山梨大学電子シラバス

授業科目名

担当教員

基礎無機化学

上野　慎太郎

時間割番号

単位数

コース

履修年次

期別

曜日

時限

TAC105

(未登録)

前期

金

［概要］

すべての元素を対象とする無機化学の特質と基礎知識の習得を目的とする。特に、基礎無機化学においては電子構造をその中心に据え、原子、イオン、化合物、結晶、錯体における電子構造の変化とそれに伴う物性の変化、そして無機材料の持つ代表的な機能の起源を理解する。また化学結合に加え中和反応、酸化還元反応などの反応において、結合性や反応性を決定する電子に関する相互作用と電子の授受を理解する。このように電子構造と電子の授受を学問の中心に据え基礎無機化学を理解することにより、これらの知識を次に学ぶ、より専門的な無機化学を始めとする他の学問の基礎として充分に活用できるようにする。

［具体的な達成目標］

・原子、イオン、化合物、結晶、錯体における電子構造を説明できること ・量子化学的な考え方を軸に原子・化合物中での電子の挙動について説明できること ・量子化学的な考え方を軸に化学結合および化学反応を説明できること ・無機材料の電子構造と物性・諸特性の関係を説明できること

［必要知識・準備］

高校までの化学全般、物理全般、数学全般の知識は必要である。毎回前もって教科書を読んでおく必要もある。

［評価方法・評価基準］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	40 %	量子化学を基にした原子・イオン・化合物・錯体・結晶などの無機物質に関連する電子構造と物性について議論が可能か否かを、計算・描画・記述問題によって評価する。
2	小テスト／レポート	30 %	量子化学に関する演習を15%、無機材料に関連する課題レポート15%で評価する。
3	受講態度	30 %	講義における受講態度を評価する。

［教科書］

無機化学その現代的アプローチ, 東京化学同人, ISBN:4807905511

［参考書］

［講義項目］

1.　量子化学の導入（波動・電子と物性） 2.　量子化学に基づいた原子の電子構造（波動方程式の導入） 3.　量子化学に基づいた原子の電子構造（波動方程式と原子軌道） 4.　量子化学に基づいた原子の電子構造（原子軌道と電子配置） 5.　周期律とイオン 6.　化学結合と電子構造 7.　化合物の電子構造 8.　化学反応（酸塩基・酸化還元） 9.　金属錯体の電子構造と光学特性 10.　結晶の電子構造とその性質（結晶の種類と構造） 11.　結晶の電子構造とその性質（バンド理論と電気特性） 12.　遷移金属原子およびその化合物（電子構造と物性） 13.　希土類金属原子およびその化合物（電子構造と物性） 14.　無機材料の持つ機能（電子構造と諸特性） 15.　機能性無機材料の活用（生体材料・環境関連材料） 16.　総括評価：まとめ

［教育方法］

基本的に指定の教科書に沿って講義を進めるが、より高度な内容にも触れるため、基礎的な内容については事前学習を必要とする。数回の小テストと演習を行い、理解度のチェックと学習の補助を行う。質問などは随時オフィスでも受け付ける。

［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］

(未登録)

［その他］

周期表の意義を理解しながら、勉強することを期待する。