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授業科目名
担当教員
電子回路I演習
佐藤 隆英
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TEE210 1 (未登録) 2 後期 II
[概要]
電子回路Iの講義と連動して,アナログ電子回路の解析・設計を学ぶ.本講義では,ダイオードやトランジスタ等の半導体素子の基本動作とそれらを用いた電子回路の解析の方法および設計の方法を学ぶ.講義を通じて,電子回路の最も基本的な役割である「増幅」の原理を理解し,実際に増幅回路の設計が出来るようになる.また,現在用いられている電子機器の仕組みや構成を理解するために必要となる最も基礎的な知識を得ることが出来る.<BR> 電気回路1で学んだ抵抗,容量,インダクタ等の受動素子からなる回路の解析方法(交流回路理論)や回路理論の諸定理(オームの法則,キルヒホッフの法則,重ねの理,テブナンの定理など)を用いて,受動素子だけでなく能動素子(ダイオードやトランジスタ)を含む回路の解析や設計を行う手法を学ぶ.また,3年次前期に開講される電子回路2や電気・電子工学実験?において扱われる回路を理解するためには本講義の内容の理解が必須となる.<BR> 電子回路は,電気電子工学において最も基本的かつ重要な科目のひとつであり,大学院入試や就職試験で問われることも多い.
[具体的な達成目標]
1.オームの法則,交流回路理論,線形受動素子の知識,重ねの理,キルヒホフの法則,テブナンの定理等を適切に用いた線形回路の解析ができる.<BR>2.不純物半導体とpn接合の性質について説明できること,また, pn接合ダイオードを用いた基本的な回路の解析ができる.<BR>3.トランジスタの構造およびその動作原理が説明できる.また,トランジスタを用いた増幅回路の基本原理が説明できる.<BR>4.バイポーラトランジスタの直流等価回路が導出できる.また,直流等価回路を用いた直流解析ができる.<BR>5.バイポーラトランジスタの小信号等価回路が導出できる.小信号等価回路を用いた交流解析ができる.増幅回路の評価指標の種類を説明できる.<BR>6.エミッタ接地増幅回路,コレクタ接地増幅回路,ベース接地増幅回路が解析できる.またそれぞれの特長を説明できる. <BR>7.基本増幅回路を複数個,縦続接続した構成の回路の解析ができる.<BR>8.電力増幅回路の構成と特長の説明および設計ができる.<BR>9.バイポーラトランジスタの高周波等価回路を用いた解析ができる.<BR>10.負帰還増幅回路の効果と基本構成を説明できる. <BR>11.理想演算増幅器の性質が説明できる.また,理想演算増幅器を用いた反転増幅回路および非反転増幅回路が解析できる. <BR>12.演算増幅器の応用回路の解析ができる.演算増幅器の二次的な特性が回路に与える影響について説明できる.<BR>13.要求された仕様を満たす増幅回路の設計を行うことができる.
[必要知識・準備]
本講義の受講者は以下の知識を有することを前提とする.<BR> 数学:三角関数,複素数,線形連立方程式,基本的な微分の知識<BR> 回路の知識:電気回路1で扱った内容.具体的には,オームの法則,交流回路理論(フェーザ表示),線形受動素子の知識,重ねの理,キルヒホフの法則,テブナンの定理など
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %「具体的な達成目標の特に1から7」を評価し、それが6割以上達成されているかを確認する 
2試験:中間期 30  %「具体的な達成目標の特に8から12」を評価し、それが6割以上達成されているかを確認する 
3小テスト/レポート 20  %電子回路I演習にて課すレポート課題により各回の講義内容の理解度を評価する 
4発表/表現等 20  %製作実習にて作成した回路とレポートを評価する 
[教科書]
  1. 藤井信生, アナログ電子回路, 昭晃堂, ISBN:4785611405
[参考書]
  1. 高木茂孝、佐藤隆英、高井伸和、渡部英二, EEText アナログ電子回路, オーム社, ISBN:978-274-21102-7
[講義項目]
1.電子回路の設計及び解析に用いる基礎知識の復習:オームの法則,交流回路理論,線形受動素子の知識,重ねの理,キルヒホフの法則,テブナンの定理等を復習する<BR>2.半導体の基礎とpn接合ダイオード:不純物半導体とpn接合の性質について学び,pn接合ダイオードおよびpn接合ダイオードを用いた基本的な回路の解析方法を学ぶ.<BR>3.バイポーラトランジスタ:トランジスタの構造およびその動作を学ぶ.簡単な解析によりトランジスタの増幅の原理を確認する.<BR>4.トランジスタの直流等価回路とバイアス回路:バイポーラトランジスタの直流等価回路を導出し,直流等価回路を用いた直流解析の仕方を学ぶ.<BR>5.トランジスタの小信号等価回路と増幅回路の評価尺度:バイポーラトランジスタの小信号等価回路を導出し,小信号等価回路を用いた交流解析の仕方を学ぶ.また,増幅回路の評価指標を学ぶ.<BR>6.基本増幅回路:エミッタ接地増幅回路,コレクタ接地増幅回路,ベース接地増幅回路それぞれを解析し,それぞれの特長を比較する.<BR>7.基本増幅回路の縦続接続:基本増幅回路を複数個,縦続接続することで基本増幅回路1個では実現出来ない特性を実現する方法とその解析方法を学ぶ.<BR>8.これまでの講義のまとめ<BR>9.電力増幅回路:回路の出力段などに用いられる電力増幅回路の構成について学ぶ.<BR>10.増幅回路の周波数特性:バイポーラトランジスタの高周波等価回路の導出と高周波等価回路を用いた解析の仕方を学ぶ.<BR>11.負帰還増幅回路:負帰還増幅回路の効果と基本構成について学ぶ.<BR>12.演算増幅回路の基本特性:理想演算増幅器の性質と反転増幅回路および非反転増幅回路の解析を学ぶ<BR>13. 演算増幅回路の応用回路と二次的特性:インスツルメンテーションアンプなど演算増幅器の応用回路と演算増幅器の二次的な特性が回路に与える影響について学ぶ.<BR>14.製作する回路の設計:与えられた使用を満たす回路の設計を行う.<BR>15.総括評価・まとめ
[教育方法]
本講義は以下のように実施する.<BR>1.本講義は電子回路Iと連携して開講する.そのため本講義を履修する者は電子回路1も併せて履修すること.やむをえない理由で電子回路1の履修が出来ない者は開講時に担当教員に申し出ること.<BR>2.講義では毎回,演習問題等の課題を課す.それらを講義中に個人またはグループディスカッションで解く.また,各課題は次回までのレポート課題とする.<BR>3.課された全てのレポート課題を提出すること.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)