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授業科目名 基礎有機化学
時間割番号 LSC109
担当教員名 新森 英之
開講学期・曜日・時限 後期・木・IV 単位数 2
<対象学生>
BT
<授業の目的および概要>
有機化学を学習することは、生物科学の根源を理解する上で必須である。本講義では、分子レベルでの反応を正確に理解する基礎を目標に授業を行う。化合物の性質、命名、反応性を具体的な化合物を通して理解する。これと同時に生命科学を学ぶ上で必須の有機化学的な知識に的を絞って学習する。
<到達目標>
1.有機化学と生物科学の関係を学ぶ。
2.アルカン、アルケン、アルキンの構造・性質・反応性を理解する。
3.芳香族化合物の性質と反応性を学ぶ。
4.キラル化合物の立体化学を理解する。
5.求核および求電子置換反応と脱離反応の機構を習得する。
<授業の方法>
講義
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %理解力と応用力を評価するために論述式、記述式試験を行う。到達目標に示した項目の基本的理解度と論理性を評価する。 
2受講態度 50  %講義中の問いに対する回答内容や講義内外での質問回数や内容等を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
  1. 加納航治, 基本有機化学, 三共出版, ISBN:978-4-7827-0599-5
<参考書>
  1. Robert J. Ouellette (高橋知義,堀内昭,橋元親夫,須田憲男 訳), ウーレット 有機化学, 化学同人, ISBN:4-7598-0914-7
<授業計画の概要>
第1回:有機化学と生物科学
 有機化学の基礎及び有機化合物の分類を体系的に説明し、生物科学との関係を要約する。
第2回:有機化合物の構造
 有機化合物の構造の表記法を説明する。この際、有機化合物の分類にそれぞれ対応させて説明し、有機化合物の構造を系統的に理解する。
第3回:有機化合物の物理的性質
 有機化合物の物理的性質を有機化合物の分類に対応させて説明し、それぞれの分類毎の特性を理解する。
第4回:アルカンの命名法及び反応性
 鎖状の飽和炭化水素であるアルカンの命名法を国際基準に従って説明する。また、アルカンの酸化やラジカル反応についてメカニズムを説明する。
第5回:シクロアルカンの命名法及び立体構造
 環状の飽和炭化水素であるシクロアルカンの命名法を国際基準に従って説明する。シクロアルカンの立体配座を説明し、三次元構造を理解する。
第6回:アルケンの命名法及び立体異性
 不飽和炭化水素であるアルケンの命名法を国際基準に従って説明する。また、アルケンの幾何学的な異性体を表記法や構造を説明する。
第7回:アルケンの反応
 アルケンの水素化、酸化、付加反応、水和反応の手法をメカニズムと共に説明し、有機化学の電子論的解釈や法則を理解する。
第8回:アルキンの命名法及び物性・反応性
 不飽和炭化水素であるアルキンの命名法を国際基準に従って説明する。また、アルキンの電子構造を説明し、物理・化学的性質との関連を理解する。さらに、アルキンの反応メカニズムを説明する。
第9回:芳香族化合物の命名法及び性質
 芳香族化合物の命名法を国際基準に従って説明する。また、芳香環に由来する特徴的な性質を説明する。さらに、芳香族性に関する有機化学的な規則を説明する。
第10回:芳香族化合物の求電子置換反応
 芳香族化合物の求電子置換反応におけるメカニズムを説明し、結合電子の移動や置換基の脱離・結合形成について理解する。また、芳香族求電子置換反応における速度や配向の置換基効果を説明する。
第11回:分子の立体配置
 Fischer投影式による分子の立体配置の記述方法を説明し、置換基の三次元的空間配置を理解する。また、有機化合物の異性体の種類を説明する。
第12回:キラル化合物の立体化学
 不斉炭素について説明し、キラル化合物の立体構造を理解する。さらに立体異性体及びその合成法について説明する。また、絶対配置の表記法を説明する。
第13回:求核置換反応
 求核置換反応のメカニズムを電子論的に説明する。また、求核置換反応の種類について説明し、それらの差異を理解する。
第14回:脱離反応
 脱離反応のメカニズムを電子論的に説明する。また、脱離反応の種類について説明し、それらの差異を理解する。
第15回:総括評価
 有機化学の基礎的理解や各化合物群における命名・構造・性質・反応の理解を評価する。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
基礎的有機化学に関する研究実績を持ち、その実務経験を具体的例示等で生かす。