山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 日本語教育概論
時間割番号 EEC113
担当教員名 仲本 康一郎
開講学期・曜日・時限 前期・火・I 単位数 2
<対象学生>
日本語教員養成プログラムの必修科目です。
1-4年次
<授業の目的>
日本語教育を取り巻く現状に対する認識を深め、日本語教育の総合的な知見を得ることを目的とします。具体的には、日本語教育の歴史と現状、日本語教育における学習内容、また異文化理解に関する諸問題を検討します。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1グローバルな観点から日本の地位を理解し、日本語教育の持つ意義について主体的に考えられるようになること。A
2日本語教育の歴史と現状を理解し、その現代的な課題は何かを主体的に考えられるようになること。B
3日本語教育の内容と方法を理解し、その実践について具体的に説明できるようになること・B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%【方法】記述式テスト等【観点】日本語教育の歴史と現状を理解し、その現代的な課題を説明できること。
240%【方法】記述式テスト等【観点】日本語教育の内容と方法を理解し、その実践について具体的に説明できること。
320%【方法】記述式テスト等【観点】世界の中の日本の地位を理解し、日本語教育と結びつけて説明できること。
合計100% 
<授業の方法>
日本語教育に関する現代的な課題について毎回異なるテーマを取り上げて議論します。授業は講義形式で行いますが、できるだけ受講生とともに考える時間を持ちたいと思っています。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
海外には日本語を学ぶ学習者がたくさんいます。また国内にも外国につながる人々やその子どもたちが大勢住んでいます。日本語教育はそういった人たちと交流したり支援ししたりするときの大切なツールとなります。
国内や海外で日本語教師になりたい人、外国人の子どもの教育に携わりたい人、国際交流に関心のある人、多文化社会の実現に向けて地域に貢献したい人、本学部の特色あるカリキュラム「日本語教員養成プログラム」への最初の一歩をこの科目からはじめてみませんか。
<テキスト>
  1. 森 篤嗣, 太田陽子, 奥野由紀子他著, 超基礎 日本語教育, くろしお出版, ISBN:9784874248034
<参考書>
  1. 鳰 貴子・松本恭子編著, 日本語教育への道しるべ 第1巻 ことばのまなび手を知る, 凡人社, ISBN:9784893589255
  2. 佐々木泰子編著, ベーシック日本語教育, ひつじ書房, ISBN:9784894762855
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス
事前学習
事後学習
・日本語教員養成プログラムの背景と目標を理解すること
・日本語教育概論の授業の概要を理解し、これからの学びの指針と計画を立てること
授業内容日本語教育、日本語教師、日本語学習者、青年海外協力隊、日本語教育能力検定試験
2タイトル世界の動向と日本語教育
事前学習
事後学習
・グローバル化する世界と日本の地位と役割について考えてくること
・世界における日本の地位を理解し、日本語教育の意義と役割について考えること
授業内容帝国・植民地、冷戦時代、グローバル化、ソフトパワー、ポップカルチャー
3タイトル国語教育と日本語教育
事前学習
事後学習
・国語教育と日本語教育の違いについて考えてくること
・国語教育と日本語教育を言語政策との関連で位置づけること
授業内容言語政策、国家語、公用語、言語帝国主義、国民教育、多文化教育、言語権
4タイトル日本語教育の歴史
事前学習
事後学習
・日本語教育はいつどのように始まったのかを考えてくること
・日本語教育の歴史的展開を社会の変化に位置づけて考えること
授業内容キリシタン、漂流民、留学生、宣教師、同化政策、大東亜共栄圏
5タイトル日本語教育の現状と課題
事前学習
事後学習
・日本語教育の現状と課題について調べて考えてくること
・学習者の多様化にともなう日本語教育の現状と課題について考えること
授業内容学習者の多様化、留学生・生活者・児童生徒、学校教育、日本語指導、海外の日本語教育
6タイトル日本語の特徴―日本語を考える
事前学習
事後学習
・英語から見た日本語の特徴について考えてくること
・日本語の特徴について、具体例を考えながらふりかえること
授業内容音節構造、アクセント、表音文字、表意文字、孤立語・屈折語・膠着語
7タイトル日本語の授業―日本語を教える
事前学習
事後学習
・国語の授業と英語の授業の違いについて考えてくること
・日本語の授業について、初級と中上級の違いをふりかえること
授業内容文型指導、コミュニケーション活動、直接法、モデル会話、タスク先行型、技能別学習
8タイトル教授法と学習支援
事前学習
事後学習
・英語の授業実践から指導法、学習法を体例を考えてくること
・日本語教授法の変遷をふりかえり、それぞれの指導の重点を理解すること
授業内容文法訳読法、コミュニケーション重視、内容重視、学習支援、自律学習
9タイトル異文化理解―言語行動
事前学習
事後学習
・日本語の言語行動の特徴を考えてくること
・日本語の言語行動の特徴を具体例に沿って説明すること
授業内容情報伝達、社会関係、待遇表現、あいまい表現、察しの文化
10タイトル異文化理解―非言語行動
事前学習
事後学習
・日本語の言語行動の特徴を考えてくること
・日本語の言語行動の特徴を具体例に沿って説明すること
授業内容身体慣用句、ジェスチャー、感情表示、表示ルール、時間と空間
11タイトル日本文化論の系譜
事前学習
事後学習
・日本の文化にはどのようなものがあるか考えてくること
・日本の文化的な特徴を構築主義の観点から再考すること
授業内容かくれた文化、甘えの構造、世間体、タテ社会、本質主義、構築主義
12タイトル日本の移民政策
事前学習
事後学習
・日本にはどのような外国人が暮らしているか考えてくること
・日本で暮らす外国人について、日本の移民政策から考えること
授業内容留学生教育、難民政策、日本語学校、外国人労働者、ニューカマー、入管法改正
13タイトル多文化共生―現状と課題
事前学習
事後学習
・日本の多文化共生の実践について考えてくること
・多文化共生の可能性を言語サービスの観点から具体的に考えること
授業内容国際移動、マイノリティ、排外主義、社会統合政策、地域日本語教室、やさしい日本語
14タイトル子どもの日本語教育
事前学習
事後学習
・外国人の子どもが日本の学校で直面する課題について考えてくること
授業内容複言語環境、学習言語、アイデンティティ、学校文化、教育格差、特別の教育課程
15タイトル総括評価・まとめ
事前学習
事後学習
・これまでの授業をふりかえり復習をしてくること
・授業の全体をふりかえり学びの成果を確認すること
授業内容本授業の学びを総括し、授業のまとめと学習の評価を行う
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
日本語教師として、長年、留学生の日本語教育に携わってきました。また、文部科学省委託事業「外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修プログラム開発事業」に委員として参加し、カリキュラムの開発を行いました。
<備考>
(未登録)