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授業科目名 特別講義I
時間割番号 LEV384
担当教員名 高尾 信太郎
開講学期・曜日・時限 集中・(未登録)・(未登録) 単位数 1
<対象学生>
J過年度生
<授業の目的および概要>
地球温暖化やオゾンホールの物理的メカニズム、極地におけるモニタリング観測の重要性等について学ぶ。現在話題となっている地球温暖化に焦点を当て、南極氷床から得られた古気候データから地球温暖化を理解するとともに、温暖化が自然発生的な結果なのか、人間活動の影響によるものなのか理解する。また、成功した環境政策として評価されているオゾンホールへの対応についても学習する。
<到達目標>
・南極氷床の形成機構を学び、南極氷床から採取した氷(氷床コア)を用いて過去の地球環境を推定する方法を理解する。<BR>・過去の気候変動の特徴を学ぶ。<BR>・温室効果の意味を学び、そのメカニズムを理解する。<BR>・地球温暖化について学ぶとともに、科学的な思考方法を身につける。<BR>・現在の北極、及び南極の変動を知る。<BR>・“大気中の水循環”の概念を学び、それが極域の変動に及ぼす影響を理解する。<BR>・気候における“フィードバック”の概念を学ぶ。<BR>・オゾンホールの問題を通して気候に対する私たち人類の影響力を理解する。<BR>・気候変動や異常気象を科学的に理解し、日常生活で聞こえてくる情報・報道の正しい捉え方を身につける。
<授業の方法>
講義中心でテーマ毎に資料を配布する。適宜演習課題に取り組み理解の定着を図る。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %最終講義の最後(30分程度)に50点満点のテストを行う。自分のノート及び配布資料の閲覧可。ただし、周囲の人との相談、教科書、インターネットの使用は不可。 
2小テスト/レポート 50  %授業中に適宜実施する演習課題の結果を回収し評価する。演習中は周囲の人と相談してもよいが、各自の理解に基づいた自分の表現で記述すること。尚、課題に対する正否を重要視はしない。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
  1. 資料配布
<参考書>
  1. 山内恭, 南極・北極の気象と気候, 成山堂書店, ISBN:978-4-425-55261-0
<授業計画の概要>
第1回:オーロラや低い気温などの南極の自然、及び南極地域観測隊の活動概要を知る。南極氷床の形成機構を学び、南極内陸域で氷床コアから気候を復元できることを理解する。復元された気候から大気の自然変動を調べる。<BR>第2回:“放射”によるエネルギー伝達の概念を学び、それを用いて温室効果のメカニズムを理解する。IPCC報告書に基づいて、人間活動が二酸化炭素を主とする温室効果気体の増加をもたらし、その結果地球温暖化が起こっている可能性が高いことを学ぶ。<BR>第3回:現在までの北極域の気候変動について、北極海の海氷域面積、北半球の積雪域面積の変動傾向を知る。地球温暖化の“極域増幅”の概念を学び、北極域の現在の気温変動や将来予測にそれがどのように現れているのかを確認する。<BR>第4回:現在までの南極域の気温変化について、西南極(南極氷床の西半球側の領域)と東南極(同、東半球側)の違い、及び対流圏、成層圏の観測結果を知る。それらの特徴を形成する原因を学ぶ。<BR>第5回:“大気中の水循環”の概念を学ぶ。地球温暖化における“大気中の水循環”の変化について、簡単な理論的考察と気候モデルの予測結果を知る。地球温暖化の下で南極氷床を形成する氷の量がどう変化してきたか、どう変化すると考えられているかについて最新の研究結果を確認する。<BR>第6回:気候形成の中で働く“フィードバック”の概念を学び、雪氷圏におけるアイス‐アルベドフィードバックを理解する。<BR>第7回:オゾンホールの形成機構について学び、北極域よりも南極域で特に顕著に現れる理由を理解する。オゾンホールの発見から現在までの人類の関わりについて知り、地球環境にとっての人類の影響力について学ぶ。<BR>第8回:日々の生活の中で経験する暑さ、寒さ等の天気や季節的天候の特徴を、大気の流れと関連付けて理解する。この知識に基づいて、異常気象をもたらす要因を学ぶ。また、異常気象、気候変動を私たちがどのように認識すべきかを学ぶ。