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授業科目名 ワークショップデザイン
時間割番号 CPYK14
担当教員名 田中 友悟
開講学期・曜日・時限 前期・(未登録)・(未登録) 単位数 2
<対象学生>
全学部生
<授業の目的>
この科目は「連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)」です。
授業の実施日については、大学ホームページ(https://www.yamanashi.ac.jp/campuslife/332)に掲載「教養教育連携開設科目履修ガイド」の令和4年度連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)一覧(PENTAS YAMANASHI )を確認してください。

ワークショップとは、「普段とは異なる視点をもって、創りながら学ぶ活動」のことを指します。近年では住民参加のまちづくりや、企業の新商品開発、組織のチームビルディングなど、様々な現場でその手法が採用されています。その実践にはすでに100年もの歴史があり、近代的なトップダウンに対するカウンターカルチャーとして発展を遂げてきた歴史があります。
複雑化する社会に向き合うためには、立場や主義主張を超えたコミュニケーションによる課題解決や新しい問題設定の力が必要となります。本科目は社会課題解決のためのコミュニケーション能力の習得を目的として、参加・共創型社会に求められるワークショップデザインの技術・姿勢を実践的に学び、効果的な対話の場をつくる能力を身につけます。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通汎用能力1・コミュニケーションスキル討議力他者の意見を的確に捉え、理解の深まりや内省につながる対話ができる。
B5・問題解決力課題設定力課題を明らかにし、解決すべき「問い」を立てることができる。
C構想力多様な解決方法を案出・検討し、適切な方法を選択できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1ワークショップという場の特性と場をデザインするファシリテーターの意義について理解できる。B
2場面にあわせて適切なコミュニーションの手順や環境を工夫できる力を身につける。C
3他者とのコミュニケーションから新しい気づきや発見を得ようとする姿勢を身につける。A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%講義最終課題で、適切な場をつくる技術・思考を評価する
240%演習時の課題(対話への参加、貢献度)でコミュニケーションの設計力を評価する
330%講義への参加態度(質疑応答、レポート)で、よいファシリテーションの姿勢を評価する
合計100% 
<授業の方法>
・コロナウイルス感染拡大の状況にあわせて一部オンラインを組み合わせた実施を検討しますが、基本は対面での授業となります。
・毎回振り返りシートを配布し、履修者の意見や質問に対する意見交換の時間をもうける双方向型の授業形式となります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
アフリカのことわざに「早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」という言葉があります。誰か一人の力による一点突破も重要ですが、これからの社会で求められるのは、人間やチームの多様性を活かした価値創出の能力です。本講義では、講義と演習をとおして実践的にワークショップのつくりかたを学び、年齢や立場を超えて異なる他者と共に学び高めあっていくための姿勢・技法をお伝えしたいと考えています。
日常での会議やミーティングをより良い場にしたい、複数人で行うプロジェクトのマネジメント力を高めたいという方はたくさんのヒントが得られるはずです。また、ワークショップをデザインするためには抽象的な思考が求められます。汎用的なスキルともいえる課題を整理する力や新しい問題設定の視点について関心がある方にもおすすめです。
<テキスト>
  1. 適宜プリントなどを配布します。
<参考書>
  1. 中野民夫著, ワークショップ : 新しい学びと創造の場, 岩波書店, ISBN:9784004307105,
    (2001年出版 岩波新書, 新赤版 710)

  2. 山内祐平, 森玲奈, 安斎勇樹著, ワークショップデザイン論 : 創ることで学ぶ, 慶應義塾大学出版会, ISBN:9784766420388,
    (2013年出版)

  3. 土山希美枝, 村田和代, 深尾昌峰共著, 対話と議論で「つなぎ・ひきだす」ファシリテート能力育成ハンドブック, 公人の友社, ISBN:9784875555889,
    (2011年出版 地域ガバナンスシステム・シリーズ, No.15)

  4. 安斎勇樹, 塩瀬隆之著, 問いのデザイン : 創造的対話のファシリテーション, 学芸出版社, ISBN:9784761527433,
    (2020年出版)

  5. 徳田太郎, 鈴木まり子著, ソーシャル・ファシリテーション : 「ともに社会をつくる関係」を育む技法, 北樹出版, ISBN:9784779306525,
    (2021年出版)
<授業計画の概要>
1タイトルオリエンテーション(VUCA時代に求められるコミュニケーション能力・講義の詳細)
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容第1回はスライドを用いた講義形式で進める。
2タイトルワークショップデザイン概論(ワークショップの特徴・歴史・理論的背景)
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
3タイトル演習「話し合いにデザインは必要なのか」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
4タイトルワークショップをデザインする①(ファシリテーターの役割と求められる姿勢)
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
5タイトル演習「ファシリテーターによる場づくりを観察する」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
6タイトルワークショップをデザインする②(ファシリテーターに求められる技術・手法)
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
7タイトル演習「対話のためのファシリテート実践」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
8タイトルワークショップをデザインする③(学びのプロセスを支える問いの力・よい問いとはなにか)
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
9タイトル演習「よい問いをつくるためのエクササイズ」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
10タイトルワークショップをデザインする④「ワークショッププログラムを構成する」
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
11タイトル演習「創発のためのファシリテーション実践」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容講義と演習を2コマセットにしてワークショップのノウハウを段階的に学ぶ。
12タイトルワークショップをデザインする⑤(地域からの問題提供・質疑応答)
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容実際の地域課題の現場からゲストをお招きし、課題の聞き取りと、ワークショッププログラムの作成を行う。
13タイトル演習「ワークショッププログラムを作成する」
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容実際の地域課題の現場からゲストをお招きし、課題の聞き取りと、ワークショッププログラムの作成を行う。
14タイトル実地演習「地域課題を考える地域ワークショップの企画運営」
事前学習
事後学習
・授業開始時に前回講義の振り返りを行います
授業内容地域現場(山梨市内)でのワークショップを受講生に企画運営いただき、実践的な場づくりを体験する。
15タイトル講義の振り返り
事前学習
事後学習
・授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容地域現場(山梨市内)でのワークショップを振り返り、よい場づくりに求められる要素を考える。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
教員の資格・職業・実務経験:
まちづくりのための事業開発を行うクリエイティブスタジオ Hasen inc 代表取締役/山梨の文化資源の発掘・発信を行う地域商社 山梨市ふるさと振興機構 代表理事/
大学院にて「まちづくりのプロセスとデザイン思想の関係」を研究(2015~2017)。主に京都、兵庫、山梨にて、まちの文化継承を目的とした調査、企画開発、事業運用までを一貫して担うまちづくり事業に従事(2015~現在)。その中でも10年以上の実践と探求を行なってきた対話の場づくりの経験から、実践的な技術とそれを支える姿勢をお伝えできればと思います。

方法:
実務経験で得たワークショップデザインやファシリテーションの知見を生かして、段階的にワークショップデザイン力を獲得できる講義と演習をセットで行い、最終的には自身で0から対話や価値創造の場をつくれるような思考方法をお伝えできればと思います。
<備考>
・授業は基本的に1日に2コマ連続で実施します。(※第1回は1コマ)
・毎回グループで演習を行うアクティブラーニング型の講義ですので、遅刻や無断欠席は厳禁です。
・最後の演習では、実際に地域の現場で対話の場づくりを行なっていただきます。積極的で前向きな参加をお願いします。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。