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授業科目名 応用微生物学II
時間割番号 LBT210
担当教員名 宮川 洋三
開講学期・曜日・時限 後期・火・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
微生物学・生化学・分子遺伝学等の基本を十分理解したうえで、地球上に棲息する多様な微生物の固有の特性・機能を、産業、地球環境保全・環境浄化や医療へ応用する際に必要な知識について体系的に修得する。微生物の培養、滅菌、分離、微生物の生態と環境保全への利用、微生物による有用物質生産の原理(代謝)とその応用(醸造・発酵食品生産および抗菌生産・創薬)などについて学ぶ。
<到達目標>
微生物による各種有用物質の生産や環境修復、さらに根圏微生物の制御による植物の無農薬栽培など、微生物機能の開拓や産業、地球環境保全、および創薬等への活用に関して必要な知識を体系的に修得する。さらに、それらを研究や実践面で応用できる力を身につけるために、自ら課題を発掘し、それについて探索・研究しその内容を発表する能力を身につける。
<授業の方法>
版書およびスライド等による講義を中心に行うと同時に、授業の目的に関わる個別の課題について、各自が予習し、その成果についてスライド・プリント等を用いて発表する。 また、授業の目的に有用と思われる画像(動画)も可能な限り活用する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 10  %記述式問題を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
2試験:中間期 10  %基礎知識を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
3小テスト/レポート 30  %課題に対する考察を重視する。講義内容を整理し、まとめる能力を鍛錬するため、適時、小テスト・レポートを課す。 
4受講態度 20  %授業への積極的参加(質問・コメント等)の姿勢を高く評価する。 。 
5発表/表現等 30  %提出課題についての発表および質疑応答。プレゼンテーション・ディスカッションの能力を評価する 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
微生物学の基礎知識は勿論のこと、基礎生物学・生化学・分子生物学等の知識を前提としている。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 大嶋泰治ほか, IFO微生物学概論, 培風館, ISBN:9784563078119
<授業計画の概要>
第 1回:抗生物質、酵素、アミノ酸など微生物が生産する有用物質について講<BR>     義する。微生物の属種名と有用機能、さらにその原理について説明で<BR>     きるようになることを目標とする。<BR>第 2回:微生物の培養技術について、培地の選択、滅菌から始まり、培養、<BR> 顕微鏡等による観察、純粋分離に至る一連の手法を講義する。原理に<BR>     加え、より実際的な技術についての知識を身に付ける。<BR>第 3回:微生物の基本的分離技術とその原理について講義する。好気性菌、嫌<BR>  気性菌それぞれの分離技術とその理論を身に付ける。<BR>第 4回:有用微生物群(細菌、放線菌、酵母、カビ)の選択的分離法について<BR>     講義する。選択分離の原理を理解し、目的の微生物群に応じた分離法<BR> を自ら構築できることを目標とする。<BR>第 5回:有用形質(酵素、アミノ酸、抗生物質の生産)のスクリーニング法に<BR> ついて講義する。スクリーニングの手法と原理を理解し、目的の形質<BR> に対応した方法論が設定できることを目的とする。<BR>第 6回:微生物の育種改良法として、突然変異および変異修復機構とそれらの<BR> 原理について講義する。突然変異が微生物の機能の向上にとって如何<BR> に重要かを理解できることを目標とする。<BR>第 7回:レプリカ法やペニシリンスクリーニング法など、突然変異株の取得法<BR> を講義する。各方法の技術と理論的背景を説明できることを目標とす<BR>     る。<BR>第 8回:フィードバック抑制などの代謝調節機構について講義する。アミノ酸<BR> 発酵をはじめとする有用物質の工業生産に代謝調節の原理が如何に<BR> 重要かを理解でき、説明できることを目標とする。<BR>第 9回:アミノ酸発酵、核酸発酵について講義する。アミノ酸や核酸の微生物<BR> 生産技術とその原理を理解し、説明できることを目標とする。<BR>第10回:抗生物質等の微生物による生産、それらの原理・作用機作について、<BR>    大村智氏の業績も含め講義する。抗生物質について理解するとともに、<BR>    薬剤耐性菌についても耐性の原理を理解する<BR>第11回:醸造および発酵食品について講義する。酒類と様々な発酵食品と微生<BR> 物の係わりについて理論的背景も含め説明できることを目標とする。<BR>第12回:微生物の生態について、炭素や窒素の循環と微生物の係りについて講<BR>     義する。自然界に生息する微生物の種類と物質循環への関与について<BR> 説明できることを目標とする。<BR>第13回:農耕地と微生物について、有機質肥料、土壌酵素、植物根圏それぞれ<BR> と微生物の関係、さらに根圏微生物の制御による植物の無農薬栽培に<BR>     ついて講義する。植物の成長と根圏微生物との共生が如何に重要かを<BR> 説明できることを目標とする。<BR>第14回:微生物による排水や廃棄物、さらに環境汚染化学物質の処理など、環<BR> 境保全と微生物について講義する。汚染化学物質の分解など、微生物<BR> の持つ優れた機能が生態系の保全に役立つことを理解し、説明できる<BR>     ことを目標とする。<BR>第15回:総括、まとめ、評価(定期試験等)を行う。