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授業科目名 人間と思想
分類人文科学
時間割番号 CACK08
担当教員名 橋爪 大輝
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
全学部生
<授業の目的>
この科目は「連携開設科目(主幹大学:山梨県立大学)」です。
思想は、生活に縁遠いものに見えるが、じつはそうではない。人間は生きているかぎり、ものを考え、思想を生み出す。それだけでなく、じつは知らず知らずのうちに思想によって生きている。
この講義では、私たちに身近な主題を取りあげ、いかにそれが思想と密接であるかということを学ぶ機会を提供したい。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
B批評力学んだ内容を自らの言葉で的確に論評・伝達できる。
C汎用能力4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
D5・問題解決力省察力取り組みを評価し、解決方法や計画を改善できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1さまざまな思想の内容を理解し習得すること。A
2獲得した知識と思考力をもちいて、常識等から距離をおいて批判的に見つめることができること。B
3物事を深く省察し、深い次元で捉えられるようになること。D
4思想の内容を論理的に再構成し、そのうえで自らの思考を論理的に積み重ねることができること。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
120%コメントシートより判定する。
240%レポートにより判定する。
320%レポートにより判定する。
420%レポートにより判定する。
合計100% 
<授業の方法>
基本的に、担当教員による講義が中心である。
各回の授業後にコメントシートを回収し、そのつぎの回に意見や質問などを取りあげ、回答する。
また、技術的に可能であれば、授業内でリアルタイムのアンケートを行うことで、受講生の意見を反映したい。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
質問には、授業内に(可能であれば)設ける質疑の時間に回答します。
また各回のコメントシートにたいして、つぎの回に回答します。
<テキスト>
  1. 教科書は指定しない。毎回講師作成の資料を配布する。
<参考書>
  1. 授業内で適宜紹介する。
<授業計画の概要>
1タイトルイントロダクション
事前学習
事後学習
「授業内容」で挙げている3つのテーマについて、基本的な意味を調べ、また自分なりにどう理解していたかを想起しておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容今年度のテーマ「労働」「社会」「正義」について、簡単に説明する。
2タイトル労働① 古代人は労働をどう捉えていたか
事前学習
事後学習
プラトンやアリストテレスについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容古代人にとって労働は「労苦」であり、「いとわしい」ものだった。いまとは異なる労働の捉え方を学ぶ。
3タイトル労働② 働くのは自分のため、社会のため?
事前学習
事後学習
ロックやスミス、ヘーゲルについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容労働するのは、自分のためなのだろうか、社会のためなのだろうか。労働で「自分のもの」を手に入れられたり、自己実現できたりする一方、労働は「他人のため」になにかを生み出すことでもある。
4タイトル労働③ 働くことのマイナス面は?
事前学習
事後学習
マルクスやウェーバー、アーレントについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容マルクスは、労働が「疎外」や「搾取」につながると考えた。またウェーバーは、労働が「義務」になってしまっていることを暴いた。こうした考えを学ぶ。
5タイトル労働④ 未来の労働はどうなっていくのだろう?
事前学習
事後学習
感情労働やAIについて、基本的な情報を事前に調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容労働は、肉体労働や知的労働ではなく、感情労働になっていたり、あるいはAIによって人間の労働が奪われるということもありうる。労働の未来像を考える。
6タイトル労働⑤ まとめ
事前学習
事後学習
これまでの内容を復習しておき、疑問点などをまとめておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、次のテーマである「社会」について、自分が考えていることを反省しておく。
授業内容2回~5回の内容を総括し、振りかえって、次回以降につなげていく。
7タイトル社会① 人間は社会的存在?
事前学習
事後学習
社会契約説について事典等でかんたんに調べておく。アリストテレスについては、以前取り上げた内容を思い出しておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容人間がなぜ社会を作って生きているのかを考えるために、アリストテレスやホッブズ、ルソーらの考えを学ぶ。
8タイトル社会② 社会のなかで、ひとは個性を失うのか?
事前学習
事後学習
ハイデガーやレーヴィットについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容人間は、ふだん社会のなかで他人と同じように行動する〈ひと〉になるのだ、というハイデガーの思想と、それに反論するレーヴィットの考えを学ぶ。
9タイトル社会③ 政治はなんのために?
事前学習
事後学習
アーレントやハーバーマスについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容政治は、人間が他人とともに生きざるをえないからこそ存在する。政治(公共性)にかんする哲学的な議論を学ぶ。
10タイトル社会④ まとめ
事前学習
事後学習
これまでの内容を復習しておき、疑問点などをまとめておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、次のテーマである「正義」について、自分が考えていることを反省しておく。
授業内容第7回~第9回の授業内容を総括し、人間が社会的存在であるということの意味を、あらためて考える。
11タイトル正義① 正義とはなにか?
事前学習
事後学習
「正義」ということばについて自分がもつイメージを整理しておく。そのうえで、百科事典等に依り「正義」ということばの意味をチェックしておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容現代日本では「正義の味方」「正義の暴走」というようなことばでしか聞かれなくなっている正義が、哲学の重要な概念であることを学ぶ。
12タイトル正義② 「各人に各人のものを」?
事前学習
事後学習
プラトンやアリストテレスについて、これまでに学んだことをかんたんに振りかえっておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容各人に、その者にふさわしいものを与えるという正義の根幹にある発想を、プラトンやアリストテレスといった古代の哲学者の思想をつうじて学ぶ。
13タイトル正義③ 資本主義に正義はあるか?
事前学習
事後学習
ロールズやノージックについて事典等でかんたんに調べておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、また授業内で取り上げた本について各自調べてみる。
授業内容「各人に各人のものを」という正義は、現代の資本主義社会では守られているといえるのか? ロールズやノージックといった哲学者たちの主張を理解する。
14タイトル正義④ まとめ
事前学習
事後学習
これまでの内容を復習しておき、疑問点などをまとめておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、次のテーマである「正義」について、自分が考えていることを反省しておく。
授業内容これまでの内容を復習しておき、疑問点などをまとめておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、次のテーマである「正義」について、自分が考えていることを反省しておく。
15タイトルまとめ
事前学習
事後学習
これまでの全14回の内容を復習しておき、疑問点などをまとめておく。
授業内容をノートやプリントで振りかえり、次のテーマである「正義」について、自分が考えていることを反省しておく。
授業内容「労働」「社会」「正義」の3つのテーマを思い出しつつ総括し、一見無関係に見えるこれらのテーマのあいだのつながりについて考える。
<備考>
(未登録)