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授業科目名
担当教員
基礎統計学
舛谷 敬一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCE103 2 (未登録) 1 前期 IV
[概要]
基礎統計学は、土木環境工学における基礎科目として確率・統計の基礎理論を習得するための重要な科目である。土木環境工学は、自然との調和に根ざした安全でより快適な生活環境の創造のための工学的素養と技術を扱う学問であるが、確率・統計の基礎理論は、その中で自然現象の的確な把握、構造物の応答特性、そして人間の意識評価といった様々な局面で客観的な判断を下すのに不可欠な工学的手法の一つである。基礎統計学では、この確率・統計の基礎理論について、まず確率論の基礎から始め、確率変数、確率分布の順序に従い学習する。次に、データを用いて母集団の特性を推測し、ある特性について統計的に確かであるか、また二つの事象に関係があるのかなどについてどのように確かめることができるかを学ぶ。このような学習を通じて、様々な情報を統計学的手法により、数理的に表現・分析できるようになる。
[具体的な達成目標]
1.相対度数分布表とヒストグラムをつくることができる。
2.標本分布の特性値である中央値、最頻値、平均、分散、標準偏差、変動係数を理解し、求めることができる。
3.二項分布、ポアソン分布、正規分布といった確率分布を理解し、応用することができる。
4.母平均や母標準偏差をデータから推定できる。
5.母平均や母標準偏差に関する仮説検定ができる。
6.簡単な例につき、相関分析や回帰分析ができる。
[必要知識・準備]
基礎統計学の受講に際しては、高校レベルの確率に関する基礎知識を習得できていることが望ましい。ただし、この点は個人差があるため、講義の初めの段階では、そのレベルの基礎知識に関する復習・確認を行うこととし、その間に基礎統計学における必要知識のレベルを調整する。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %達成目標5〜6に関する問題が解けるか 
2試験:中間期 60  %達成目標1〜4に関する問題が解けるか 
3小テスト/レポート 10  %各講義の最後に行う演習でその回の達成目標が達成できているか 
[教科書]
  1. 鳥居泰彦, はじめての統計学, 日本経済新聞社, ISBN:4532130743
[参考書]
  1. 特に指定しません.
[講義項目]
1.統計論の基礎:統計学とはどのような学問かを説明できる
2.統計論の基礎:標本分布の特性値を計算できる
3.確率と確率分布:確率とは何かが説明できる
          確率変数と確率分布の意味を説明できる
          二項分布とポアソン分布の性質を説明でき、これを利用できる。
4.確率と確率分布:一様分布と正規分布の性質を説明でき、これを利用できる。
5.第1〜4回に関する演習
6.中間評価(達成目標1〜3に関する問題)と中間のまとめ
7.母平均の推定:データから正規分布を用いて母平均を推定できる
8.母平均の推定:データからt分布を用いて母平均を推定できる
9.母標準偏差の推定:データからχ2分布を用いて母標準偏差を推定できる
10. 第7〜9回に関する演習
11. 中間評価(達成目標4に関する問題)と中間のまとめ
  仮説検定:仮説検定の意味を説明できる
12.仮説検定:母平均に関する仮説検定ができる
       母標準偏差に関する仮説検定ができる
13.相関分析と回帰分析:相関係数や回帰直線を求めることができる
14.第11〜13回に関する演習
15.総括評価(達成目標5〜6に関する問題)・全体のまとめ

予習:教科書の該当箇所を事前に学習し、わからない点を明確にしておくこと。
復習:教科書の例題や演習問題を自力でもう一度解いて理解を定着させること。
[教育方法]
教科書に従いながら講義を行う。教科書の例題を説明した後で、演習問題を自分の力で解くという形式をとる。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《土木環境工学科》
(B) 技術者としての知的基盤の形成
 科学技術における基礎としての数学、自然科学、情報処理能力を身につけ、知的基盤を形成して、これを応用することができる。
[その他]
本授業科目は、以下のような位置づけである。
「基礎統計学」→ 計画学基礎及び演習 → 各専門科目