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授業科目名 生化学II
時間割番号 LFS226
担当教員名 乙黒 美彩/山下 さやか/斉藤 史恵
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
生命工学科2年次生、地域食物科学科2年次生
<授業の目的および概要>
生化学における代謝について具体的に学びます。1年生後期に開講されている「基礎生化学」、2年生前期に開講されている「生化学I」で学んだ生体分子などが代謝によって合成・分解される過程、またそれらによりエネルギーを得る仕組みを学びます。
<到達目標>
生化学における代謝について、グルコースの異化代謝、グリコーゲン代謝、糖新生、クエン酸回路、電子伝達系と酸化的リン酸化、光合成、脂質代謝、アミノ酸代謝、ヌクレオチド代謝などをそれぞれに理解する。そして、これらの個別の代謝経路を1つの生物内でつながった全体像として理解し、説明できるようになる。
<授業の方法>
3名の教員によるオムニバス形式の講義です。講義を中心とした学習を行った後、小テスト(持ち帰り課題)を毎回行います。また、講義5回ごとに1回(合計3回)の中間試験を行います。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:中間期 60  %5回ごとに行い、それぞれの単元の理解度を評価します。 
2小テスト/レポート 20  %毎回課される課題の習熟度により評価します。 
3受講態度 20  %講義時間中の質疑やリフレクションペーパーへの振り返りを評価します。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
この講義で学ぶことは、今後行う実験などひいては卒業論文研究を理解し、考察する上で必要な知識となりますので、積極的に予習復習することが望ましいです。<BR>質問や講義のやり方で改善してほしいところ等があれば、講義担当教員に積極的に連絡をください。毎回の課題とともにリフレクションペーパーを毎回用意しますので、そこに記入していただいても構いません。些細なことでも記入してもらえると嬉しいです。<BR>予習復習に関してですが、予習を特に重点的に行うことを勧めます。ある程度予習で教科書を読み込み、講義中は必要・重要なところのメモを取る、という学習の方法を勧めます。<BR>課題についてですが、その日に講義で学んだ内容の復習として宿題(小テスト課題)を毎回課します。講義終了の時に配布しますので、その週末までに担当教員まで提出することとします。
<テキスト>
  1. 田宮 信雄・他訳, ヴォート基礎生化学 第4版, 東京科学同人, ISBN:978-4-8079-0845-5
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
担当教員<BR>第1回から第5回:乙黒<BR>第6回から第10回:斉藤<BR>第11回から第15回:山下<BR><BR>第1回 : 代謝 代謝概説、高エネルギー化合物、酸化還元反応、代謝研究の実験法<BR> 生体がエネルギーを取り出すために分解する過程である異化と簡単な物質から生体分子を合成する過程である同化について学ぶ。また、ATPその他の化合物のエネルギー運搬の役割について学ぶ。<BR><BR>第2回:グルコースの異化代謝 解糖の概要、反応、発酵、調節、ペントースリン酸経路<BR> グルコースが分解される反応系列と関連酵素、解答経路の流量や最終生成物への代謝経路について学ぶ。また、他のヘキソースの異化代謝とペントースリン酸経路を考察する。<BR><BR>第3回:グリコーゲンの代謝と糖新生(1) グリコーゲンの分解、グリコーゲン合成、グリコーゲン代謝制御<BR> グルコース貯蔵体としてのグリコーゲンの重要性を学び、グリコーゲンの分解と合成の酵素反応における調節機構を理解する。<BR><BR>第4回:グリコーゲンの代謝と糖新生(2) 糖新生、そのたの糖鎖整合性経路<BR> グルコース合成過程である糖新生について学び、最後に合成と分解,解糖と糖新生の反応経路における調節機構について学ぶ。<BR><BR>第5回:クエン酸サイクル TCAサイクルの概要,アセチルCoAの生成、TCAサイクルの諸酵素、調節,関連反応<BR> クエン酸サイクルによる酸化反応を学び、ATP生産のメカニズムを概説する。また、サイクルの出発物質、アセチルCoAがピルビン酸から生じる反応についても学ぶ。<BR><BR>第6回:電子伝達と酸化的リン酸化(1)ミトコンドリア、電子伝達<BR> ミトコンドリアの電子伝達系について学ぶ。真核生物におけるエネルギーの生産メカニズムを理解する。<BR><BR>第7回:電子伝達と酸化的リン酸化(2)酸化的リン酸化、酸化的代謝の制御<BR> 酸化的リン酸化の仕組みを理解する。活性酸素種による細胞の酸化障害について学ぶ。<BR><BR>第8回:光合成 葉緑体、明反応、暗反応<BR> 植物におけるエネルギー生産メカニズムを学ぶ。光エネルギーの化学エネルギーへの変換反応とカルビンサイクルによるCO2固定について理解する。<BR><BR>第9回:脂質代謝(1)脂質の消化、吸収と輸送、脂肪酸の酸化、ケトン体<BR> 脂質の性質について理解した後、生体内における消化、吸収、輸送メカニズムを学ぶ。脂肪酸のβ酸化についても学ぶ。<BR><BR>第10回:脂質代謝(2)脂肪酸の生合成、脂肪酸代謝の調節、他の脂質の合成、コレステロール代謝<BR> 脂肪酸の生合成経路および代謝の調節メカニズムについて学ぶ。またリン脂質やコレステロールの代謝系についても理解する。<BR><BR>第11回:アミノ酸代謝(1)タンパク質分解、アミノ酸の脱アミノ、尿素サイクル、アミノ酸の分解<BR> タンパク質の分解について概観を学んだ後、アミノ酸の脱アミノの方法、窒素を排泄するための尿素サイクルを学ぶ。また、動物の代謝エネルギーの10%&#12316;15%をまかなうアミノ酸の酸化分解についても学ぶ。<BR><BR>第12回:アミノ酸代謝(2)アミノ酸の生合成、アミノ酸代謝の他の生成物、窒素固定<BR> 生体内で合成される非必須アミノ酸について学ぶ。非必須アミノ酸のそれぞれがどのような中間体を経て生合成されるのか、その過程を学ぶ。また、アミノ酸代謝の他の生成物として、ヘムや生理活性アミンの生合成について学部。アミノ酸代謝の最後のトピックとして、大気中の窒素を生物が利用できる形に変える窒素固定についても学ぶ。<BR><BR>第13回:哺乳類燃料分子の代謝:組織と調節<BR> これまでに学んだ、糖、脂質、アミノ酸の代謝が分子レベルでどのように調節されているのか、様々な臓器や組織特有の代謝について学ぶ。また、細胞外のホルモンが細胞内へどのようにシグナルを伝えるのか、その機構についても学ぶ。<BR><BR>第14回:ヌクレオチド代謝(1)プリンリボヌクレオチドの合成、ピリミ人ヌクレオチドの合成<BR> ヌクレオチドを構成するプリン塩基とピリミジン塩基が生体内でどのように合成されるかその過程を学ぶとともに、プリンの再利用の仕組みについても学ぶ。<BR><BR>第15回:ヌクレオチド代謝(2)デオキシリボヌクレオチドの生成、ヌクレオチドの分解<BR> リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドに変換される仕組みについて学び、ヌクレオチドが分解される過程を学ぶ。また、生物種によって異なるヌクレオチドの異化経路についても触れる。<BR><BR><BR>講義中、板書によって講義を進める場面とパワーポイントスライドを使用しながら進める場合があります。特にパワーポイントスライドを使用した講義の時には進度が早くなる可能性が考えられますので、できる限り教科書の読み込みにて予習を行い、不明な点などを明確にして講義に臨んでください。