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授業科目名 農業経済学特論
時間割番号 GLR523
担当教員名 渡邉 靖仁
開講学期・曜日・時限 後期・金・V 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
飢餓と飽食の併存、我が国の農業生産力の弱化の背景、コミュニティの変質と一次産業、先端技術と伝統農法の相剋、フードシステムの成長と食の安全確保といった食料・農業・農村にかかわる諸問題について、オーソドックスな経済理論をベースに接近し、法制度・歴史・文化などの関連分野の知見を参照しながらその本質を理解し対策を検討する力を涵養する。
<到達目標>
"・食料・農業・農村にかかわる問題を、実態の知識とミクロ経済学の理論モデルのふたつに基づいて理解する。<BR>・食料・農業・農村にかかわる問題を、(1)産業論と政策論の両面、(2)国際的及び歴史的視点、という複数の分析視角から捉える見方を習得する。"
<授業の方法>
基礎知識を講義で示し、事前配布資料に基づく報告と討論によってその習得を確認する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %食料・農業・農村問題に関する基礎的な概念の理解と応用力を問う。 
2小テスト/レポート 25  %複数の分析視角・方法論による検討を問う。 
3発表/表現等 25  %積極性と柔軟性を問う。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
ミクロ経済学の基礎理論を理解していることと、食料・農業・農村の現状に対する問題意識が必要です。テキストは指定せず、学生の問題意識に応じた資料と参考文献を用います。
<テキスト>
  1. 指定なし。
<参考書>
  1. 生源寺眞一, 農業と人間 : 食と農の未来を考える, 岩波書店
  2. 小田切 徳美 (編著), 農山村再生に挑む――理論から実践まで, 岩波書店
  3. 本間正義, 農業問題の政治経済学 : 国際化への対応と処方 /, 日本経済新聞社
  4. James C. Scott., Two cheers for anarchism : six easy pieces on autonomy, dignity, and meaningful work and play, Princeton University Press
  5. 野田公夫, 日本農業の発展論理, 家の光協会
<授業計画の概要>
"第1回 ガイダンス 授業の進め方 農業および農業的世界の特質の理解<BR>第2回 経済発展と農業・食料問題(ペティ・クラークの法則、食料問題、農業は他産業の発展の苗床)<BR>第3回 食料の需要と供給(市場の不安定性、弾力性、価格政策、日本と欧米の農産物価格の形成の異同)<BR>第4回 農業と土地(規模の経済性、生産関数、農業構造問題、農地改革と人口論、新大陸と欧州大陸の農業政策と日本、収穫逓減と収穫逓増、植物工場)<BR>第5回 農業と環境(外部不経済性、公共財、ピグー税、2PI、市場創生政策と農業)<BR>第6回 農業と労働(所得・余暇選好、労働供給、担い手問題、労働力移動、日本における北海道専業化・都府県兼業深化の背景と今後)<BR>第7回 農産物の市場組織(取引費用、生鮮食料品流通、卸売市場、農協、戦後の食料安定供給問題の解消のための制度と成熟時代の食料消費の相剋)<BR>第8回 フードシステムの深化と情報の非対称性(流通革新、外食産業、経済社会の変化と中食の動向、情報の非対称性と食品の安全性を担保する制度の在り方)<BR>第9回 農産物貿易論(貿易の基本モデル、2国間貿易、大国と小国の仮定、WTO、FTA・EPA,自給率、ローカルジーンバンクと種子ビジネス) <BR>第10回 農業政策の立論と解釈(農業保護政策、レントシーキング、日欧米の農業保護と世界の食料需給)<BR>第11回 シュルツの農業問題論 古典に見る現代的な分析視角と現代農業の問題<BR>第12回 速水佑次郎の農業問題論と内外比較の視点再論<BR>第13回 大川一司と過剰就業論の理論再分析 (生産関数再論 マーシャルとシカゴ学派の賃金論の相違)<BR>第14回 齋藤仁の農業問題論とコミュニティの再生 (水と共同体、自治村落と徴税・共有地の運営、農家業の緻密な工芸技術と商品経済の発達)<BR>第15回 総合討論と期末試験 "