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授業科目名 日本の近代文学
分類・系統人文科学 文化系
時間割番号 CAC014
担当教員名 大木 志門
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
著作権の成立や近現代文学史上の様々な「作者」に関わる事件をとりあげ、文学史上における近代的「作者」意識の成立の問題や文学作品あるいはそれにとどまらぬ芸術活動全般における「オリジナリティ」の問題について講義する。
以上を通して、今後の諸分野にわたる学習や社会活動の中で必要とされる、「著作物」や「著作権」についての知識を身につけ、また芸術作品における模倣と創造の問題を理解し、自らの言葉で表現できるようになることを目指す。
<到達目標>  到達目標とは
1 知識と視野 わが国の近代文学の流れについて基礎的な知識を身につけ、また社会の中の文学という視点を持てるようになること。
2 人間性と倫理性 文学作品における「作者」や「オリジナリティ」の問題の射程を理通し、現代社会の様々な問題と結びつけて考えられるようになること。
<授業の方法>
主に講義形式で行うが、各回の終わりに授業内容に関係する問題について考え、表現する課題を与える。次回はその意見を受講者で共有し、問題を深めてゆくことでその回の内容に入ってゆく。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 80  %授業の内容をよく理解し、それを自分なりの観点、自分なりの言葉で表現できているかどうかを重視する。 
2受講態度 20  %授業中に行う課題、リアクションペーパーの内容などから総合的に評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 事前に配布したプリントを読んで内容を理解してくること。
<テキスト>
  1. 特になし。プリントを配布する。
<参考書>
  1. 福井健策, 『18歳の著作権入門』, ちくまプリマー新書, ISBN:978-4480689283
  2. 栗原裕一郎, 『〈盗作〉の文学史』, 新曜社, ISBN:978-4788511095
  3. 甘露純規, 『剽窃の文学史−オリジナリティの近代』, 森話社, ISBN:978-4864050302
  4. 宮武久佳, 『正しいコピペのすすめ――模倣、創造、著作権と私たち 』, 岩波ジュニア新書, ISBN:978-4864050043
  5. 山田奨治, 『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』, 人文書院, ISBN:978-4005008490
<授業計画の概要>
1、ガイダンス−金子みすゞの著作権問題を導入に
2、著作権の概要と明治の著作権事情
3、明治の著作権事件−ベルヌ条約と仮名垣魯文盗作事件
4、明治の翻訳小説−「フランダースの犬」「若草物語」を題材に
5、翻訳と翻案の間−尾崎紅葉「金色夜叉」と「種本」の関係
6、徒弟制と「代作」(ゴーストライティング)−泉鏡花・徳田秋聲ら硯友社の周辺
7、「代作」と「作者」意識の確立−小栗風葉の文壇追放事件
8、盗作とスキャンダル−久米正雄「安南の暁鐘」事件
9、原典と創作−芥川龍之介「藪の中」
10、素材(ルポルタージュ)と創作−井伏鱒二「黒い雨」事件
11、模倣と創作1−寺山修司の短歌と「本歌取り」の射程
12、模倣と創作2−太宰治「虚構の春」と「複製技術時代」のオリジナリティ
13、模倣と創作3−J‐POPの歌詞問題とジャンル・様式の問題
14、インターネット時代のオリジナリティと著作権
15、まとめ−「作品」は誰のものか
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
文学館に勤務して近代文学資料の収集・管理や普及活動、著作権処理の実務を行なった経験を踏まえて授業を行う。
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。