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授業科目名
担当教員
応用物理学
青柳 潤一郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TME204 2 (未登録) 2 前期 III
[概要]
基礎物理学I および II では力学を、線形代数I および II ではベクトル解析の基礎を、微分積分学I および II では微分積分の基礎を学んでいる。本講義はその次の段階の基礎教育科目として、物理学の分野の一つであり、工学を学ぶ上での基礎知識でもある電磁気学を学ぶ。特に電磁気学は、その物理現象の表記や問題解答のためにベクトル解析や線積分・面積分・体積積分を使うことが必須になる。この考え方は、機械工学における熱や流体の物理現象を考える上でも非常に重要となる。そこで本講義の目的は、電磁気学の知識を身につけるとともに、物理現象をベクトル解析や微分積分のテクニックを使って表現する手法を理解することである。
[具体的な達成目標]
第1回<BR>・講義全体の構成と電磁気学の核となるマクスウェル方程式の存在を確認する。<BR>・ベクトル解析の基礎計算(単位ベクトル導出、和差、内積、外積)ができる。<BR>第2回<BR>・点電荷に作用する電気的な力を求めることができる。<BR>・点電荷が周囲に作る電場を求めることができる。<BR>・複数の点電荷が作る任意の点の電場をベクトル量で求め、各方向成分に表記できる。<BR>・電気力線を作図したり、電気力線から電場の様子を把握することができる。<BR>第3回<BR>・静電場におけるガウスの法則(積分形)を表記できる。<BR>・静電場におけるガウスの法則(積分形)を使って、電場を求めることができる。<BR>・静電場中の電荷を移動させることで得られるエネルギを求めることができる。<BR> (静電場中のファラデー・マクスウェルの法則(積分形)につながる)<BR>第4回<BR>・ベクトル解析における発散を使って、ガウスの法則(微分形)を表記できる。<BR>・ベクトル解析における回転を使って、ファラデー・マクスウェルの法則(微分形)を表記できる。<BR>・ガウスの法則の微分形と積分形の関係から、ガウスの定理を求めて表記できる。<BR>・静電場中のファラデー・マクスウェルの法則の微分形と積分形の関係から、ストークスの定理を求めて表記できる。<BR>第5回<BR>・静電場中のファラデー・マクスウェルの法則から、電位(静電ポテンシャル)の存在を説明できる。<BR>・ベクトル解析における勾配を使って、電位(静電ポテンシャル)を表記できる。<BR>・電場から電位を、または電位から電場を求めることができる。<BR><BR>第6回(評価テスト)<BR>・第1回から第5回までに学習した内容を振り返るとともに、それに関する問題に解答することができる。<BR><BR>第7回<BR>・定常電流の保存則を積分形と微分形で表記できる。<BR>・平行に置いた導線に電流がときに生じる力の大きさを求めることができる。<BR>第8回<BR>・直線定常電流が周囲に作る静磁場(磁束密度)を求めることができる。<BR>・静磁場に関するガウスの法則(積分形、微分形)から、電荷と磁荷の性質の違いを説明できる。<BR>・アンペールの法則(積分形)を使って、複数の定常電流が作る任意の点の静磁場を求めることができる。<BR>第9回<BR>・電気双極子が周囲に作る静電場を求めることができる。<BR>・磁気双極子と等価な微小円形電流のパラメータを求めることができる。<BR><BR>第10回(評価テスト)<BR>・第7回から第9回までに学習した内容を振り返るとともに、それに関する問題に解答することができる。<BR><BR>第11回<BR>・コンデンサの静電容量を求めることができる。<BR>・コンデンサに蓄えられた静電エネルギを求めることができる。<BR>・荷電物体の周辺に蓄えられた静電エネルギを求めることができる。<BR>第12回<BR>・電磁場が時間変動する場合のガウスの法則を表記できる。<BR>・電場が時間変動する場合の現象として、アンペール・マクスウェルの法則を表記できる。<BR>・磁場が時間変動する場合の現象として、ファラデー・マクスウェルの法則を表記できる。<BR>・時間的に変動する磁場中のコイルに発生する起電力を求めることができる。<BR>第13回<BR>・静磁場中を移動するコイルに発生する起電力を求めることができる。<BR><BR>第14回(総括評価テスト)<BR>・第11回から第13回までに学習した内容を振り返るとともに、この講義で学習した全ての内容に関する問題に解答することができる。<BR><BR>第15回<BR>・第14回に実施したテストの解説をもとに、テストでどこを間違ったのか気づくことができる。<BR>・マクスウェル方程式から電磁波の存在を確認する。
[必要知識・準備]
「基礎物理学IおよびII」で力学を十分に理解していること。<BR>「線形代数IおよびII」でベクトル解析の基礎(単位ベクトル、和差、内積、外積)を十分に理解していること。<BR>「微分積分学IおよびII」で微分積分学の基礎を十分に理解していること。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 32  %1回実施する。全講義内容に関して出題して理解度を評価する。正解に応じて評価点を与える。 
2試験:中間期 32  %2回実施する(1回あたり16点)。その時点までの講義内容に関して出題して理解度を評価する。正解に応じて評価点を与える。 
3小テスト/レポート 36  %宿題課題および授業中に出した課題の解答と、講義内容に関するメモ(概要)をレポートとしてまとめて提出してもらう。課題が正しく解答できているか、メモ(概要)は質と量ともに適切か、の基準で評価点を与える。(1講義あたり3点でテストを除く12回分) 
[教科書]
  1. 教科書は指定しない。複数の参考書をベースした資料を適宜用いる。
[参考書]
  1. 砂川重信, 電磁気学の考え方(物理の考え方2), 岩波書店, ISBN:4000078925,
    (授業スライドのほとんどはこの参考書ベースである。)

  2. 宮崎照宣、加藤宏朗, よくわかる電磁気[第4版], 日刊工業新聞社, ISBN:9784526073083,
    (電磁気学の教科書だが、最初にベクトルの話が丁寧に書いてある。)

  3. 砂川重信, 電磁気学[改訂版]初めて学ぶ人のために, 培風館, ISBN:4563022373,
    (参考書1を、さらに分かりやすくしたもの。)
[講義項目]
01 ベクトルの基礎(和差、内積、外積など)と物理現象への適用、マクスウェル方程式の紹介<BR>02 クーロンの法則、「場」の考え方、静電場と電気力線、線積分と面積分と体積分<BR>03 静電場の性質(ガウスの法則、ファラデー・マクスウェルの法則)<BR>04 発散(div)と回転(rot)の定義と静電場への適用、ガウスの定理、ストークスの定理<BR>05 勾配(grad)の定義、静電ポテンシャル<BR>06 これまでのまとめ、評価テスト<BR>07 電流の定義、定常電流、電流に作用する力<BR>08 静磁場:電場と磁場、磁場と電流、磁場のガウスの法則、アンペールの法則<BR>09 電気双極子、磁気双極子と微小円形電流<BR>10 これまでのまとめ、評価テスト<BR>11 導体表面の電荷分布、コンデンサ、静電場のエネルギ<BR>12 時間的に変動する電場と磁場:電荷保存則と変位電流、電磁誘導(1.ファラデー・マクスウェルの法則、時間的に変動する磁場中にあるコイルに発生する起電力)<BR>13 時間的に変動する電場と磁場:電磁誘導(2.静磁場中を移動するコイルに発生する起電力)<BR>14 これまでのまとめ、総括評価テスト<BR>15 総括評価テストの解説、マクスウェル方程式と電磁波
[教育方法]
・事前に配布するスライドを使って授業を進めるので、予習していることを前提とする。<BR>・スライド内容を講義中に全て書き写す時間は設けていないし、講義を聞くだけで理解できる内容ではないので、配布資料や参考書等を使った予習復習が必須である。<BR>・毎回、宿題課題や講義中の演習と、各講義で学習した内容をまとめ、レポートとして作成してもらう。<BR>・上記のレポートは、毎回の講義終了後の指定した期間内にMoodle上で提出してもらい評価点とするとともに、受講者の理解度を受講者自身や教員が把握する。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)