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      授業科目名
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      西洋史演習A
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      時間割番号
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      EES208A
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     担当教員名
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      皆川 卓
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      開講学期・曜日・時限
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      後期・木・V
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      単位数
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      2
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      <対象学生>
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      2年生以上
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      <授業の目的および概要>
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      ベッカリーア『犯罪と刑罰』を読み、論理的思考力および啓蒙思想における刑罰の見方を学び、それを通して人間と近代国家権力の関係を考える。
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      <到達目標>
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      まずは論理的な思考力を学ぶ。その上で近代国家のあるべき刑罰の論理を考え、自由な市民に対する国家権力のかかわり方を歴史的に理解する能力を身につける
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      <授業の方法>
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      参加者に輪読してもらい、内容の理解を検討・確認すると共に、その問題点について討論する。
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      <成績評価の方法>
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      | No | 評価項目 | 割合 | 評価の観点 | 
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 | 1 | 小テスト/レポート  | 20  % | 内容をどれだけ理解しているか確認します。  |  | 2 | 受講態度  | 30  % | ゼミ形式という性格上、出席と輪読への参加を重視します。  |  | 3 | 発表/表現等  | 50  % | 意見表明や批判などの発言が最も重要です。いちいちチェックして点数化します。  |   
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      <受講に際して・学生へのメッセージ>
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      犯罪者は「殺されて当然、拷問で改心すれば親切」と考えられていた18世紀のヨーロッパで、死刑も拷問も否定し、刑罰は何の目的のために課され、どうあるべきかを論じたのが、イタリア・ミラノの法学者チェザーレ・ベッカリーアの書いたこの著書でした。近年は「正邪を一刀両断」にし、「被害者のために報復」し、「断固たる処罰」を下すことに快哉が叫ばれ、法手続きをルールに則って行うことに批判が向けられていますが、こうしたことが単に法的・政治的にだけではなく、人びとの人格や感情、認識力の点でもきわめて危険なことであることをベッカリーアは説いています。それは18世紀という時代がまだ専門分化しておらず、法や政治というものが人間の人格や感情、認識力とのつながりを忘れていなかったからでした。法や政治が専門化し、人間とのつながりが希薄になっている現在、国家的な強制力である刑罰を再考することにより、より納得できる権力とは何かを知る大きな手掛かりが得られます。カントやマルクス、フーコーのようには難しくない(ただし意見はいろいろ出るはず)著書なので、それほどひるむ必要はありません。
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      <テキスト>
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      (未登録)
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      <参考書>
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      (未登録)
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      <授業計画の概要>
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      ベッカリーアの『犯罪と刑罰』成立の背景を論じた(第1回)後、実際に著書を購読し(第2回〜第14回)、まとめにおいて近代西洋の論理とその歴史的な位置を結論付ける(第15回)。
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