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授業科目名 外国史概説
時間割番号 EES206
担当教員名 皆川 卓/会田 大輔
開講学期・曜日・時限 前期・金・V 単位数 2
<対象学生>
2年生以上
<授業の目的および概要>
中国を中心とする東アジアの伝統的国家や社会の形成(紀元前8世紀〜紀元後19世紀)と、英独仏伊を中心とするヨーロッパのそれ(15〜18世紀)を論じ、両方の社会とその上に形成される秩序の特徴を学ぶことによって、国際社会の多元性を理解する。
<到達目標>
東アジアとヨーロッパにおける伝統的国家のイメージを正しく把握し、両文明が生み出した秩序のありかたとその共通点・相違点を認識することを目標とする。
<授業の方法>
一般的な講義の形式を取る予定です。なお東洋史分野と西洋史分野は実施の順番が逆になる可能性もありますが、いずれにしても片方の受講では単位は取れないので注意が必要です。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %講義で論じた東洋史および西洋史の基礎知識が取得されているか否か 
2小テスト/レポート 20  %講義で論じた東洋・西洋の伝統的秩序の形成過程を押さえているか否か 
3受講態度 30  %出席と授業への参加が積極的であるか否か 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
個々の情報も大事ですが、東西それぞれで「あるべき国の姿」がどのように理解されるようになったのかを念頭において受講して下さい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 吉田寅(編者), 世界史のための文献案内, 山川出版社, ISBN:4634035804
  2. 妹尾達彦, 長安の都市計画, 講談社, ISBN:4062582236
  3. 小泉徹, 宗教改革とその時代, 山川出版社, ISBN:4634342707
  4. ウィリアム・H・マクニール, 戦争の世界史(上), 中央公論新社, ISBN:412205897X
  5. ピーター・バーク, ルイ14世―作られる太陽王, 名古屋大学出版会, ISBN:4815804907
<授業計画の概要>
〈西洋史分野〉

第1回.宗教改革と個人の誕生(1)
 日本と西洋の相違の根底にあるキリスト教の精神的支配の歴史をお話すると共に、それが宗教改革によって分裂し、西洋社会の多元的な価値が生まれるまでを紹介します。

第2回.宗教改革と個人の誕生(2)
 キリスト教の分裂によって、個人が自分自身の価値を選ばなければならなくなり、自立した個人(自我ある個人)が成立する過程をご紹介します。

第3回.平和なき近世(1)
世界史的に見て、ヨーロッパの諸国がなぜ多くの戦争を行うようになったのかを、中世から近世のヨーロッパにおける「国」の相互関係から説明します。

第4回.平和なき近世(2)
多くの戦争の中から、ヨーロッパで始めて近代主権国家が誕生する過程と、それが抱え込んだ問題を論じます。

第5回.ヴェルサイユの世紀(1)
 ヨーロッパでは人同士のコミュニケーションにおいて、暴力が消えたのは東アジア諸国よりもずっと遅れて17世紀のことでした。それはなぜか、克服のためにどのような条件が必要だったのかを考えます。

第6回.ヴェルサイユの世紀(2)
 ヨーロッパ諸国の統一を達成した絶対君主が、人々のどのような価値観や期待によって権力を手に入れたのか、その権力は果たして「絶対」だったのかを論じます。

第7回.メディアと科学と市民的公共圏
 「目で見たものを信じる」という、近代人にとって当たり前のことが当たり前になるまでの状況を紹介し、中世末から近世にかけてそうした変化がなぜ起きたのかを考えます。

〈東洋史分野〉
第8回.東洋史学の時代区分論
 東洋史学における時代区分論の変遷について論じ、歴史のとらえ方がどのように変化するのか考えます。

第9回.東アジア史概要
 中国と遊牧民を中心に、殷周(前16世紀〜前9世紀)から清(17世紀〜19世紀)までのの東アジアの歴史を概観します。

第10回.東アジアの君主制度
 中国・遊牧民の君主制度の変化を論じ、日本の君主制度との共通点・相違点を考えます。

第11回.中国の人材登用
 君主を支えて実際に国家を運営する官僚に着目し、戦国秦漢から宋代までの中国における人材登用制度の変遷を論じます。 

第12回.中国における恋愛・結婚 
 恋愛・結婚規範を時代・地域によって異なります。春秋戦国から明清までの変化を通じ、中国における男女の位置づけについて考えます。

第13回.中華料理のできるまで
 春秋戦国から明清までの食生活・料理の変遷を論じます。料理を通じて、「伝統」の形成過程を考えます。

第14回.日中関係史
 日本は古来から中国・朝鮮半島の影響を強く受けてきました。弥生時代から江戸時代までの日中関係について概観します。

第15回.期末テスト