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授業科目名 発生工学基礎実習
時間割番号 LBT233
担当教員名 若山 照彦
開講学期・曜日・時限 後期・月・III-IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
発生工学は動物解剖学、発生生物学や哺乳類の生殖生物学さらに遺伝子工学が合わさった研究分野であり、基礎生物学のみならず、農学・医学分野の研究においても重要な位置を占める。本科目では発生工学への理解を深めることを目的として、哺乳類の解剖学、発生工学についての基礎実習を行う。哺乳動物の身体、細胞の構造、細胞周期と細胞分裂、配偶子形成、受精、胚発生、ゲノム、細胞分化について主にマウスを材料とした実習を通して理解する。理解度を深めるために、各実習課題についてレポートを課す。
<到達目標>
発生工学基礎実習では講義、実習を通じて生物学研究における発生工学の意義・重要性を理解する。また発生工学実験の土台として、解剖学実習、発生工学実習を行い、実験動物の扱い方や胚操作法などの基礎的な発生工学実験技術を身につける。
<授業の方法>
実験・実習
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 80  %理解度を評価するため各実習課題についてレポート提出を課す。 
2受講態度 20  %授業中の積極性や集中度を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
生命の神秘に触れてみよう。こんな実習はよそでは体験できません。
<テキスト>
  1. 佐藤英明・河野友宏・内藤邦彦・小倉淳郎, 哺乳動物の発生工学, 朝倉書店, ISBN:978-4-254-45029-3
<参考書>
  1. 中辻憲夫, 発生工学のすすめ, 羊土社, ISBN:10:4897063035
  2. 若山照彦, クローンマンモスへの道, Adthree, ISBN:978-4-900659-96-4
<授業計画の概要>
第1回:発生工学とは
講義の導入として、発生工学の歴史、どのような分野で利用されているのか等について講義を行う。発生工学の意義を理解する。また実験動物の取り扱い方について解説する。

第2回:哺乳類の臓器I
哺乳類の個体を形成する各臓器の働きについて解説した後に、実際にマウスを解剖して各臓器の構造、位置関係を自分の目で確かめ、理解する。

第3回:哺乳類の臓器II
 哺乳類の臓器IIとして、特に生殖関連臓器について解剖、観察を行う。各器官の働き、相互作用を理解する。

第4回:細胞周期と体細胞分裂
哺乳動物の細胞周期と体細胞分裂について解説する。マウス体細胞の顕微鏡下での観察と染色を行い、細胞周期に伴う細胞の変化を知り、発生の基礎となる細胞の分裂についての理解を深める。

第5回:減数分裂と配偶子形成
減数分裂の仕組み、役割について学ぶ。染色体対合、組み換えなどについて理解した後に、哺乳類の精子、卵子の形成過程について解説する。遺伝情報を次世代に伝える役割を担う生殖細胞の重要性を理解する。マウスの卵巣内卵子、排卵卵子を観察し、卵成熟に伴い変化していく様子を確認する。

第6回:精子形成過程の観察
雄性生殖細胞である精子の形成過程について学ぶ。雄マウスの精巣および精巣上体から精細胞を採取して、さまざまな形成段階の精子を観察し、違いを理解する。

第7回:精子の採取と保存 
医療・農業の現場で重要な技術となっている精子保存法について解説する。また採取したマウス精子の凍結保存を行うことで、基本的な手技を身につける。

第8回:生殖関連ホルモンと過排卵誘起法
 哺乳類の生殖に関わるホルモンの作用と流れについて解説する。雌マウスを用いた過排卵誘起法について学ぶ。過排卵誘起した雌マウス生殖器官を観察し、どのような変化が起きているか理解するとともに、排卵卵子の採取法を身につける。

第9回:受精と体外受精法
 受精の成立について解説した後、体外受精法、顕微授精法の手技、利用について学ぶ。採取したての精子および第6回で保存した精子を用いて、マウス体外受精の実習を行う。

第10回:初期発生
受精した卵子がどのように発生を開始し、分裂していくか学ぶ。初期胚とくに胚盤胞期胚の構造と構成する細胞について解説と生きた胚の観察を行う。哺乳動物発生過程で最初に起こる内部細胞塊や栄養膜細胞への細胞分化を理解する。

第11回:着床と個体発生
 受精卵がどのように着床し、個体へ発生していくかを学ぶ。着床後の各段階 
 で胎仔を取り出し、発生の進み方、胎盤の様子を観察する。

第12回:ES細胞の樹立と利用
ES細胞についての講義を行う。先の講義で観察した胚盤胞からES細胞を樹立する方法および樹立したES細胞の利用法について理解する。キメラ動物内でのES細胞の分布の様子を観察する。

第13回: 体細胞核移植とクローン動物
体細胞核移植法、クローン動物についての解説を行う。通常の受精と核移植の違い、クローン動物作出法と利用、クローン動物の問題点について理解する。マイクロマニピュレーターに触れてみる。

第14回:希少動物の保護、絶滅動物の復活
発生工学を利用した希少動物保護や絶滅動物復活への取り組みについて、実際の研究結果を交えながら解説する。

第15回:評価・総括
ここまで学んできた発生工学の基礎に基づいて、発生工学の課題や将来展望
について、グループごとに考察してみる。