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授業科目名 ラテンアメリカから見た世界
分類・系統社会科学 社会系
時間割番号 CAS014
担当教員名 渡邉 暁
開講学期・曜日・時限 後期・水・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
この授業で試みようとしているのは、ラテンアメリカ(中南米)の視点から見た「世界」について考えてみる、ということです。1492年のコロンブスの新大陸「発見」にはじまる、現在のラテンアメリカ諸国と「旧世界」との関わりは、世界史に大きな影響を及ぼし、また現在においても資源産出地域として、今後の発展が見込める地域(言い換えると拡大しつつある市場)として、音楽や文学さまざまな文化の発信地として、さらには移民送出地域として、重要な役割を担っています。この授業では映画などの映像資料を中心に、音楽や写真、文学作品なども使いながら、ラテンアメリカの社会や文化を紹介し、またラテンアメリカから見た「世界」というものを考えることで、皆さんの視野を広げ、また芸術・文化と社会の関わりを認識して頂きたいと思います。
<到達目標>  到達目標とは
No重要度目標詳細
1知識と視野ラテンアメリカという地域について知識を深めること、そしてラテンアメリカの側から世界を見ることで、どのような今までとは違う視点がひらけるかを実感し、またそれを長期的に考える材料にしてもらうこと。
2 能力と技能この授業で何か特別な技能が身につくとは考えていませんが、何年も経ってから、この授業でやったということを忘れていたとしても、ああ、そういえばどこかでこんな話を聞いたな、と思い出してもらえたら、それは皆さんにとって知識であると同時に、身についた技能の一つかもしれません。
3 人間性と倫理性ラテンアメリカはさまざまな問題を抱えた地域ですが、同時に(近代国家という概念の芽生えを含む)さまざまな思想や文化を生み出してきました。おそらくはあまり意識したことのないラテンアメリカの姿を通して、皆さんが自分自身、どう生きていくべきかを考えて頂きたいと思います。
<授業の方法>
ラテンアメリカの歴史や社会について、映像を中心に、その背景を説明したり、関連する小説を読んだりという形で、ラテンアメリカの文化に触れて頂き、それを通してラテンアメリカについて学んでもらい議論していきます。ラテンアメリカという対象について、社会科学と人文科学の両方の視点から学んでいく授業を目指します。隔年(今年度非開講)の「映画論的地域研究入門」という授業がなかなかうまくいったので、それに味をしめて、映画を授業の中心に据えようと考えています。なお、取り上げる映画は変更する場合もありますので、ご了承下さい。<BR><BR>ただし、映画を見て単位を取れる、などと考えるのは大間違いです。2,3回に一度のコメントシートと期末レポート(2万字)で、トータルで原稿用紙50枚は書かされますし、SA(スチューデントアシスタント)のリードのもと、ディスカッション(最後の2回だけではない)にも参加してもらいますので、そのあたり、覚悟して受講して下さい。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1受講態度 50  %授業に対する姿勢と2,3回に1回程度課す課題 
2発表/表現等 50  %期末レポート 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
ラテンアメリカは政治的にも経済的にも、そしてもちろん社会的にもさまざまな問題を抱えながら、さまざまな文化を生み出し、また活力に満ちあふれた地域です。私は大学生の時にメキシコに留学して以来、本当に沢山のことをメキシコやラテンアメリカの人たちから教わってきました。これまで私が今までさまざまなことを学び、そして心を揺さぶられてきた経験を、少しでも皆さんにもお伝えしたいと思っています。単なる知識の伝達にとどまらないのみならず、アクティブ・ラーニング(主体的な学び)などの言葉の枠にもおさまらないような、いいかえれば皆さんの「感情」に訴えかけるような、少々危険な授業にしていくつもりですので、ご承知のうえおつきあい下さい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 坂井 正人他編, ラテンアメリカ(朝倉世界地理講座−大地と人間の物語), 朝倉書店, ISBN:978-4254168044
  2. 高橋 均、網野 徹哉, ラテンアメリカ文明の興亡, 中公文庫(世界の歴史18), ISBN:978-4122052376
  3. 恒川 惠市, 比較政治−中南米, 放送大学出版社, ISBN:978-4595308413
  4. ななころびやおき, ブエノス・ディアス、ニッポン, ラティーナ, ISBN:978-4947719058
  5. ガルシア=マルケス, 予告された殺人の記録・十二の遍歴の物語, 新潮社, ISBN:978-4105090135
<授業計画の概要>
1 イントロダクション:現代ラテンアメリカについての基礎知識<BR> 2 映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」に見るラテンアメリカ その1(アルゼンチン・チリ)<BR> 3 映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」に見るラテンアメリカ その2(ペルー・ベネスエラ)<BR> 4 映画「のんき大将」(ブニュエル監督、1949年)と当時のメキシコ社会 その1<BR> 5 映画「のんき大将」(ブニュエル監督、1949年)と当時のメキシコ社会 その2<BR> 6 現代ラテンアメリカの政治と経済(映画の解説と講義+「エビータ」)<BR> 7 映画「オフィシャル・ストーリー」と国家の暴力(その1)<BR> 8 映画「オフィシャル・ストーリー」と国家の暴力(その2)<BR> 9 映画 "Proxima Salida" と新自由主義 その1<BR>10 映画 "Proxima Salida" と新自由主義 その2<BR>11 ラテンアメリカ各国から先進国への移民(「孤独なツバメたち」を見ながら)<BR>12 映画 "Maria llena eres de gracia" と移民そして麻薬問題 その1<BR>13 映画 "Maria llena eres de gracia" と移民そして麻薬問題 その2<BR>14 授業を受けてのディスカッション(その1)<BR>15 授業を受けてのディスカッション(その2)
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
A.技術者の責務の自覚
 土木環境技術が人間社会や自然環境の変化に及ぼす効果・影響を理解し、自然と調和した人類の持続的発展のために土木環境技術者が果たすべき責務を自覚する。