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授業科目名
担当教員
数値計算特論
豊木 博泰
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
GTT503 1 (未登録) 1 前期 II
[概要と目標]
社会や物質系のダイナミクスを解明するのに用いられる数値シミュレーション手法について演習をまじえて教授する。連続な時間や空間での現象を本質的に離散的であるコンピュータにおいてシミュレートするための基本技術と確率的な過程を記述するモデリング手法がテーマである。
[到達目標]
受講生は、微分方程式で記述された系の数値解析法、乱数を用いた確率過程の数値計算法を理解し、自分の得意とするプログラム言語を用いてそれらのプログラムを作成できるようになること。プログラム例の学習を通じてpython言語の基本構造及びプログラム言語としての特性を理解すること。
[必要知識・準備]
python, matlab, scilab, Java, C, Fortranの少なくとも1つについて、学士課程でのプログラム実習で扱う程度のプログラミング能力を有すること。
講義での数値計算の演示には主にpythonスクリプトを用いる。効果的に学ぶために、各自のノートパソコンにpythonのプログラミングおよび実行環境を整え持参することが望ましい。pythonの予備知識はなくてもよいが習得する意欲を有すること。
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 100  %3つ程度の課題をだすのでそれを自らのプログラムで実現すること。それを評価する。 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. Harvey Gould, Jan Tobochnik and Wolfgang Christian, An Introduction to Computer Simulation Methods 3rd Edition, Pearson Education, ISBN:0805377581
[講義項目]
1.多自由度系ダイナミクスに対する数値モデルの手法 -非線形微分方程式で表される系を例に-
実験、理論をつなぐ第3の研究方法としての数値シミュレーションについて、様々な分野からの例をもとに講義
次回の演習準備のために、pythonの開発環境の利用方法を習得する。

2.カオスを生じる微分方程式とその解析方法(pythonスクリプトによるプログラム演習)
起動不安定な微分方程式の数値解の振る舞いと解の統計的な処理を演習をまじえて習得する。

3.共同現象を記述する非線形方程式と定常解の安定性解析
van der Pol方程式を例に、非線形微分方程式の軌跡を描画し軌道の線形安定性解析手法を理解する。
pythonによる描画手法を習得する。

4.共同現象の典型例としての連結非線形振動子(プログラム演習2)
複数の振動子系における同期、ドリフト、停止などの現象を数値計算を通じて理解する。

5.偏微分方程式で表されるモデルの数値計算例: 化学反応系におけるマクロパターンの出現(プログラム演習3)
2次元偏微分方程式の数値解法を事例を通じて実習する。

6.時間発展偏微分方程式のアニメーション表示
時間発展を視覚的にとらえるための技法を習得する。

7.Pythonを用いた数値計算の高速化技法
スクリプト言語での数値計算を高速に行う技法をいくつかの事例により理解する。

8.総合的なプログラム演習