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授業科目名
指導教員
環境生態システム特論
舛谷 敬一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
414060 A 2 生命情報システム学 1 後期 V
[概要と目標]
物質・エネルギーの循環及びエントロピーの増大を基本的視座に置き、生命・生産の諸問題に深く関わる開かれた能動的定常系を取り扱う。熱機関を復習した後、植物の光合成を例として、動的に安定なシステムが外部環境と相互作用し、物質・エネルギーを移動させながら動力や低エントロピー物質を生産していく機構を理解する。ミクロなスケールでは量子論的な考察が必要となることにも留意する。次いで、生きている生物個体や、生物個体群が協同して作り上げる生態系を開放定常系として解析し、自然と調和した生命工学のあり方を考察する。
[到達目標]
植物の光合成、生物個体、生物個体群等を例として<BR>1.熱力学の基本概念や基本法則を深く理解する。<BR>2.動的に安定なシステムの基本的性質を理解し、説明できる。<BR>3.開放定常系の基本的性質を理解し、説明できる。<BR>上記に関する簡単な例について、課題を自ら設定し、モデリング及びシミュレーションを手段として、その解決を計れる。
[専攻の目標と講義の目標との関連性]
人間環境医工学専攻では、様々な学問基盤に相互の知識を浸透融合させた先端的教育研究を推進することによって、広い視野と深い専門性を併せ持つ人材を養成することを目的としている。その中でも、生命工学分野では食糧、健康、医療、地球環境、エネルギー等の分野で社会に貢献できる人材の育成を目指している。本授業科目では、自然界を支配する物理学の法則、特に熱力学を基本的な視座に置くことによって、様々な課題を広い視野から統一的に見直すことの重要性を認識し、特に地球環境問題やエネルギー問題などの現実的課題について総合的観点から判断・対処できるようになることを目的としている。そのため、講義だけでなく、課題を自ら発見し、解決するという演習形式も取り入れることとした。
[必要知識・準備]
物理学、生物学、数学の基礎的な知識と理解
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 50  %授業理解力、問題設定/解決能力 
2受講態度 20  %日常的勉学努力 
3発表/表現等 30  %情報収集/整理力、発表・表現力 
[教科書]
  1. 特になし
[参考書]
  1. 特になし
[講義項目]
1.熱力学の復習(熱機関、熱力学の第一法則等)<BR>2.熱力学の復習(熱力学の第二法則、エネルギーとエントロピー等)<BR>3.動的に安定なシステム:植物の光合成を例として<BR>4.動的に安定なシステム:一般論<BR>5.開放定常系の性質:生物個体を例として<BR>6.開放定常系の性質:生物個体群を例として<BR>7.開放定常系の性質:一般論<BR>8〜15.演習(Project-Based Learning ):環境科学会などの学会誌等の適当な文献の講読を通じて、環境生態システム科学に関する課題を自ら設定し、モデリング及びシミュレーションを手段として、その解決を計る。