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授業科目名 小説における〈他者〉の問題
分類・系統人文科学 文化系
時間割番号 CAC007
担当教員名 齋藤 知也
開講学期・曜日・時限 前期・水・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
近代小説とは何かを考えていく。その際、〈他者〉をキーワードとする。〈他者〉を、〈わたしのなかの他者〉(自己化された他者)と了解不能な《他者》に峻別することによって、「自己」=「私」を問うていくことができる。小説を深く読むと、この〈他者〉問題が顕在化し、日々の暮らしにとって言語表現がどれだけ重みをもったものであるかを発見・理解することができる。
<到達目標>  到達目標とは
1 様々な学問の考え方 近代小説は「世界・他者・自己とは何か」という問題と切り結んでいることについて、説明できる。
2 批評力  自らの読みや学んだ内容を、的確に記述することができる。
<授業の方法>
基本的には講義であるが、問答・発表・討論も行う。ときに課題を課し、最終レポートの提出を求める。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 50  %近代小説が内包する〈他者〉の問題とはどういうことか、具体的な作品の読みと共に説明できるか。 
2受講態度 50  %他者と意見交換するなかで読みを深め、自分の考えを発表・記述できるか。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
近代小説を深く読むことは、あらゆる専攻領域の課題につながる可能性をもつと考えています。扱う作品は事前に配布あるいは予告しますので、よく読み、問いをもって参加するようにして下さい。なお、今年度扱う予定の作品は、あまんきみこ、宮澤賢治、村上春樹の短編小説を予定していますが、他に付け加えられることもあります。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 齋藤知也, 教室でひらかれる〈語り〉―文学教育の根拠を求めて, 教育出版, ISBN:978-4316802350
<授業計画の概要>
 1 問題提起(1) 「小説における〈他者〉の問題」について
 2 問題提起(2)  広義の「言語論的転回」について
 3 問題提起(3) 〈語り〉を読むとはどういうことかについて
 4 問題提起(4) 「小説」と「物語」について
 5 作品を読む(1) あまんきみこの作品を読み、自分の考えをもつ。
 6 作品を読む(2) あまんきみこの作品における〈他者〉の問題について考える
 7 作品を読む(3) あまんきみこの作品について、自分の読みをまとめる。
 8 中間まとめ    授業者から中間まとめを行い、質疑応答を行う。 
 9 作品を読む(4) 宮澤賢治の作品について、自分の考えをもつ。
 10 作品を読む(5) 宮澤賢治の作品における〈他者〉の問題について考える。
 11 作品を読む(6) 宮澤賢治の作品について、自分の読みをまとめる。
 12 作品を読む(7) 村上春樹の作品について、自分の考えをもつ。
 13 作品を読む(8) 村上春樹の作品における〈他者〉の問題について考える。
 14 作品を読む(9) 村上春樹の作品について、自分の読みをまとめる。
 15 まとめ
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
中学校と高等学校で国語科の授業を担当した実務経験がある。中等教育では、多様な学習者全てに、文学の〈価値〉や〈意味〉を獲得してもらうことが求められるが、大学の共通教育として「近代小説とは何か」を追究していくときにも、更に高い次元において、同様のことが言えると考える。実務経験を生かし、さまざまな専攻領域の学生の問題意識と響き合う授業を行う。
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。