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授業科目名
担当教員
組込みシステム
大渕 竜太郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCS321 2 (未登録) 3 前期 I
[概要]
現在,情報通信技術の中で最も注目されているのは,人工知能(AI)や機械学習(ML)の技術とIoT(モノのインターネット)技術である.IoT機器とは,例えば,スマートフォン,自動運転車,あるいはスマートスピーカーなど,インターネットに接続された広い意味での情報機器を指す.インターネットに繋がれたこれらIoT機器の数は既に世界の人口を超えた.社会に埋め込まれたこれらのIoTデバイスは,画像,位置情報,温度,等のデータを収集する.これらのデータは末端(エッジ)のIoTで深層学習などのエッジAIで処理されることもあれば,ゲートウェ経由でクラウドに送られてビッグデータとして処理される場合もある.処理された結果は,エアコンの起動,車のブレーキやかじ取り,スマートスピーカーからの音楽再生,などの形で環境・社会に影響を与える.
本講義では,IoTとは何かを概観したのち,IoTシステムにおけるクラウドとエッジの協同によるデータ処理の仕組み,およびそのデータのやり取りに必要な各種通信方式について学ぶ.次いで,IoTデバイスのプロセッサおよびOSと各種ソフトウェア・スタック,物理量と情報を変換するセンサとアクチュエータ,機械学習を含むデータ処理の方式について学ぶ.さらに,IoTシステムが避けて通れない情報セキュリティおよび機能安全,および保守・運用上の注意点について学ぶ.また,本科目と連携するTCS323「組込み情報処理実習」でも用いるRaspberry Piなどの開発ボードを用いたプロトタイピング開発についても触れる.

なお,本科目では,中間・期末の2回に代わり,3回の筆記テストを中心とした成績評価を行う.(以下の[評価方法・評価基準]では,その仕組み上3回の筆記テストの実施を記載ができないが,実際には3回のテストを行う.)
[具体的な達成目標]
(1)IoTシステムの概要と特性がを説明できる.
(2)IoTにおけるエッジとクラウドが連携したコンピューティング技術の概要について説明できる.
(3)IoT通信方式(エリアネットワーク,WAN)とデータ通信プロトコルの概要を説明できる.
(4)IoTデバイスのハードウェア(プロセッサ,センサ,アクチュエータ),およびセンサの信号処理方式(エッジAIを含む)の概要を説明できる.
(5)IoTシステムのセキュリティと機能安全の概要に説明できる.
(6)IoTシステムのプロトタイプ開発手法および開発事例について説明できる.
[必要知識・準備]
コンピュータのハードウェア,プログラミング,およびオペレーティングシステム関する基礎的な知識があること.
関連の深い先行科目である「計算機アーキテクチャーI」,「ハードウェア基礎実験」,「プログラミング基礎」,「プログラミング応用」,「オペレーティングシステム」,の単位を修得していることが望ましい.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 45  %IoTのハードウェア,ソフトウェア,セキュリティと機能安全,およびプロトタイピング開発について理解しているか. 
2試験:中間期 45  %IoTシステムの概要,構成要素(エッジ,クラウド,ゲートウェイ),通信方法(LAN,WAN)とそれらにおけるデータ処理方法について理解しているか. 
3小テスト/レポート 10  %IoTシステムの設計・開発・保守・運用の実例を知っているか. 
[教科書]
  1. MCPC監修, IoT技術テキスト 第2版 ─MCPC IoTシステム技術検定 中級対応─, リックテレコム, ISBN:978-4-86594-165-4
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
1. IoTの概要,IoTシステムの構成
2. IoTコンピューティング技術(クラウド,エッジ,ゲートウェイ)
3. IoTデータ活用技術,データ分析・処理手法
4. IoT通信方式,エリアネットワーク,WAN,プロトコル
5. 評価1,ケーススタディ1
6. IoTデバイス,IoTデバイスの基本構成
7. プロセッサとMCU
8. OSとソフトウェアスタック
9. 各種センサとアクチュエータ
10. センサの信号処理,画像認識と機械学習
11. 評価2,ケーススタディ2
12. IoTのプロトタイピング開発
13. IoTのセキュリテイと機能安全
14. IoTシステムの保守・運用上の注意
15. 評価3,ケーススタディ3
[教育方法]
できるだけ,IoTとAIをめぐる新しい話題,例えば「自動運転車」「AIと偏見」などを講義に取り込み,興味を持たせる共に考えさせるようにしている.
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
担当教員は情報系企業の基礎研究所においてグラフィックス描画用等のハードウェアの設計開発に携わり,またそれらハードウェアのファームウェア,ソフトウェア開発も行った経験を持つ.
これらの経験をもとに,ハードウェアとソフトウェアの境界をやりくりしつつ設計開発実装されることの多い組込みシステムの考え方を伝える.さらに,急速に拡がりつつある物のインターネット(IoT),担当教員の研究対象であるAIや機械学習,等の新しい流れを取り込んだ組込みシステムの授業を行う.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)