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授業科目名
社会環境医学
担当教員
山縣 然太朗
時間割番号
単位数
履修年次
期別
M000443 3 4 前期
[学習目標]
(1)一般目標(GIO)
医師として公衆衛生の場で対応できる思考力の涵養と態度、すなわち、Public Health Mindを身につけ、実践できる。
※本授業科目は、「COCコース別専門科目」
[授業計画
(2)行動目標(SBOs)
1)公衆衛生に関する知識を習得する。
公衆衛生学分野の対人保健サービスに関する事項を、予防医学の視点から、すなわち、疾病にかからないための健康増進(一次予防)、早期発見早期治療(二次予防)、
さらに、疾患を持つものの機能回復、社会復帰(三次予防)の視点から保健・医療・福祉を総合的に学ぶ。
具体的な項目は下記のとおりであり、到達目標は評価のところに示した。
公衆衛生学の歴史と業績、新しい保健学、地域医療学、保健統計の主要指標、衛生行政 健康増進、母子保健、学校保健、老人保健、精神保健、産業保健、感染症、国際保健、
エイズ、難病、医療対策、医療費、医療保障、保健関連法規、介護保険、Evidence-based Medicine
2)公衆衛生に必要な技能を修得する。
EBM(Evidence-based Medicine)に対応できる資料収集および判断能力の育成とともに、論理的思考能力、表現能力などのデベート能力の向上を図ることを目的に討論会を
実施する。
1グループ4人で進行班、賛成班、反対班が一つのテーマについて担当する。
各討論終了後にデベートの勝敗および各自のテーマに対する意見をレポートする。
[到達目標]
1.健康、障害と疾病の概念を説明できる。
2.日本の衛生行政の組織について述べることができる。
3.医師法と医療法を概説できる。
4.医療関連法規に定められた医師の義務を列挙できる。
5.人口静態統計と人口動態統計を説明できる。
6.健康危機管理について説明できる。
7.地域保健法について基本的な考え方を述べることができる。
8.地域保健(母子保健、老人保健、精神保健、学校保健)を概説できる。
9.産業保健を概説できる。
10.公害について、具体例を挙げて概説できる。
11.社会構造(家族、コミュニティ、地域杜会、国際化)と健康・疾病との関係を概説できる。
12.地域医療の機能と体制(地域保健医療計画、救急医療、災害医療、へき地医療、
在宅ターミナル)を説明できる。
13.保健所と市町村の業務についてその役割分担を中心に列挙できる。
14.世界保健機構の活動の支柱となっているプライマリーヘルスケアを簡潔に説明できる。
15.プライマリーヘルスケアを担う医師に求められる役割とはなにか説明できる。
16.母子保健の水準を示す指標で重要なものを8つ示し、そのうち2つについて最近の動向を概説できる。
17.学校医の役割について述べることができる。
18.日本人の死因の推移について説明できる。
19.がんの統計について最近の動向を概説できる。
20.生活習慣病の概念を説明し、この名称の導入の意義を述べることができる。
21.疾病の定義、分類と国際疾病分類(ICD)を説明できる。
22.疾病・有病・障害統計、年齢調整率と標準化死亡比SMRを説明できる。
23.疫学の概念と疫学の諸指標について説明できる。
24.予防医学(一、二、三次予防)を概説できる。
25.生活習慣に関連した疾病を列挙できる。
26.生活習慣と肥満・高脂血症・動脈硬化の関係を説明できる。
27.生活習慣と糖尿病の関係を説明できる。
28.生活習慣と高血圧の関係を説明できる。
29.生活習慣とがんの関係を説明できる。
30.喫煙と疾病の関係と禁煙指導を説明できる。
31.日本における社会保障制度を説明できる。
32.高齢者福祉と高齢者医療の特徴を説明できる。
33.老人保健法の保健事業を列挙し、簡潔に説明できる。
34.老人保健施設について、他の老人施設との比較で、説明できる。
35.任意入院、措置入院、医療保護入院をそれぞれ簡潔に説明できる。
36.ノーマライゼイションとはなにか、説明できる。
37.日本におけるHIV感染者、AIDS患者数の年次推移について説明できる。
38.結核緊急事態宣言とはなにか、説明できる。
39.予防接種法について平成6年改正のポイント述べることができる。
40.日本の医療保険、公費医療を説明できる。
41.医療費の収支を将来予想を概説できる。
42.高齢者福祉と高齢者医療の特徴を説明できる。
43.老人医療制度の対象者と費用負担について述べることができる
44.介護保険制度の第1号被保険者、第2号被保険者とはなにか。対象者と受給権者、
保険料負担について述べることができる。
45.なぜ、いま、EBMの重要性が指摘されているのかを説明できる。
46.患者による医療の評価の重要性を説明できる。
47.ヒトゲノム計画は社会とどのような接点をもつか、考えを述べることができる。
48.健康政策立案の方法を概説できる。
49.健康日本21とはなにか、説明できる。
50.健やか親子21とは何かを説明できる。
51.Population strategyとHigh risk strategyの違いが説明できる。
52.医療の質の評価(質の定義、クリティカル・パス)を説明できる。
53.情報管理の原則(情報公開、プライバシー保護、取り扱い倫理、セキュリティー)を説明できる。
54.医療で扱う診療諸記録の種類を説明できる。
55.診療録の特徴と要件を列挙できる。
56.副作用報告と有害事象報告の意義を説明できる。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
医師として実務経験のある教員が、実践的な講義を行っている。
[評価方法]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %知識の確認 
2試験:中間期 10  %知識の確認 
3小テスト/レポート 20  %問題解決能力 
4発表/表現等 20  %医療問題に対する知識と深い考察、およびディベート能力 
[教科書]
  1. 国民衛生の動向, 厚生統計協会,
    (必須である 最新版を用いること)
[参考書]
  1. 山縣然太朗ほか, 図説 国民衛生の動向, 厚生労働統計協会,
    (毎年最新号が出るのでそれを使用すること)

  2. NEW予防医学・公衆衛生学, 南江堂, ISBN:978-4-524-25116-2
  3. 中村好一, 基礎から学ぶ楽しい疫学, 医学書院, ISBN:978-4-260-01669-8