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授業科目名 学校危機管理論
時間割番号 550101
担当教員名 鴨川 明子/窪島 紀人/氏原 一宏
開講学期・曜日・時限 集中・(未登録)・(未登録) 単位数 2
<対象学生>
1〜2年
<授業の目的および概要>
近年、学校はさまざまな危機管理上の問題への対応を迫られるようになった。本授業はそうした課題への対応能力を、具体的な事例に即した演習を通じて磨いていく。事例を分析するに当たっては、学校事故判例や統計資料、研究論文、行政文書など多様な資料を検討するとともに、現職教員学生の実践経験をプライバシーに配慮しつつ活用していく。また、学校危機管理の問題を構成する複雑な要因を理解するために、学際研究として取り組まれているリスク学などの現代的理論基盤もあわせて学ぶこととする。
<到達目標>
【ストレートマスター】<BR>将来のリーダーとして学校全体としての危機管理上の課題解決について理解するとともに、採用後に担当することになる学級・授業・部活動における危機管理において適切な判断と行為がとれるような力を育成する。<BR>【現職教員】<BR>学校の危機管理における中堅リーダーとして、担当する学級・授業・部活動だけでなく、自らがかかわる組織分掌や学年の危機管理においてリーダーシップを発揮できるための知識・技能を育成する。
<授業の方法>
受講者数20数名程度の利点を活かし、講義と演習を組み合わせて行う。特に、判例、典型的事例、法律条文を活用し、事例分析・カンファレンス形式で実施する。また提示される研究論文リスト中の資料を読破することを求める。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 30  %振り返りレポート 
2受講態度 30  %受講への参加態度  授業での質問、発言などの参加意欲、授業での課題に自らの意見を述べることを重視する。 
3発表/表現等 40  %事例分析および発表  学期中1〜2回 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 授業担当は、各回とも教員が役割分担をしながらTTで授業を進める。学習形態は、ストレートマスターと現職教員学生が相互に影響し合って知見を交換することが期待されることから、両者をグループ分けせずに一緒に講義・演習を行うこととする。<BR>発表・最終レポートの要領については、以下のとおり。<BR>・判例・報告書にもとづく発表 (ストレートマスター、グループごと)<BR> 判例または報告書にもとづき、案件の概要、論点、実践への示唆の3つの観点について記述・考察した発表を用意する。類似の事件・事故について調べて情報提供できれば、なお良い。発表および配布資料は、グループごとに分担して準備する。配布資料は37部印刷して、発表当日に配布する。受講者は判例・報告書に目を通しておくこと。<BR>・自らの実践例などにもとづく発表(現職教員、グループごと)<BR> テーマに関連する自らの実践や同僚等の取り組みに関する発表を、グループで分担して準備する。それぞれの実践を持ち寄り、内容豊富な発表が出来ることを望む。発表内容は、テーマに関わる実践の記録または報告書や通知文等の概要、論点、実践への示唆の3つの観点を必ず含めるようにすること。発表および配布資料は、グループごとに分担して準備する。配布資料は37部印刷して、発表当日に配布する。ただし報告書等の内容量の多い資料は、前日までに配布できることが望ましい。<BR>・最終レポート 「危機に対処できるようになるには」(全員)<BR> 授業の振り返りとして、授業を通じて自分自身がどのような危機管理能力を身につけることが出来たか。あるいは今後どのような能力を身につけることを課題として認識したか、ということについて、具体的な事例等をあげながら考察する。分量はA4用紙2枚程度。
<テキスト>
  1. 今田高俊・責任編著, リスク学入門 第4巻, 岩波書店, ISBN:9784000281348
  2. 喜多明人・堀井雅道, 学校安全ハンドブック, 草士文化, ISBN:9784794510211
  3. ジェームズ・R・チャイルズ, 最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか, 草思社, ISBN:479421538X
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第1・2回において、学校現場におけるトラブルの現状把握と教師としての危機管理の基本を講義する。第3〜14回では、学校トラブルの共通事例を設定し、各回のレポーターによる分析結果の報告に基づき、ケーススタディをすすめる。第15回では、これまでの授業を踏まえ、学校トラブルの対応策について多面的に再検討するとともに、今後の課題解決に向けた取組を展望する。<BR><BR>1 イントロダクション―学校危機管理論の課題(鴨川・窪島・氏原)<BR>2 リスク学の現代的視野(鴨川・氏原)<BR>3 事例(1) 情報管理に関するトラブル(窪島)<BR>4 事例(2) 不登校傾向のある生徒への対処(窪島・氏原)<BR>5 事例(3) いじめ事実確認のあり方(鴨川・氏原・窪島)<BR>6 事例(4) 悪意のあるメールによるいじめ(窪島・氏原)<BR>7 事例(5) マスコミによる風評被害への対応(窪島・鴨川・氏原)<BR>8 事例(6) 学校施設の危機管理(窪島・鴨川・氏原)<BR>9 事例(7) バーンアウトを防止するには(窪島・鴨川・氏原)<BR>10 事例(8) 発達障害の生徒の学校適応(窪島・氏原・鴨川)<BR>11 事例(9) 部活動指導者の責任(鴨川・氏原・窪島)<BR>12 事例(10)教師へのクレームが委員会にもちこまれた(窪島・鴨川・氏原)<BR>13 事例(11)盗難事件の解決方法(窪島・氏原)<BR>14 事例(12)虐待認定を受けた生徒への対応(鴨川・氏原・窪島)<BR>15 まとめ(鴨川・窪島・氏原)