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授業科目名
神経科学
担当教員
喜多村 和郎/宇賀 貴紀/小泉 修一/大塚 稔久/成田 啓之/岩野 智彦/森 靖典/濱田 駿/地本 宗平/篠原 良章
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMB209 3 2 通期
<授業の概要>
神経系は、他の器官と異なり、個体が外界と作用するために発達した器官である。従来は、解剖学、生理学、生化学などの基礎医学体系の一部として学習されてきたが、近年、神経系に関する分野横断的研究が飛躍的に進展し、「神経科学(Neuroscience)」という、新たな学問体系が構築された。そこで、解剖学、生理学、生化学、薬理学に分散していた神経科学関連講義を集結し、旧来の学問体系を超えた総合的な理解を可能とするようなカリキュラムを準備した。本講では神経系の構造、機能、物質基盤を統合的に理解することを学習目標とする。様々な精神・神経疾患やその関連疾患を神経科学的視点で理解できる基盤を身につける。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
医学部>医学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門医学知識と問題対応能力
B生涯にわたってともに学ぶ姿勢
<到達目標>
目標NO説明コンピテンシーとの対応
医学
1神経系に関する主要な概念、主な神経回路や伝導路の構造と機能、神経系における分子、細胞、組織、臓器、機能システム及び個体の各階層での機能と階層化に伴う機能統合、および正常機能が障害をうけた時の臨床症状について論理的に説明できる。A
2中枢神経系とそれを取り巻く構造を三次元的に説明できる。A
3英語論文を読み、考察をレポートにまとめることで、最新の医学知識を手に入れ、情報を客観的・批判的に整理することができる。B
<成績評価方法>
目標No割合評価の観点
180%小テスト/期末試験で、神経系に関する主要な概念、主な神経回路や伝導路の構造と機能などについての理解度を評価する。
210%脳解剖実習試験で、中枢神経系とそれを取り巻く構造を三次元的に理解しているかを評価する。
310%論文読解後のレポートのまとめ方から情報を客観的・批判的に整理する能力を評価する。
合計100% 
<授業計画>
1: 9月 21日 (水) 時限 3 担当:篠原 神経科学概論
2: 9月 21日 (水) 時限 4 担当:岩野 神経系の発生
3: 9月 27日 (火) 時限 3 担当:成田 髄膜血管系の解剖(小テスト1)
4: 9月 27日 (火) 時限 4 担当:篠原 脊髄の解剖
5: 9月 28日 (水) 時限 1 担当:大塚 シナプスの微細形態
6: 9月 28日 (水) 時限 2 担当:濱田 シナプス伝達の生化学
7: 9月 29日 (木) 時限 3 担当:成田 脳幹の解剖1(小テスト2)
8: 9月 29日 (木) 時限 4 担当:成田 脳幹の解剖2
9: 10月 4日 (火) 時限 3 担当:篠原 脳神経の解剖1(小テスト3)
10: 10月 4日 (火) 時限 4 担当:篠原 脳神経の解剖2
11: 10月 5日 (水) 時限 1 担当:篠原 予備
12: 10月 5日 (水) 時限 2 担当:篠原 視床・内包の解剖(小テスト4)
13: 10月 5日 (水) 時限 3 担当:篠原 視覚系の解剖
14: 10月 5日 (水) 時限 4 担当:小泉 グリア細胞の特徴と機能
15: 10月 12日 (水) 時限 1 担当:宇賀 体性感覚の生理
16: 10月 12日 (水) 時限 2 担当:宇賀 平衡感覚の生理
17: 10月 12日 (水) 時限 3 担当:小泉 痛みの神経科学
18: 10月 12日 (水) 時限 4 担当:地本 音声・聴覚の生理
19: 10月 13日 (木) 時限 3 担当:篠原 大脳基底核の解剖(小テスト5)
20: 10月 13日 (木) 時限 4 担当:篠原 小脳の解剖
21: 10月 18日 (火) 時限 3 担当:篠原 大脳皮質の解剖1(小テスト6)
22: 10月 18日 (火) 時限 4 担当:岩野 大脳皮質の解剖2
23: 10月 19日 (水) 時限 1 担当:宇賀 視覚の生理1
24: 10月 19日 (水) 時限 2 担当:宇賀 視覚の生理2
25: 10月 20日 (木) 時限 1 担当:宇賀 味覚・嗅覚の生理
26: 10月 20日 (木) 時限 2 担当:喜多村 脊髄・反射の生理
27: 10月 25日 (火) 時限 1 担当:喜多村 大脳運動野の生理
28: 10月 25日 (火) 時限 2 担当:喜多村 大脳基底核の生理
29: 10月 26日 (水) 時限 1 担当:篠原 視床下部の解剖(小テスト7)
30: 10月 26日 (水) 時限 2 担当:篠原 大脳辺縁系の解剖
31: 11月 1日 (火) 時限 1 担当:喜多村 小脳の生理
32: 11月 1日 (火) 時限 2 担当:喜多村 脳波・睡眠
33: 11月 2日 (水) 時限 1 担当:篠原 解剖学分野期末試験
34: 11月 2日 (水) 時限 2 担当:宇賀 高次機能
35: 11月 22日 (火) 時限 1 担当:喜多村 感情
36: 11月 22日 (火) 時限 2 担当:喜多村 学習・記憶
37: 11月 24日 (木) 時限 1 担当:篠原 解剖学分野再試験
38: 11月 24日 (木) 時限 2 担当:喜多村 言語機能
39: 11月 29日 (火) 時限 1-2 担当:岡部(東大)特別講義(解剖)
40: 11月 30日 (水) 時限 1-2 担当:高橋(横市大)特別講義(生理)
41: 12月 2日 (金) 時限 1-2 担当:予備
42: 12月 6日 (火) 時限 1-2 担当:予備
43: 12月 7日 (水) 時限 1-2 担当:喜多村 生理学分野期末試験
44: 12月 9日 (金) 時限 1-2 担当:予備
45: 12月 13、14、16、20-23日 時限 1-2 担当: 論文読解
46: 1月 11日 (水) 時限 1-4 担当:予備
46: 1月 12日 (木) 時限 1-4 担当:篠原 脳解剖実習
47: 1月 13日 (金) 時限 1-4 担当:篠原 脳解剖実習(実習後テスト)

<実習について>
脳解剖実習を1月に行う。ホルマリン固定したヒト脳を解剖し、講義で学んだ構造相互の位置関係を3次元で学習し、画像診断学、脳神経外科学理解の基盤を構築する。実習の欠席は原則として認めない。

<出席調査>
1限9:00 、2限10 : 40、3限13:10、4限14 : 50までに着席すること。
2/3 以上の出席が必要。

<プリント配布>
講義に使用する資料は、CNSに掲示する。

<試験>
小テスト、期末試験及び再試験を行う。
講義の出席が2/3に満たないものは、受験を認めない(再試験も不可)。
選択式および記述式の問題を出題する。
期末試験で得点率15%未満のものは不合格とし、再試験の受験を認めない。

解剖学分野:
講義2コマ毎の確認小テストを7回、期末試験(11月2日)を1回行う。
原則として期末試験の得点で成績評価を行なうが、
成績が不良な者は小テストの成績も加味する。
期末試験の得点率が60%未満の者には、11月24日に再試験を課す。
1月の実習後に、実習内容の理解を問うテストを行う。

生理学分野(生化学、薬理学含む):期末試験を12月7日に、再試験を1-2月の定期試験期間に行う。

<進級の必要条件>
原則として、すべての試験において得点率60%以上で合格。
<教科書>
  1. Dale Purves et al., Neuroscience : 6th ed., Sinauer Associates, ISBN:9781605353807,
    (2018年出版)
<参考書>
  1. 寺島俊雄著, カラー図解神経解剖学講義ノート, 金芳堂, ISBN:9784765315067,
    (2011年出版)

  2. M.J.T. FitzGerald, Jean Folan-Curran著 ; 井出千束, 杉本哲夫, 車田正男訳, カラー臨床神経解剖学 : 機能的アプローチ, 西村書店, ISBN:4890133372,
    (2006年出版)

  3. 萬年甫, 原一之共著, 脳解剖学, 南江堂, ISBN:9784524201884,
    (1994年出版)

  4. Eric R. Kandel [ほか] 編, カンデル神経科学, メディカル・サイエンス・インターナショナル, ISBN:9784895927710,
    (2014年出版)

  5. 本間研一(監修), 標準生理学 第9版, 医学書院, ISBN:9784260034296,
    (2019年出版 Standard textbook)

  6. Todd W. Vanderah, Douglas J. Gould, Nolte's The human brain : an introduction to its functional anatomy pbk. : alk. paper 7th ed., Elsevier, ISBN:9781455728596,
    (2016年出版)

  7. 千田隆夫, 小村一也著, プラクティカル解剖実習脳, 丸善出版, ISBN:9784621086148,
    (2012年出版)
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
医師として実務経験のある教員が講義を行っている。