮想空間に飛び込んでいくことと自分専用の内なる仮想空間に「マイ・ミュージアム」を作ること,この両方向を基本として未来のミュージアムを構想してミニレポートに回答してもらいます。
12タイトル12. 双方向からコミュニティへ
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・リアルなミュージアムでは静粛を強制されますが,仮想空間ミュージアムではにぎやかなおしゃべりも可能かもしれません。「孤独な観客」が現在の博物館の常識ですが,対話の段階を経てついにはコミュニティを作れる時代が来るとしたらさぞ楽しいことでしょう。未来のにぎやかミュージアムの夢をミニレポートに回答してください。
13タイトル13. ミュージアムと知的財産
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・デジタル技術の発展にともなって知的財産の保護や活用が課題になりつつあります。流行の兆しを見せているNFT(non-fungible token)などの新技術がミュージアムの未来にどう関係するのか考えミニレポートに回答してもらいます
14タイトル14. ミュージアムは飛ぶ教室
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・ドイツの詩人・作家エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」にならってミュージアムと学校の教室の楽しい関係をどう作ろうか,アイデアを出し合ってミニレポートに回答してもらいます
15タイトル15. 社会の持続性とミュージアム
事前学習
事後学習
・事前学習:今回分のテキストを通読し,紹介している画像や動画を閲覧してください
・事後学習:ミニレポート課題をよく読みメールで回答してください
授業内容・人口減少や天災のために地域文化の貴重な遺産が危機にさらされています。リアルな博物館はそれらを守る拠点の一つですが,デジタル技術をこの目的のために役立てるにはどうしたらよいか,提案してミニレポートに回答してもらいます
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
博物館学芸員歴20年,大学博物館の開設にも構想段階から運営まで携わり,中小規模の博物館の経営実務・展覧会業務の経験を生かして実践的な授業を行います。
<備考>
(未登録)