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授業科目名 構造生物学特論
時間割番号 GLB501
担当教員名 大山 拓次
開講学期・曜日・時限 前期・金・II 単位数 2
<対象学生>
1年生
<授業の目的および概要>
タンパク質など生体高分子の構造機能相関を研究する上で重要な構造生物学を支える基礎技術および最先端技術について理解する。具体的には、シンクロトロン放射光を用いたX線結晶構造解析、超高分解能電子顕微鏡解析、X線小角散乱(SAXS)、X線自由電子レーザー(XEFL)などを取り上げ、それらを用いて得られる立体構造の特性について理解する。また、機能発現に重要であり、かつダイナミックな構造変換を示す天然変性(ID)タンパク質の概念も理解する。これらの解析手法により得られた立体構造情報を正確に理解し、より深い構造生物学的議論が可能な知識を身に付ける。
<到達目標>
最先端の構造生物学を支える解析手法を理解し、それらの手法により得られたタンパク質や核酸の立体構造および機能発現機構を学ぶ。シンクロトロン放射光を用いたX線結晶構造解析を中心とし原子レベルの解析、ならびに超高分解能電子顕微鏡解析などによる近原子あるいはドメインレベルの解析の理論と実際を学ぶ。各手法の特性を十分に理解した上で、構造生物学に関わる学術論文から構造機能相関を正確に理解する知識を取得する。
<授業の方法>
・事前学習を必須とする。<BR>・講義内容の理解度を確認するため、小グループによるディスカッションを行う。<BR>・講義を行い、レポートを課す。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 80  %講義内容に基づいたレポートを課し、理解度を評価する。 
2受講態度 20  %質問等の積極性も加味し、総合的に評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
タンパク質が生命を創っていると言って過言ではないほど、タンパク質は生命の理解に必須であり、あらゆる生命科学研究分野の理解に通ずる。本講義を十分に理解するためには、タンパク質を構成するアミノ酸や核酸を構成する塩基の種類、物理的・化学的性質、ならびに立体構造構築原理の基本を理解しておくことが必須となる。
<テキスト>
  1. 特に指定しない
<参考書>
  1. 特に指定しない
<授業計画の概要>
第1回 構造生物学の概要<BR>第2回 X線結晶構造解析の原理:実空間と逆空間、構造因子と電子密度<BR>第3回 X線結晶構造解析による構造解析法および構造精密化法<BR>第4回 タンパク質結晶学の理論<BR>第5回 タンパク質結晶学の実践<BR>第6回 タンパク質結晶を用いたX線回折データ収集<BR>第7回 シンクロトロン放射光(SR)の理論と実際<BR>第8回 X線小角散乱法(SAXS)とX線自由電子レーザー(XFEL)を用いた構造解析法<BR>第9回 種々の解析法により得られる立体構造情報の特性と比較<BR>第10回 天然変性(ID)タンパク質の概念<BR>第11回 生体超分子複合体の構造と機能<BR>第12回 立体構造データベース(PDB、EMDB)の内容と利用法<BR>第13回 構造生物学に関する学術論文の読み方<BR>第14回 構造生物学に関する学術論文の書き方<BR>第15回 総括