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授業科目名 応用微生物学I
時間割番号 LBT209
担当教員名 山村 英樹/早川 正幸
開講学期・曜日・時限 前期・金・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
微生物は醸造、食品、医薬、農薬および化学製品などの生産を通じてバイオテクノロジーの中心的役割を果たしており、その多様な機能は作物の病害防除や生長促進、エネルギー生産、さらには環境保全などにも役立てることができる。本講義では応用微生物学の基本概念と発展の歴史、各種微生物(細菌、放線菌、古細菌、真菌類、酵母、藻類等)の形態と分類(数値分類、化学分類、分子系統解析)、微生物細胞の構造と機能について学ぶ事ができる。本講義は応用微生物学IIと生物工学実験IIIと密接に関連する基礎知識を身に付ける事ができる。
<到達目標>
・生命工学分野の中でも応用微生物学の歴史的背景、微生物細胞の構造と機能、さらに各種微生物の分類および特性等を記述することができること。

・生命工学分野の中でも応用微生物学が農工業、医薬品産業、さらに環境問題解決への利活用について、その手法と原理を自ら考え、図示しながら記述することができること。
<授業の方法>
講義形式。講義は版書あるいはプロジェクター投射により教科書の内容を解説し、各自ノートに書き写すことで理解を深める。さらに英語で作成した授業テキスト(Applied Microbiology)を毎回配布し、講義の参考とする。必要に応じて微生物の形態については電子顕微鏡写真などをプロジェクターにより放映し、理解を深める。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %微生物に関する記述式問題を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
2試験:中間期 30  %微生物に関する基礎知識を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
3小テスト/レポート 20  %課題に対する考察を重視する。授業中において講義内容を整理し、まとめる能力を鍛錬するため、ノート内容を評価に加える。 
4受講態度 10  %授業中における発言等の積極性を高く評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
動植物の生理、細胞の構造と機能など、生物学における基本的な知識を有していることが必要とされる。
<テキスト>
  1. 横田篤 (著), 大西康夫 (著), 応用微生物学, 文永堂出版, ISBN:4830041315
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第 1回:乳酸菌等の一般的微生物の例を基に、微生物の基本理念を講義する。
微生物とは何かを理解し、説明できることを目標とする。
第 2回:顕微鏡の創製と観察による微生物の発見など、微生物学の歴史につい
て講義する。微生物が生物として認識され、利用開発が行われてきた
歴史的背景を学び、科学的思考の流れを理解し身につける。
第 3回:炭素源、窒素源などの栄養素とその働きについて講義する。、利用す
る栄養に依存して様々な微生物が自然界に生息していることを理解
し、化学合成従属栄養菌、光合成独立栄養菌などを説明できるように
なることを目標とする。
第 4回:微生物の基本的取扱い技術に関し、培養の理論、培養手順、培養基等
を説明する。微生物の純粋培養の原理を学び、理解する。
第 5回:滅菌に関し、その理論について講義する。様々な滅菌方法とそれぞれ
の理論的背景が説明できるようになることを目標とする。
第 6回:顕微鏡(光学顕微鏡、電子顕微鏡、蛍光顕微鏡)とその原理について
講義する。顕微鏡の構造や分解能等に関する原理について説明できる
ようになることを目標とする。
第 7回:原核微生物細胞の構造と機能について講義する。細菌や古細菌細胞の
細胞壁や細胞膜の構造と機能等について理解する。グラム陽性菌と陰
性菌の違いが説明できること。
第 8回:真核微生物細胞の構造と機能について講義する。菌類(カビ、酵母、
担子菌等)や藻類の細胞壁、細胞膜、細胞内オルガネラの構造と機能
等について理解する。真核微生物と原核微生物の相違が説明できるこ
とを目標とする。
第 9回:微生物の分類学(分類、命名、同定、分類階級)、および分類法(数
値分類、化学分類、分子生物学的分類)について講義する。微生物の
分類とその手法、原理について理解し、説明できることが到達目標で
ある。
第10回:原核微生物(一般細菌、放線菌、藍藻、古細菌等)の分類と重要な属
種について講義する。生物学上における細菌の系統的位置について理
解する。また産業面および生態学的に重要な属種名とそれらの分類学
的位置が説明できるようになることを到達目標とする。
第12回:真核微生物の分類学上、有用なキーとなる有性生殖、無性生殖につい
て講義する。カビ、酵母、担子菌それぞれについて生殖法を理解する。
第13回:真核微生物(担子菌、カビ)の分類と重要な属種について講義する。
接合菌門、子嚢菌門、、担子菌門、不完全菌について、産業面および
生態学的に重要な属種名とそれらの分類学的位置が説明できるよう
になることを到達目標とする。
第14回:真核微生物のうち、特に酵母についての分類と重要な属種について講
義する。重要な酵母について分類学的位置が説明できるようになるこ
とを到達目標とする。
第15回:総括、まとめ、評価(定期試験等)を行う。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
日本の微生物の保存機関に勤務した教員が、微生物資源の収集経験、保存および管理に関する経験をなぜ微生物を学ぶのか、どのように産業に利用されてきたのかを、学生に問いながら授業を行う。